↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
193/214

捜索と憶測

パトリシアの護衛騎士、ダリルが目撃したという、ローブの男と借馬車の捜索が始まって五日程経過した。

今だ足取りはつかめていない。


パトリシアが王宮へ来ることを知っていて、男達を殺す事ができるのは、王国騎士団や警備兵、王宮にいる人間……ダリルの予想は正しいだろう。

いつの間に入り込んだのか、それとも裏切ったのか……

まあ、どちらでもいい。見つけ次第、酷刑を処せば良いだけの話だ。

ただ、借馬車に乗っていたという人間も気になる。

ローブの男がパトリシアを狙っていて、男達を雇うとは考え難いだろう。

男達は獄中だというのに、随分と舐め腐った態度を取っていた。まるで助けが来るとでもいうような……

ローブの男と関係していることは間違いないが、依頼した人間は別にいるだろう。

それが借馬車に乗っていた人間……

依頼主がわざわざ、近くまで来ていたのは直接手を下すつもりだったのか、殺される様子を見るためだったのか。

男達にパトリシアを襲わせたのは、失敗したときにローブの男に始末させるためか?


パトリシアを敵視している人間は、以前に比べて減った。

私が牽制しているのもあるが、パトリシア自身の人柄のおかげでもある。

本来、公爵家のパトリシアに対して気安く声をかけることできるのは、王族である私やパトリシアと同等の爵位であるエリオットやエリーゼぐらいだ。

でも、パトリシアは爵位を気にせず、誰に対しても平等に接する。

義弟妹であるセシル(元侯爵家)とアリシア(元男爵家)とも仲が良い事が知れているため、尚更親しみやすいのだろう。


そんな人の良い私の可愛い婚約者に、身の程知らずにもアプローチをかけてくる人間は少なからずいる。

婚約関係を公にしてからも、数人に言い寄られている。

当の本人は全く気づいていないけど……

その男達の一人が、手に入らないならと殺すことを依頼した可能性も考えられるだろう。


依頼主が女性というケースは考えられないだろう。

少し前なら、そういう事を考える愚かな令嬢がいたが、今は嫉妬の目ではなく憧れの眼差しを向けられているぐらいだ。

エレノアを庇って、エイミー=ナイセルに水をかぶった時の毅然とした振る舞い。

普段の穏やかな雰囲気とのギャップで、より好感を集めた。


それに、最近では、私の方が令嬢達に嫉妬の目を向けられている。

夜会の度に、パトリシアの側で牽制しているため、「パトリシア様にお声をかけづらい」や「普段からご一緒にいられるのだから、交流の場ではパトリシア様を譲ってほしい」

とセシルやエレノアを通して耳に入ってきた。


令嬢達には慕われているからというのもあるが、女性が殺しの依頼をするのは中々リスクが高い、金品を渡しただけで言うことを聞いてくれる人間だけではない、依頼人が女性だと分かれば違う要求をしてくる可能性だってある。

現に、パトリシアを殺すように依頼を受けた人間が、依頼を無視して彼女を襲おうとしたぐらいだ。


犯人探しに尽力を注ぐのは当然だが、今はパトリシアの心のケアが大切だろう。


腰まであった綺麗な髪が胸ぐらいの長さになっていたのも、男達に切られたに違いない。

怪我は癒せても、髪の長さは戻せない。

服毒死などさせる前に、私の手で始末するべきだった。


次にフローレス邸へ伺うときは、何かプレゼントを持っていこう。

チョコレート……いや、犯人か見つかっていないのに、食べ物を贈るのは危険だろうし

髪飾り……は、髪を切られて傷ついているかもしれないのに、無神経過ぎる。

となると、アクセサリーか……

多少時間はかかるかもしれないが、それが一番だ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。