12.道
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今は22話の戦闘が終わったところまで修正してあります。
幸福な俺は、壮大な青の中を微笑みながら歩いている。柔らかい風は、俺の背中を早くと急かすかのように後押している。他の強い風は、周辺を駆け回りつつ草花をいたずらに揺らしている。壮大な青の左奥から右斜め前方へと伸びる縁のような場所を発見する。
「あれか!?」
『ヒュルン』
平穏な俺は、思わず風に尋ねるように声を上げていた。強い風は、俺の胸元を横切りながら相槌を打つかのような音を立てた。好奇心旺盛な俺は心を躍らせて真っ直ぐ駆け出し、全体の風は行動を共にする。斜めに伸びる街道と思われる道を発見する。
「あれが、この世界の道か!?」
『ヒュルーン』
感動な俺は、思わず再び風に尋ねるように声を上げていた。行動を共にする風は、加速しながら正解と言わんばかりに元気な音を立てた。歓喜な俺は、駆け続けて道の手前に辿り着く。眼下に路面の土を捉える。
「これが、俺の新しい道だな!」
『ヒュン ヒューン』
感激な俺は、思わず頬を緩めて新たな進むべき道を発見したと強く呟いた。道の上に土を味わうかのようにしながら移動する。拡散している風は、青の中を自由に駆け回りながら歓迎のような音を立てた。爽快な俺は、左右の道を見渡す。差異は然程ない。
「あれ? どっちに行けばいいんだ?」
『ヒュルン』
不安な俺は、左右を数回見渡しながら最初が肝心と疑問に呟いた。一部の風は、俺の下に舞い戻りつつ微笑むような音を立てた。俺の体を柔らかく包み込むと同時に右側に押そうとする。安堵な俺は、体を右側に向けて真っ直ぐ伸びる道を眺める。
「女神も真っすぐって言ってたし、こっちだな!」
『ヒュン ヒュン ヒュルルーーン!!』
平穏な俺は、女神の話と右斜め前方を思い出して明るく声を上げた。全体の風は、道に纏まりを見せながら駆け出して祝福のようなメロディーを盛大に奏でた。果敢な俺は、新たな道を歩き始める。
全体の風は、壮大な青の中を自由に駆け回りながら勇敢なメロディーを奏でる。やがて右前方に纏まりを見せつつメロディーを中止し、草花と戯れ始める。しばし経過し、まるで楽しいお家に帰ろうとでんでんでんぐりかえってバイバイバイかのように舞い躍りながら林に向けて過ぎて行く。
「いい風だったな」
感慨な俺は、歩きを止めて過ぎ行く風を別れを告げるように見送りながら感謝と呟いた。体の向きを前方に戻す。胸を張り、再び歩き始める。日差しから暖かさを覚える。
「今日って言うとおかしいかもしれないが、なんか春みたいに暖かいな?」
楽観な俺は、思わず尋ねるように呟いていた。空を見上げる。
「太陽は…、後ろか」
陽気な俺は、体を背後に向けながら呟いた。後ろ歩きで左手を日差しを遮るように掲げて太陽の位置を確認する。
「真上ぐらいだな。今は昼頃か?」
ぽかぽかな俺は、空腹を日差しで満たしながら疑問に呟いた。
「そう言えば今更だが、ここはこの星のどの辺なんだ? 女神はその辺の話は特にしてなかったと思うし、今はなんとなく普段の感覚でいるが…」
不安な俺は、左手を下ろしながら遠方を見渡しつつ様々な事柄が抜けていると呟いた。
「まあ、過ぎた話か。考えるのも面倒臭いし、今はこのままでいこう。過ちを気に病むことはない。ただ認めて次の糧にすればいい。それが大人の特権だ。シャーは言ってたしな!」
大人な俺は、人格をシャー・アズナブルと共有しているかのようにして明るく声を上げた。何気なく道を眺める。
