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可愛い弟を溺愛しながら生きていく  作者: 綾雅(りょうが)9月は3冊!


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212/234

212.響きが似ているとは思ったが

「た……たかが、執事、風情がっ」


 なんとか聞き取れる言葉を発するクズに視線を戻す。なんとも見苦しい。師匠の一撃はかなり手加減したというのに、と呆れた。もしバシリオが本気なら、とっくに息の根が止まっている。元暗殺者を舐めるなと言いたいが、余計な口は開かないのが吉だろう。


「たかが執事ですが、少なくともあなたよりは人としての道理を弁えております。それと……特に隠していたわけではありませんが……」


 バシリオは言葉を止めて母上を見つめた。微笑んで頷く母上の承諾を見て取り、改めて口を開く。


「サンバドル王族の血なら私も受け継いでいますよ」


 ……は?


「え?」


「……嘘だろ」


 様々な声が上がる中、カランデリア様も目を見開いていた。知らなかったぞ? 知っていたのは母上だけのようで、父上も顎が外れそうな顔をしている。どういうことだ? もしかして、本当にバシリオとセシリオの名前が似ているのは関係が……?!


 混乱して言葉が出ない。喉に声が詰まったように感じ、ぱくぱくと口だけが動いた。イサベル様から「あらぁ……」と驚きの声が漏れ、無言のイグナシオ殿下も目を丸くして凝視している。セシリオに至っては驚きすぎて固まった。


 ある意味、ベーア侯爵親子が凄い。話を聞いていなかったようで、セシリオを守る位置で周囲を見回している。


「あの……師匠? どういう」


「訓練中以外は、バシリオと呼ぶようにお願いしましたが?」


 厳しく言われて「すまない」と謝った。いや、そうではないぞ。重要な部分を誤魔化されないため、深呼吸して切り出した。


「サンバドル王族の血とは、どういう意味だ?」


「そのままです。サンバドルの先代王が侍女に手をつけて産ませた子ですから。当代の王も同じことをなさったと伺い、非常に残念ですね」


「そういった面が緩い一族なのだろう」


 思わず、本音で肯定してしまった。セシリオが「いやいや」と全力で否定するも、まったく信憑性がないぞ? そもそも出会った頃に平民のフリをしていたセシリオは、どう見てもチャラかった。女の子に声を掛けまくっていたし、先代と当代の王が庶子をこさえているのもおかしい。


 王族の血が外へ漏れないよう、どの王家も注意している。そのため追放される王族は子が生まれぬよう処置されるほどだ。厳重に管理されているからこそ、王家の血は価値があるのに。


「……叔父上?」


「そのような呼ばれ方は不本意です」


 セシリオの掠れ声での確認を、バシリオはばっさりと切り捨てた。

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― 新着の感想 ―
貞操観念ユルユル一族…。セシリオさん、ヘタレ臭がますますwこんなんじゃあ、いっそ、王族丸ごと取り替えても…流石に駄目かなw?セシリオさん、王様になるなら頑張れ!茨の道過ぎる気がするけど…。
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