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71 悪役令嬢とポリー

「これは一体何事かな?」

カイルとミシェルがやって来た。少し遅れて、エリオットも。

「ポリー様が…」

「パトリシア様に、グラスを投げられて…」

私が弁解をしようとするも、ポリーが私の言葉に被せてきた。

「私はそんなこと…」

ポリーはスンスンと鼻を鳴らして泣いている。もしかして、はめられた?何で、私はそんなことされるようなことしていない。

「でも…私が悪いんです。ドレスの色がかぶってしまって…怒らせてしまったんです」

「…違っ」

周囲の視線が私に集まる。怖い、逃げたい…

「パトリシア様は普段青いドレスをお召しになられているわ」

「じゃあ、かぶせたのはパトリシア様なんじゃ…」

貰ったドレスを着ただけなのになんでそんなことを言われなきゃいけないの、それに色なんて濃淡も違うのに…

「パトリシアはそんなことしません!!」

ステラが必死に訴えてくれている。

「ステラ様ってパトリシア様と仲良くされるし…」

私のせいで、ステラまで悪く言われている。

ここで動揺したら相手の思う壺、毅然とした態度を取らないと

「ミシェル、フローレス公女のグラスを」

いつもは笑顔で駆け寄ってくる、ミシェルが無表情で近づいてきた。

耳元で何かを囁いてきたが、聞き取ることができなかった。私の持っていたグラスを受け取ると、ミシェルはカイルのもとへ戻っていった。

「エリオット、フローレス公女を連れて行け」

カイルは冷たい目で私を睨んでいる。

嘘…ミシェルもカイルもポリーの話を信じたってこと…

私はエリオットに腕を掴まれて、会場から追い出された。

何で?殺されるにしても、まだ猶予があるはず…それなのに、もしかして私が…物語を書き換えてしまったツケが回ってきたっていうの?



うふふ、上手くいった。カイル様がパトリシアを好いていないって噂は本当だったのね。

少し計画は狂ってしまったけど、上出来ね。


私はポリー=ラッセル。幼い頃から私の望むものは何でも手に入った。ドレスも珍しい宝石も…全部。

でも、一つだけどうしても手に入れられないものがあった。それがカイル様…

「可愛いポリーのお願いでも無理なんだ」

お父様はそういった。私が理由を尋ねるとフローレス公爵家の令嬢と婚約しているからと聞いた。うちの方が爵位が下だからどうにもできないのだと。

フローレス公爵が宰相をやっているから、その繋がりで婚約を結んだだけの政略結婚。

カイル様が可哀想、好きでもない女と結婚なんて…私ならカイル様を幸せにしてあげられるのに、私の方が可愛いのに。

可愛い私は引く手数多で、沢山の求婚状は届いた。でも、私に見合う男はいなかった。

「ブライス公子はどうだ?」

お父様は上位貴族の中で、私の婚約者を探してくれている。

ブライス公子、あの辛気臭くて目つきの悪い男なんて私に見合わない。そもそも、私に求婚状を送ってこないところも腹立たしい。

私に見合うのはやっぱりカイル様だけ…諦めるなんてできない。

そんなときだった、社交界デビューの日あの女はカイル様ではなく、父親であるフローレス公爵にエスコートをされていた。

「ポリーお前のお願い叶えられるかもしれない」

お父様はすぐに動いてくれた。

婚約者の発表がされてもおかしくないはずなのにされない、エスコートすらしてもらえていない。つまり、カイル様はパトリシアとの婚約を望んでいない。早いとこ婚約解消したいだろうけど、パトリシアが縛り付けてるに違いない。それなら私がカイル様を救ってあげないと、パトリシアを懲らしめるために協力者もできた。


うふふ、パトリシアは婚約解消どころか、爵位剥奪かしら…ざまあみろ。


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