君アル
この小説を読んでくださっている読者様、ありがとうございます。
小説の書き方なんてまだよくわかっていませんが、何卒よろしくお願いいたします。
目を覚ますとそこは私のフィギュアだらけの自室ではありませんでした。
うん、どこだここ。
『やぁ、よく眠れたようだね』
……不審者?
『違う!違うよ!お願いだから、受話器探すのやめてっ!』
てか、誰?なんで、私の思ってることわかるの?
『僕は、使者さ!君をこの世界に連れてくるために生み出された、天の使い!
君の言うことがわかるのは、多分天の使いのスキルだよ』
まあ、特に興味ないんだけどね。
で、ここはどこなの?
『酷いっ!
ここは、大人気乙女ゲーム【私と君のアルバム】の世界だよ!』
…こういう、無駄な期待させる夢って起きた時の絶望感半端じゃないから、早く覚めてほしいんだよねぇ
『本当だよ、本当!僕がほっぺたつねってあげようか?』
いや、私君のこと見えないし、触れないと思うだけど?
『僕からだけ触れるんだ!』
もう、なにも聞かないことにしよう…。
で、私の愛してやまない君アルの世界の中だってことは、一応信じてあげるけど、私は誰なの?
『あー…。それは、秘密!それより、僕もう時間がないんだ!沢山困難もあると思うけど、君はまだ小さいから大丈夫!検討を祈るよ!』
そう言って、逃げるように消えて行った使者に不信感を覚えながらも、女の子らしいぬいぐるみがいっぱいの部屋のすみに置いてある鏡を見て絶句した。
「な、な、な、なんじゃこりゃあああ!!」
鏡に写っていたのは、腰まである綺麗な黒髪とまつ毛が長く、ぱっちりとして少しつり上がった黒い瞳、口紅を塗ったように真っ赤な唇をして赤いネグリジェを着ている少女だった。だが、少し体型がふっくらしており、ほっぺたがもちもちっとしていた。
誰だろう、この美人ゆるキャラは。あ、私か。
しかし、なぜ使者はあんなに後ろめたそうにしていたんだろうか。私は、このぷっくり可愛い体系でも、全然十分なのに…
というか、こんな可愛い子、君メモに居たっけ?もしかして、こんな子がモブ!?…なんてゲームだ…。
というか、主人公キャラの咲坂舞ちゃんよりこの子の方が可愛いような。
わかった!この子、将来太っちゃうんだ!だから、こんな可愛い子を太らせないように、宝の持ち腐れにならないように私を送ったのか!納得。
よし、そうと決まればやることは一つ。ダイエットだ!
そう、私がランニング服を探そうとした時ーーー
「みぃ!僕のみぃ!なにかあったのか!?」
「ご主人様!落ち着いてくださいませっ!お気を確かに!」
……誰?