「…、それにしても人が居ないな」
後ろ向きな俺は、思わず間を置いたあとに唐突に呟いていた。草原を眺めながら体を前向きに戻す。それとなく道を眺める。
「昼頃…、だからか?」
困惑な俺は、思わず言葉を詰まらせて疑問に呟いていた。静寂に気付き、非日常な景色にも気付く。不意に歩きを止めてしまう。
「今は…、一人だな…」
憂鬱な俺は、視線を落としながら弱く呟いた。孤独に気付き、土の道と両足にも気付く。
「焦る必要はないんだ。この道を、自分の足でじっくり楽しもう!」
大人な俺は、孤独は数多く経験済みと堂々と呟いた。直ちに顔を上げる。視野が広がり、遠方の自然豊かな山脈に気付く。
「俺は何故、山に登るのか。 フッ。そこに山があるからさ!」
偉大な俺は、右手をピストル型にしながら顎に当てつつ喉を開いて低音を響かせ、鼻を不敵に鳴らしたあと、右腕をしっかり伸ばしながらピストルを格好良く山脈に向けつつ名言に哲学的な意味を付け加えて力強く声を上げた。しばし悦に浸る。姿勢を戻し、山脈を見つめながら再び歩き始める。
「あの山は、どこから登るんだろうな~あーおおおおっ!?」
努力家な俺は、視線を峰から麓まで下ろしながら次の山を越える手段を模索しつつ麓に薄く左右に伸びる長方形の人工物のような物が存在することに気付いて思わず突然の幕開けかのように唸り声を上げていた。
「自然ばかり意識してたから、気付かなかったな!」
衝撃な俺は、心の準備をしながらいよいよ物語が始まると強く呟いた。正体を見極めようと歩幅を少し広げる。長方形の中に出入り口のような開口部を発見する。
「あれは、城門か!?」
興奮な俺は、スタート地点を確認するかのように疑問に声を上げた。歩幅を更に広げる。威風堂堂な城門を確認する。
「やっぱりそうだ!」
益々興奮な俺は、威風堂堂な城壁も確認しながら高らかに声を上げた。路面の変化に気付いて歩幅を狭める。路面が切り替わる地点の手前で立ち止まり、足元のレンガ調の路面を凝視する。
「ここからは、石畳になるのか」
満足な俺は、雰囲気があると呟いた。凝視を前方に石畳を辿るようにして向ける。城門内部に辿り着く凝視を城門手前に戻す。少数の人々を発見する。人々の中に恐らく軽鎧姿であろう人物1人と重鎧姿の人物2人を発見する。
「あっ…、あの姿は!?」
興奮な俺は、思わず言葉を詰まらせて疑問に声を上げていた。軽鎧姿の人物を熱い眼差しで凝視する。
「冒険者か!?」
熱狂な俺は、思わず疑問に声を張り上げていた。冒険者と思われる人物は、城門の右側に立つ重鎧姿の門番と思われる人物と会話している。
「く~~~うっ! 鎧って、あんな風に見えるのか!」
感激な俺は、思わず前屈みで全身に力を込めながら声を上げていた。口元がオオカミに変化し始める。
「ぐへへ~」
欲望な俺は、思わず自分の鎧姿を妄想しながら貪欲に声を漏らしていた。口元に垂れる涎に気付く。
「おっと。いかんいかん。ここは初めての街なんだから慎重にいかないと」
有頂天な俺は、口元を拭いながら今はオオカミの時ではないと呟いた。口元を改め、凝視を城門手前に戻す。村人風や農民風の人々を確認する。
「そうじゃなさそうな人達も居るな」
平静な俺は、頬を緩めて呟いた。人々は、城門の左側に立つ重鎧姿の門番と思われる人物と会話している。
「とりあえず行ってみるか。考えるのはそのあとだ!」
興味津々な俺は、果敢に強く呟いた。石畳の道を一匹オオカミの挑戦者のように歩き始めた。
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