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可愛い弟を溺愛しながら生きていく  作者: 綾雅(りょうが)9月は3冊!


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224/251

224.危険だから三回目はやめておけ

「ケ・シーは無事か?!」


 馬上で叫んだのは、セシリオだった。四人の騎士を連れて到着したサンバドル王国王太子を見上げ、私はガスパルと顔を見合わせる。


「けし? とはなんだ?」


「ああ、ルカの種族名みたいなものだ」


「そうか」


 そんな会話をしている間に、母上とカランデリア様がセシリオに詰め寄っていた。事情を聞いているようだが、尋問風景に見える。


「大変よぉ? あの偽王子、脱走したんですって」


 他人事の口振りだな、母上。楽しそうで何よりだ。口元が今にも微笑みに変わりそうだな。父上は「娘を狙う奴は許さん」と意気込んでいる。隣の母上のほうが強いから、荒事は任せた方がいいぞ。


「一大事と呼ぶほどの事件でもないな」


 カランデリア様は辛辣だった。あの偽王子がやらかすことなら、私達が問題なく撃退できると考えたようだ。事実なので、評価されて素直に嬉しい。たとえ昼寝中に襲われても、まったく問題なく返り討ちにする。


「ねえ、もう終わっているみたいよ?」


 馬から降りるセシリオや騎士を見ていたら、ベスに袖を引かれた。可愛い仕草だな。指先ではなく、ちょんと人差し指の脇と親指で摘まむ。拳のように丸めた手が小さくて愛らしい。などと考えていたら、もう一度引っ張られた。


 ベスが示す先には、バシリオが何かを引き摺っていた。たぶん偽王子だろう。


「バシリオ、侵入者か?」


「旦那様、もう片付きましたのでご安心ください」


 優雅に一礼するバシリオに引き摺られる偽王子は、ぴくりともしない。焦ったセシリオが駆け出した。


「まさか、殺したのか?」


 足は止めたものの、何も言わないバシリオに焦れたようにセシリオは詰め寄る。一応、あんなんでも王の子だから……まずいのか? だが無駄な種蒔きをされずに済んでよかったじゃないか。そんな私の呟きに、ガスパルとベスが頷いた。


 たぶん、父上や母上も賛同してくれる意見だ。


「連れ帰って処罰を下す必要があったのです、叔父上」


「叔父と呼ばないでください。これが二度目です」


 バシリオが低い声で告げた。背筋がぞくっとする。馬の側にいた騎士が一斉に振り返った。ここまで伝わるほど、殺気を抑えていない。これはまずいぞ。


 バシリオは二度目までは許すが、次は何も言わずに実力行使に出る。次に「叔父」と呼びかけたら、セシリオの立場を考慮せずに叩きのめす。その予告だった。


「セシリオ、やめておけ。それ以上バシリオに絡むな」


 これは私なりの忠告だぞ。苦情じゃない。それなのに彼はもう一度、禁忌の単語を口にした。


「だが、叔父である事実は……っ」


 まだ話している途中で、セシリオの体が宙を舞った。だからやめておけと言っただろう。さすがに殺しはしないが、体に痛みで叩き込むつもりのようだ。騎士が慌てて駆け寄ろうとするが、私とベスが立ちはだかった。


「忠告はした。無視したのはセシリオ自身だ」


 やらかした責任はセシリオにある。剣の柄を握る騎士と睨み合う私の腕の中で、ルカが「きゃう」と間の抜けた鳴き声を上げた。

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馬鹿だ~wチャラ男でお馬鹿さん!確かに血は繋がってるけど、本人が呼ぶなと言ってるのに、しかも、経緯が最悪!(前だか前の前だかの王が愚王!)本人が関係ない!ってしてて、なんで頑なに身内扱いしようとするの…
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