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スキルマスター 楽しいは最強!!!  作者: とわ
第一章 ムーン・ブル編

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19.御利益


「あ~緊張したな~。手の平も汗でびっしょりだ」


 安堵な俺は、視線を右の手の平に移して呟いた。滲む汗で濡れている。


「あれがモンスターなのか?」


 汗かきな人よりも三倍ほど汗かきな俺は、宝箱を地面に置いて両の手の平の汗をパンツで拭いながら疑問に呟いた。視線を木々に移す。木々の合間を隈無く観察する。


「奴は…、行ったみたいだな…」


 不安な俺は、静かに呟いた。視線を草原に何気なく移す。一輪のたんぽぽが揺れていない。


「今は…、まだ危ないな」


 慎重な俺は、思わず虫の知らせかのように何かは未だに付近に存在すると呟いていた。宝箱を拾い上げる。洞窟内のテーブルに向けて移動し始める。


「顔ははっきり見えなかったが、大きな鷲鼻に三角帽子で長い杖を持ってたな。やっぱりゴブリンウィザードみたいな奴か?」


 冷静な俺は、額の汗を右腕で拭いながら疑問に呟いた。テーブルの前に到着する。


「女神の言うことは、当てにならないのかもな~」


 平静な俺は、宝箱をテーブル上に戻して緩く呟いた。宝箱を見つめて物思う。


「すぐに行けないなら…、どうするか?」


 手持無沙汰な俺は、思わず眉間に皺を寄せて疑問に呟いていた。物欲しげに周囲を見回す。テーブル上のスーツなどを発見する。


「フッ、これでもやるか」


 閃きな俺は、思わず不敵に鼻を鳴らして呟いていた。頬を緩めて両手を胸の前で蠅のように擦り合わせてしまう。


「時間を潰さないといけないからな~」


 貪欲な俺は、思わず言い訳のように呟いていた。両手をスーツに伸ばす。


「さっきはここまで頭が回らなかったな~」


 リラックスな俺は、スーツをテーブル上に広げながら再び何故か言い訳のように呟いていた。鼻歌交じりでスーツの皺を入念に伸ばす。スーツを丁寧に折り畳む。新たに出現する皺も入念に伸ばす。靴などを宝箱に仕舞い、スーツをその上に仕舞う。角度を変えながら出来栄えを鋭く観察する。しつこく出現する皺を入念に奇麗に伸ばす。


「よし! この感じだな~」


 強欲な俺は、スーツなどを宝箱から取り出しながら本番を開始すると声を上げた。同様にして再び仕舞う。


「ふう~。このぐらいにしとくか。止まらなくなるからな」


 満足な俺は、額の汗を右腕で拭いながら凝り性は程々にと呟いた。宝箱の上蓋を静かに閉じる。


「じゃあ行くか!」


 一新な俺は、宝箱から明るい未来と希望を自分の胸に取り出して景気の良い声を強く上げた。出入り口に紳士な足取りで向かい、手前で立ち止まる。


「やっぱり怖いな」


 慎重な俺は、思わず心拍数を上げながら呟いていた。前方の目視可能な範囲を確認する。怪しいものは存在しない。


「さすがに二回は続かないと思うが、上とか見えない場所に隠れてたら、どうにもならないよな…」


 不安な俺は、腕組して出入り口を見回しながら呟いた。首と上半身を右側に大きく傾けて出入り口の上側を覗き込みつつ物思う。


「考えても仕方ないか。男も度胸だ!」


 勇敢な俺は、前方を力強く見つめて強く呟いた。体を戻す。左手を壁に当てて強張る顔を洞窟外に恐る恐る出す直後、上、右、左、上に素早く向ける。


「大丈夫そうだな」


 臆病な俺は、思わず突き向ける青空を見つめて呟いていた。顔を洞窟内に静かに戻す。


「あ~緊張した~。予想外な事は、意外に続くからな~…」


 安堵な俺は、思わず背中を左壁に突けて脱力しながら呟いていた。


「そう言えば、洞窟は結界で気付かれないようにしてあるって言ってたが、さっきはその効果があったんだよな?」


 脱力な俺は、不意に女神の話を思い出して疑問に呟いた。出入り口をぐるりと見回す。背中を壁から離して姿勢と身なりを整える。


「女神様様だな。感謝しとかないと」


『パンパン』


「御利益、御利益」


「ハックシュン」


「んん? また風か? 今度のはやけに汚い音だったが…」


 ミーハーな俺は、信仰心を一切所持しないが、ここぞとばかりに心にもないことを呟いた。出入り口に対して二拍手して音を鳴らし、目を閉じながらの一礼と共に無作法と知りつつも心の底からの欲望を呟いた。金髪サラサラヘアーがなびくと同時に微かなくしゃみのような音を耳にした。目を開けて姿勢を戻し、顔を洞窟外に出して周囲と上方を確認しながら耳障りと呟いた。顔を洞窟内に戻す。


「さあ、いよいよ洞窟も出発だ!」


 奮起な俺は、再び姿勢と身なりを整えて気合の乗る声を強く上げた。右足を洞窟外に力強く踏み出して洞窟を出発する。大地からは優しさを、日差しからは勇ましさを覚えた。




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