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#91:馬鹿と煙と失恋男は高いところが好き

ついに不動先輩に告白した一刀


だが結果は振られるという予想外な結末が待っていた。


それから一夜が経った日のこと┅


「聞いたか? 北郷が不動先輩に振られたらしい」


「何でも先輩の好みのタイプじゃなかったとか」


「先輩が他に好きな人がいるって聞いたぞ」


噂話が広まるのは早く、尾びれ背鰭がついていたのもあった。


華佗「一刀の奴、学校に来るだろうか?」


及川「わからへんなぁ、何せあれだけ自信もって告白したってのに結果は見事惨敗! わいなら部屋で首つるなぁ」


華佗「恐ろしいことを口にするんじゃねぇよ!?」


本当にその通りかもしれないため冗談に聞こえなかった。


皆が心配するなか


ガラッ!


教室の扉が開くと


一刀「おっはようっ!」


一刀がいつもと変わらない元気な姿で現れた。


華佗「一刀┅!? お前平気なのか?」


一刀「何が? 俺は別に怪我なんてしてないぞ」


いつもと変わらない様子の一刀であったが


及川「だってかずピー、不動先輩に振られ┅」


と及川が言った直後


ドカァッ!!


突然一刀の体がブッ飛んだ。


一刀「ハハハッ、何を言ってるんだ!?」


倒れながらも起き上がる一刀


どうやら外見はいつもと変わらないが心はかなりのダメージを受けているらしい


華佗「(これ以上あの話をするのはやめようぜ)」


及川「(せやな、これ以上言ったらどうなるかわからへんし)」


クラス一同の心が一つになったのだが


「あーもうっ! あの球にバットを振られたぜ!」


ぴくんっ!


通りすがりの野球部の言葉が耳に入り


更に


「しつこい連中ね!」


ぴくんっ!


同じく通りすがりの女子の言葉が一刀の耳に入った瞬間


一刀「振られた┅、失恋┅」


華佗「一刀!?」


一刀は体育座りでしゃがんでしまった。


華佗「しつこい連中で失恋を連想するんじゃない!?」


どうやって慰めようか華佗が考えていると


及川「何を落ち込んでんねんかずピー!」


及川が一刀に話しかけてきた。


及川「たった一回振られたからってそんなに落ち込むなや! わいなんて百回以上振られとんねんで!」


華佗「及川┅」


及川にしては良く励ましていると思う華佗であったが


及川「なぁに、女なんて星の数ほどおるんやからかずピーやったら不動先輩以上の女を手に入れられ┅」


余計なことまで言ってしまい


一刀「お前に俺の気持ちがわかるかぁーっ!」


ドカァッ!!


及川「がはぁっ!?」


及川は一刀に殴り飛ばされた。


一刀「ちくしょーっ!!」


バッ!


華佗「一刀!?」


そして一刀は泣きながら教室を飛び出して行くのだった。


華佗「あのままじゃ一刀は何をしでかすかわからん!? いくぞ及川っ!」


及川「何でわいまで┅!?」


華佗「一刀の暴走はお前の責任でもあるだろ!」


そこまで言われては及川も黙っているわけにはいかず、無理矢理連れられるのだった。


一方、一刀が向かったのは


がらっ!


紫苑「あら」


桔梗「何じゃ?」


祭「何か用か?」


職員室であり、今日は職員会議があったため教師達が集まるなか


一刀「この、おば┅」


一刀が教師達に対してある言葉を叫ぼうとしたその時!


華佗「ストーップ!?」


バッ!


一刀「むぐっ!?」


華佗が一刀の口を押さえた。


華佗「何を考えてるんだ一刀!?」


及川「そうやでかずピー! 今日は職員会議で教師達が集まっておる! そんな時に教師達に対して『おばさん!』『年増!』『高齢者!』『熟女!』『クソババア!』やなんて口に出したら命が危ないってことは知っとるやろ!」


自分から爆弾どころかミサイル発言を繰り出しまくる及川


一刀「ほっといてくれ!」


バッ!


そして一刀は華佗を振り切り、再び逃走を開始した。


華佗「待て一刀!?」


及川「そうや! 待たんかいかずピー!」


一刀を追いかけようとする及川だが


ガシッ!


桔梗「お主はちょっと待たぬか」


紫苑「あらあら、最近の人は命知らずなのね」


祭「お主が好きな褒美をたんまりとくれてやるとしよう」


ゴゴゴッ┅!!


及川は表情は普段通りだが、明らかに怒りマークが出ている教師達(熟女組)


及川「あぁっ!? 許して~!?」


※しばらくお待ちください


その後、解放された及川は


及川「お姉様達に対してもう二度と言いません。お姉様達に対してもう二度と言いません┅」


髪が白くなり、同じことをぶつぶつ繰り返していた。


華佗「ダメだ!? 一刀を見失った」


しかも一刀を見失ってしまった。


及川「今のかずピーやったら自殺でも企んどるのかもな」


華佗「怖いこと言うんじゃねぇ! 次に言ったら殴るからな!」


普段は暴力を使わない華佗までも今の及川の発言は冗談には聞こえなかった。


一方、一刀はというと


一刀「はぁ、この先どうしようかなぁ」


橋の上で一人たそがれていた。


一刀「振られた俺に居場所なんて無いし、このまま実家のある九州にでも┅」


とんでもないことを企む一刀の元に


プルルッ♪


電話が鳴った。


一刀「誰からだろう? 不動先輩!」


古風な不動先輩だが一応連絡用としてスマホを持っていた。


一刀「何々┅、えっ!?」


そして不動先輩から送られたメッセージに一刀は衝撃を受けるのだった。


数十分後


華佗「ダメだ!? スマホの位置情報がわからない!?」


逃げてる人間がスマホの位置情報がわからないよう電源を切るのは常識である。


及川「あせんなって、こういう時は落ち着いてテレビを┅」


ピッ!


そして及川がテレビをつけた瞬間


『臨時ニュースです! ここ、東京ドテカイツリーに何と青年がよじ登ってます!?』


及川「あははっ、そんなアホな奴が┅」


パッ!


と、青年の顔が映し出されると


華佗「か┅一刀!?」


及川「何であんなところにおんねん!?」


二人は衝撃を受けた。


及川「まさかかずピー、ドテカイツリーから落ちるつもりじゃ!?」


東京ドテカイツリーの高さは約800メートル


落ちれば確実に死が待っている


華佗「怖いこと言うな!」


だが、今の一刀を見ると華佗は否定できなかった。


華佗「とにかく急ぐぞ!?」


及川「全く、人騒がせなかずピーやで!?」


誰が原因なんだか


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