#92:親友とは、友のためなら命をも惜しくない人のことを言う
ついに不動先輩に告白した一刀
だが結果は振られるという予想外な結末が待っており、翌日、一刀は顔は元気だが心は病気という状態で登校し、及川の失言により死を決意しようとし、華佗と及川が一刀の行方を探すなか、一刀が東京ドデカイツリーをよじ登っているというニュースが流れるのだった。
東京ドデカイツリー
高さ約800メートルからなる巨大タワーであり、頂上から落ちればたとえ下にマットが敷いていたとしても確実に死ぬ。
そんな場所を現在一刀がよじ登っているのだ。
するとそこへ
華佗「まだ落ちてはいないようだな!?」
華佗と及川が現れた。
華佗「一刀はどの辺だ?」
華佗がドデカイツリーを見ていると
及川「華佗、かずピーは展望室より少し上におるで!」
覗き用として双眼鏡を常備している及川がドデカイツリーを見ながら言った。
華佗「展望室近くか、ならタワーのエレベーターで近くまでいける。そこから先はよじ登るしかない!」
タワーをよじ登ると気安く言う華佗だが展望室まででも700メートルはあるのだ。
及川「おいおい、いくら何でもこの小説に若干ギャグがあるとはいえタワーから落ちたら死ぬのは確実┅!?」
華佗「馬鹿野郎! 親友をほっとけるか! お前が行かなくても俺だけで行く! じゃあな!」
そう言うと華佗は及川を置いてタワーに入っていった。
及川「何が『親友をほっとけるか!』や、アホらし、わいは帰って覗きでも┅」
と、及川が去ろうとしたその時
リポーター「こちらは現場です。どうやらタワーを登っている青年を助けにもう一人の青年が向かっていきました。周囲の人の反応を聞いてみましょう」
とリポーターが周囲にいた人に聞くと
女子「親友を助けに向かうなんて素敵よね」
女子「ホレちゃいそう♪」
という言葉が及川の耳に入り
及川「待っとれやかずピー! 親友のわいが向かったるからな!」
タワーに入っていく及川だったが
リポーター「ここで一旦CMです」
その勇姿はテレビに映ることはなかった。
それはさておき、一方
一刀「もう少し┅!?」
懸命にタワーを登っていく一刀
すると
ガシッ!
一刀「よしっ!」
一刀が何かをつかんだ瞬間
ビュウゥーーーッ!!
強風が一刀を襲い
パッ!
一刀「えっ┅? うわぁーーっ!?」
ゴォッ!!
一刀がうっかり手を離し、タワーから落ちてしまった。
このままでは地上に激突してしまうところを
ガシィッ!!
華佗「間一髪だったな!?」
一刀「華佗!?」
展望室から現れた華佗が一刀を受け止めた。
華佗「一刀、お前の気持ちは俺にはわからないが医者として一言言っておく、命を粗末にするんじゃない!」
一刀「華佗┅」
いい友情シーンのところ悪いのだが
華佗「でも、俺ももう限界だ!?」
一刀を受け止めた衝撃により、華佗の力が限界を向かえ
パッ!
華佗「うおっ!?」
一刀「わぁっ!?」
一刀ごと華佗まで落ちそうになったその時
ガシッ!
及川「まったく、わいがおらへんと大変な奴らやなぁ!?」
一刀・華佗「「及川!?」」
後から現れた及川が華佗を掴んだ。
だが
及川「あっ!?」
一刀・華佗「「えっ!?」」
及川に二人を引き上げる力なぞあるわけがなく
一刀・華佗・及川「「「わぁーっ!?」」」
三人がタワーから落ちそうになっていた。
一刀「何しに来たんだよ及川!?」
及川「うっさい! 一秒だけでも命が助かったんやから感謝せい!」
華佗「こんな状況で喧嘩するんじゃねぇ!?」
今は何とか及川の足が引っ掛かっているため助かっているがそれも長くはもちそうになかった。
及川「もうダメ!? あぁ神様、もう二度と覗きや下着ドロしませんから命だけは助けてください!?」
一秒で裏切りそうな神頼みをする及川
しかし、そんな神頼みが通じたからなのか
エレベーターガール「きゃあぁーっ!? お客様がピンチですぅ!?」
ボインッ!
金髪爆乳のエレベーターガールがエレベーター手前で腰を抜かして叫んでおり
それを目にした及川は
及川「爆乳ーーっ♪」
ぐぐいっ!!
一刀「うおっ!?」
及川は爆乳を近くで見るべく、一刀達を引き上げていった。
華佗「火事場の馬鹿力ならぬエロ力だな!?」
及川にしかできない芸当である。
そして及川により何とか助かった一刀達だが、当然のごとく警察から注意を受けるのだった。
その解放後、三人は歩いて帰ることになり
一刀「すまないな二人とも!?」
華佗「別にいいって、叱られるだけで命が助かったならまだいい方さ」
及川「でも学校にも事件は伝わってるやろうから明日もこっぴどく叱られるわけかぁ」
それを考えると歩みが遅くなる三人
華佗「それじゃあ帰ったら一刀の残念会でも開くとするか」
及川「おっ、えぇやんか!」
二人がそんな会話をすると
一刀「俺の残念会? どういうことだ?」
華佗「何を言ってるんだ一刀」
及川「振られたから自殺しようとタワーに登ったんやろ?」
と思っていたが
一刀「いや、俺はタワーの近くを通っていたら女の子が風船飛ばして泣いていたから取ってあげようとしただけだぜ」
華佗・及川「「えっ!?」」
衝撃的な真実を聞かされる華佗と及川
風船を取るためタワーに登るのは一刀くらいである。
及川「かずピー、そんなに強がらんでもえぇって、どっちにせよ不動先輩に振られたのは事実なんやからさ」
及川は一刀にそう言うが
一刀「それも間違いだったよ。実は少し前に不動先輩からメッセージが届いてな。それによると┅」
『先日は告白を断って申し訳ない。だが某の家では女は二十歳を越えねば結婚できぬという決まりがあってな、ということで某が二十歳になったら改めて北郷殿の告白を受けてみようと思う』
というものであった。
一刀「あぁ、今から二年後が楽しみだ! 待ってますからね不動先輩!」
未来に期待する一刀であったが
及川「なんやねんそれ! じゃあわいらは骨折り損で死にかけたんかい!」
華佗「落ち着け及川!? そもそもお前が┅!?」
及川「落ち着いてられるか! 騒がせた罰としてかずピーには色々とおごってもらうで!」
一刀「何でだよ!?」
たぶん人生で一番大変な目に遭う三人であった。




