↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
183/215

127 悪役令嬢とヘクター

ダリルとリック宛に、村長さんから手紙が届いたため、二人は休暇の日に村へ戻ることになった。

私も二人に誘ってもらいついて行くことにした。


屋敷を出ると、見覚えのある馬車が停まっていた。フローレス家の馬車ではない。

あれは、街へ出かけたときに乗せてもらった、王家の紋章が入っていない馬車だ。

ということは…

「やあ、パトリシア。これから、ダリル達と村へ出かけるのかな?」

カイルが馬車から降りて、こちらにやって来た。

「何で分かったんですか?」

お父様から聞いたのかな?

「君達、村長から手紙が来たんじゃないかな?内容は新しい領主が挨拶に来るから…というもので」

「何故、カイル様がそれを」

領主を決めるのは王族だから、知っていても当然だけど、何で今日挨拶に来るって知っているんだろう。

「私は、その新しい領主と一緒に来ているからね」

「ヘクター=ウィリスと申します」

カイルの後ろに控えていた男性がお辞儀をした。

帯剣をしているから、カイルの護衛かと思ったが、彼が新しい領主なのか。

「パトリシア=フローレスです。それから…」

「パトリシア様の護衛騎士をしています。ダリル=ヨルクです」

「フローレス家の従者のリックっす」

私に続き、二人も挨拶を済ませた。

「行き先は同じなのだから、乗っていくといいよ」

お言葉に甘えても良いのだろうか、村の人達が驚いてしまいそうだけど。

「パトリシア、行こうか」

カイルに手を掴まれてしまった。

ダリルもリックも、気にせずに馬車に向かって歩いている。

二人とも物怖じしないな。


「まだ伝えていなかったけど、ヘクターは王国騎士団の次期副団長だよ」

馬車が動き始めると、カイルが口を開いた。

やっぱり、騎士だったんだ。

それにしても、私達より少し年上に見えるけど、その若さで副団長だなんて、余程の実力を持っているんだろうな。

「お若いのに、すごいですね」

「僕は今年で二十三になるので、パトリシア様の方がお若いですよ」

嘘、二十三歳!?もう少し若いと思っていた。いや、二十三も十分若いんだけど。



村に到着すると、村長さんが出迎えてくれた。

ダリルとリック、ヘクターは村長さんの所へ向かい挨拶をしている。

王子であるカイルはローブを羽織り、フードをかぶって髪色を隠しているが、一応離れた所にいる。

私は村長さんに軽く挨拶をした後、カイルの元へ行った。

「パトリシアはヘクターの事、どう思った?」

どうって…

「穏やかで、優しそうな方だなと」

おまけに強いなら、ここの領地は安心だろう。

「パトリシアがそう思うなら大丈夫だね。一応聞くけど、好きにはなっていないよね?」

「人として好感は持てるけど、それがどうしたの?」

何故、そんな事を聞くんだろう。

「彼は、エレノアの想い人だよ」

へぇ〜エレノアの想い人は、ヘクターか。そういえば、前に好きなタイプは騎士様だって言っていたな。

その頃から好きだったのかな?

私が好きになっていたら、エレノアの恋敵になってしまっていたから聞いてきたのか。

ってそんな事より、勝手に人の好きな人を暴露するのはいかがなものか…

「それと、今ヘクターがつけているブローチはね。エレノアがプレゼントしたものだよ。プレゼントを貰った日のヘクターは、心底幸せそうだったな。彼も、そろそろ勇気を出して欲しいところだけど、私が口出しをするべきではないからね」

…つまり、二人は両思いってこと?

「ヘクターはデイン侯爵家の次男だから、爵位を与えたんだ。騎士として功績を挙げた褒美にね」

そっか、後継者ではないヘクターと、エレノアでは結婚できても、爵位はないも同然になるのか。

カイルは二人のために…

「カイルはカッコいいわね。私は、カイルのそういう所好きよ」

エレノアが王宮に呼ばれていたのも、きっとカイルがヘクターと会うきっかけを与えていたんだろうな。

そういう所に気が回るなんて、本当にカッコいいな。

「パトリシア、今のもう一回」

カイルは褒められて、照れているのか顔が赤い。

言われ慣れているだろうに、こんなことで照れるんだな。

「カイルはカッコいいわね」

「その後の言葉も」

その後?何か言ったっけ?ついさっきのことなのに思い出せない。

「えっと、ほぼ無意識で言っていたから、何を言ったか覚えてなくて」

「そっか、無意識ね…良いよ、また自然と口にしてもらえるように頑張るから」

私が何を言ったか覚えていないのに、カイルは嬉しそうに笑った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。