表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
可愛い弟を溺愛しながら生きていく  作者: 綾雅(りょうが)魔王様コミック発売中!


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
204/209

204.すっかり忘れていた

 追われたアマンドは近くの木の枝にしがみつき、馬の怒りをやり過ごした。ウルティアの馬だからいいが、他国の馬でやったら殴られるだけじゃ済まないぞ。馬は国や騎士の財産だからな。


 暴走して満足したのか、モニカが軽い足取りで戻ってくる。ブリサは向こうで草を食んでいた。黒鹿毛のフィトは対象から外れていたため、のんびりと眺めるだけ。


「もう! あいつ、一発殴るわ」


 グラシアナが怒って追い回し、カンデラが「許してあげて」と彼女を追う。これはあれか?


「一番後ろの子は、あの悪ガキが好きなのか」


 え? そっちか。てっきり、カンデラがグラシアナを心配しているのかと。アマンドをカンデラが好き? 確かによく構っていたが、そういう感情だったのか。なるほどと頷いていると、呆れ顔のガスパルが肩を落とす。


「どうした?」


「いや、相変わらずだな。俺より鈍いなんて、相当だぞ」


 なんとも失礼な発言だな。まあベスにも似たようなことを言われるが、可愛いベスと違ってガスパルに言われると腹立たしい。


「俺がどれだけ苦労して伝えたと思っている。両親に話をすると言うまで、信じてなかっただろ」


「それは当然だ。貴族家の娘が、親を通さない縁談の申し込みなど真に受けるはずがない」


 互いに正論なのに、なぜか噛み合わない。そのまましばらく言い争い、互いに顔を見つめて黙った。次に、ぷっと噴き出して笑った。


「キロス王国は明後日引き揚げるそうだ」


「ウルティアは明日の予定だったが、揃えるか?」


「そうしてもらうと助かる。何しろ、ウルティアに挨拶に行くと言っていたからな」


 ガスパルの言葉に首を傾げ、イサベル様だろうと納得する。イグナシオ殿下がウルティアに来る用事はないだろう。兄が婿入りする先の家族が気になるのは、妹なら当然だ。


 宿にしている王城へ戻るか。そう口に出した直後、向こうから盗賊のような姿の男が馬で走ってくる。裸馬に跨り、髪は後ろで結んだだけ。初老の彼は無言で距離を詰める。剣の柄に手を載せるガスパルへ「知り合いだ」と首を横に振った。


 どこからどう見ても浮浪者か盗賊。だが槍の腕は素晴らしい、父上の兄君だった。確か一回りほど年上と聞いている。槍が得意な母上に指導したのが、この人だった。


「おお! 見つけたぞ、アリス」


「久しぶりです、伯父上」


「そこのが夫か? うーん、戦ってみたいが」


「伯父上、まだ婚約者です。それと何かご用事があったのでは?」


 今回留守番役だった伯父が、明らかに急ぎで私を探していた。何か伝言があるはず。はっとした顔で伯父上が口を開いた。


「本家からの伝令があった。サンバドル王国から縁談が入った!!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ん?今?
遅い縁談w どう見ても浮浪者か盗賊な身内ってw自由な格好と趣味だから、問題なし?w
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