アリシア様の日記2
お久しぶりです。私はアリシア様付の侍女、デイジーです。
今、私はアリシア様のお部屋の床を掃除しています。
床を汚した張本人である、アリシア様はというと
「あぁ、私はついにお姉様と…」
とキャーキャー言いながら、ベッドの上でゴロゴロと転がっている。
本日のアリシア様は、朝食を済ませてからはずっとパトリシア様のお部屋で過ごされていました。お昼過ぎにカイル様がいらっしゃったようで、アリシア様とセシル様が応接室の前で待機していらっしゃるところを目撃した。カイル様が帰られたあと、慌てた様子でお部屋に戻ってきたアリシア様は床にへたり込んだかと思ったら、鼻血を大噴射された。ちょうどアリシア様のお部屋に、お手紙を届けに来た私は、アリシア様が血を吐かれたのかと思い、心臓が止まるかと思った。
「大丈夫、ちょっと興奮してしまっただけだから」
アリシア様はケロッとした様子で立ち上がり、鼻血を拭いていた。
何があったのかは分からないが、きっとパトリシア様に何かしてもらったのだろう。
鼻血を大噴射されたのは今回が初めてだが、前にもベッドの上だジタバタされているのは何度か見た。
床の掃除も終わり、一息つく
「そうだ、日記を書かないと」
アリシア様は起き上がり、机に足を運ぶ。
私が読んでしまって以降、私が近くにいても隠すことなく堂々と日記を書くようになった。
最初に読んでしまったときも、可愛らしい内容とは言えない日記だったが、今はもっと恐ろしい。
✕月○日
本日のお姉様も大変麗しかったです。今日はお出かけする予定がないからと、落ち着いたデザインのドレスをお召しになられていましたが、日差しが強い日のお空のような青色が、お姉様の揺れる美しい金髪と合わさり絵画のようでした。
お姉様に抱きしめていただいた時に、香油を使われたのかふんわりとバラの香りがしました。昨日は香油を使われていなかったのに、甘い良い香りがしてクラクラしてしまいました。
と、このように、その日にお召しになられていたドレスの詳細だけでなく、纏っている香りについても書かれていた。
掃除用具を片付けてから、お茶の用意をしてアリシア様にお出しした。
その際に、少しだけ…ほんの少しだけ日記を見てしまった。
お姉様に口づけをしました。顔を真っ赤にしたお姉様は大変愛らしくて、思い出しただけでも鼻血が垂れてきそうです。でも、お姉様の初めては忌々しいカイル様に奪われてしまいました。許せない…
アリシア様がパトリシア様に口づけを!?
アリシア様がパトリシア様のことをお慕いされているのは知っていたが、まさかそういう意味でお慕いされているとは
最近はロマンス小説を沢山読まれているので、恋愛に興味を持たれたのかと思っていたが、違ったのか…
アリシア様からお借りして、数冊読ませていただいたが、主人公やお姫様はパトリシア様に似た容姿の物ばかりだった。
「あの、アリシア様お聞きしたいことがありまして」
「どうしたの?」
「アリシア様が読まれているロマンス小説は、パトリシア様に似た容姿の女性が出てくるものが多いようですが…」
「そういう物を選んでいるもの、当然でしょ」
何が当然なんだろうか。
「私は、小説を通じてお姉様とラブロマンスを楽しんでいるの」
「つまり?」
「男性を自分に当てはめて呼んでいるの」
そんな楽しみ方をされていたとは、アリシア様の趣味を否定するつもりはないが、略奪愛系の物が多いのはカイル様と関係があったのだろう。
何はともあれ、アリシア様が楽しそうにしているのは、私にとっての幸せだ。だから、日記は絶対にパトリシア様の目に入らないように気をつけてほしいと思った。アリシア様はもちろん、パトリシア様のためにも




