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可愛い弟を溺愛しながら生きていく  作者: 綾雅(りょうが)9月は3冊!


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226/251

226.茶は出さんから帰れ

 カランデリア様は自国の騎士団を引き連れ、当然のように騎乗して去った。あの人が、たとえドレス姿であろうと馬車に乗るのは想像できない。意識を失っても馬の背で揺られていそうだぞ? そう口にしたら、母上が大笑いした。


 バンバンと叩かれた背中が痛い。


「よくわかってきたわね」


 ルカは抱っこが嬉しいらしく、ご機嫌で鼻を鳴らす。可愛いのでこのまま抱っこだ。ガスパルが「下ろしたらどうだ?」「獣だろう」と騒がしいので、睨んでおいた。


 可愛さでルカに勝てたら、話を聞いてやる!


 カランデリア様に随行するのは、騎士団のみ。後衛の兵士や荷馬車は、追いかける形となった。イグナシオ殿下達のように、全員で移動する意味がないからな。兵士の数が多いので、荷馬車を襲撃される危険は少ない。騎士団は足が速いうえ、強いので不安はなかった。


 そもそも、王都から先はモンタネールの領地に変わったのだ。貴族の粛清も必要だが、ひとまず襲う馬鹿は……いないと思う。いたら返り討ちにされるだろう。


「セシリオは結局、何をしに来たんだ?」


「異母弟が逃げたので追ってきた」


 背中の痛みに顔を顰めながら、腰にも手を当てている。受け身を取る間もなかったらしい。痛いとぼやきながら、バシリオの視線を避けている。私を盾にするな。


「触るな! 減る!!」


 ガスパルが唸る。私はそう簡単に減らないぞ、たぶん。婚約者のガスパルが隣に立つので、バシリオの視線を遮る役目は果たしていた。


「バシリオ、構うな」


「申し訳ございません、お嬢様。反応されると狩りたくなりまして」


 丁寧に言っても「面白いから揶揄った」わけか。バシリオは甥にあたるセシリオに興味はない。投げ飛ばされた段階で、対象外になった。鍛えても将来使えるようにならないと判断されたわけだから、セシリオにとって良かったのか悪かったのか。


 バシリオの中では「能無し」の烙印を押された状態だった。


「あの偽王子を連れて、さっさと帰ってくれ」


「偽、王子? いい綽名だな、私も使おう」


 お茶は出さんから、はよ帰れ。言葉を飾らずに追い返す。だが、セシリオの用事はまだ終わっていなかった。


 ルカに手を伸ばして触れようとしたので、ガスパルが防ぐ。気が利くな!


「お姉様、たぶん思っているのと違うわ」


 苦笑いするベスが追い付いて、こそこそと教えてくれた。ルカは今、私の腕に抱かれている。つまり胸元にいるわけだ。ルカの頭を撫でようとすれば、その手が胸に当たるかもしれない。ガスパルが気にしているのはそこだと言われて、自分の胸を見下ろす。


 ぺたんこではないが、そんなに膨らんでいないぞ? 触れようとしても探さないと無理だろう。そう口にしたら、一斉に反論が返ってきた。


「恥じらいを持て」


「絶対に違うし、俺のだ!」


 なぜセシリオに言われなければならないんだ? あと、ガスパルは手が空いたら殴る! 私の胸は私のだ!

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― 新着の感想 ―
失恋したのだから、はよ帰れw 無能印の王子…良いのか悪いのかw 婚約者なのに殴られる事確定なガスパルさんwこの二人はそうやって、絆が深まるんでしょうねw
セシリオも妙にしつこいな
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