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#90:桜の木の下での告白は定番だが成功するかどうか確率的には微妙である

ある日の朝、天和達がニュースを見ていると


『〇月生まれの人、今日は驚きのニュースを聞くでしょう』


天和「これって私達かな?」


地和「そうかもしれないわね」


人和「まぁでも、この手の占いは誰にでも当てはまるわけですし」


誕生月や星座占い等では多くの人が当てはまる。占いが趣味の人が書いてあることを決行したからといって当たるというわけではないのだ。


そしてその言葉は当たっており


天和「ちぇっ、あの占い外れたね」


地和「ニュースどころか驚いたことすらなかったわね」


人和「まぁ占いは当たるも八卦当たらぬも八卦といいますし」


三人がそう思いながらたまには昼食を屋上で食べようと移動していたその時


華佗「本気か一刀!?」


及川「やるんかいな!?」


一刀「あぁっ!」


屋上から一刀達の声が聞こえ


天和「あっ、一刀達の声だ。一緒にお昼食べよっ♪」


キィッ┅


天和が扉を開けようとした瞬間


一刀「俺は不動(ふゆるぎ)先輩に告白する!」


バァンッ!!


衝撃的なニュースを聞く天和達であった。


ここで時間は数分前に(さかのぼ)


数分前


華佗「もうすぐ卒業のシーズンか」


及川「わいらも最高学年になるわけやなぁ」


来年から高三になる一刀達


するとその時!


一刀「決めた!」


突然一刀が口にした。


華佗「どうしたんだ一刀?」


一刀「俺は不動先輩に告白する!」


それを聞き


華佗「本気か一刀!?」


及川「やるんかいな!?」


一刀「あぁっ! 俺は不動先輩に告白する!」


一刀はとある重大な発言をした。


不動 如耶(きさや)


前フランチェスカ学園生徒会長にして剣道部主将の高三。一刀が恋する先輩である。


一刀「先輩は今年卒業する。そうなると滅多に会えやしない。だからそうなる前に俺は不動先輩に告白する!」


そしてこの時、一刀は知らなかった。


天和・地和・人和「「「なっ!?」」」


この会話を天和達が聞いていることを


及川「おいおいかずピー、そんなん告白して成功するんかいな」


一刀「大丈夫! ラブレターは古風なことが好きな先輩に対して矢文で送るし、告白場所はフランチェスカ学園の名スポットである桃園桜! そして今年は桜が満開! これは神様が祝福してるに違いない!」


ちなみにフランチェスカ学園には桃園桜の他に名スポットがいくらかある


一刀「それに俺には最近手に入れたこいつがあるからな!」


スッ!


そう言うと一刀は懐から一冊の本を取り出した。


華佗「何々┅『猿でもできる恋愛マニュアル』だと」


及川「これを読めば平凡なあなたでもアイドルや金持ちと結婚できること間違いなしやなんて大きく出たなぁ」


さすがに疑ってしまうものの


一刀「こんな本まで出てるんだ! 神様が絶対告白しろと言ってるに違いない!」


恋は盲目という言葉の通り、今の一刀に何を言っても聞かなかったりする。


及川「すごい自信やなぁ」


華佗「一刀は普段告白されることはあるがする方は初めてだろうから張り切るんだろうよ」


ちなみに一刀達は気付いていなかったが、この恋愛マニュアルの筆者の名前が


『筆者:(のぼ)り龍』


であり、その正体が(せい)であることを


星「ムフフッ、メンマ購入の小遣い稼ぎに暇潰しに書いた本が馬鹿売れとはな♪ 私は文才の才能があるかもしれないな」


それはさておき


そしてこの時の会話は


天和「一刀が告白しちゃうの!?」


地和「これはどんなニュースよりも重大ね!?」


人和「世界を揺るがす大ニュースですよ!?」


少々オーバーな気もするが彼女達にとってはかなり衝撃的なことだった。


天和「ねぇねぇ、みんなに話しちゃう?」


地和「面白そうだし、高値で売れるわよ♪」


他人の告白を商売に使おうと考える地和だが


人和「ダメよ姉さん達、そんなことしなくても近いうちにバレちゃうものだから」


この人和の言葉は現実となり、それから一時間もしない間に┅


桃香「えぇっ!?」


華琳「一刀がっ!?」


蓮華「告白するだと!?」


一刀に好意を寄せる女達にあっという間に広がっていった。


フランチェスカ学園には女子独自の噂ルートがあり、少しの噂話でも興味があればすぐに食いつかれるのだ。


一刀「待っていてください不動先輩!」


しかし、一刀は自身の告白計画が不動先輩以外にバレていることに気付かないままあっという間に時間が経ち


告白日当日!


バァンッ!!


一刀は桃園桜の前で不動先輩を待っていた。


一刀「あぁっ、今からでも胸の高鳴りが押さえられないぜ!」


そしてその近くにて


華佗「気になるから様子を見に来たが」


及川「果たしてかずピーの運命はいかに!?」


華佗と及川が隠れ、更に少し後ろにて


天和「どうなるんだろうね?」


地和「気になったから見に来てよかったわ」


人和「結果を見届けましょう」


天和達が隠れていた。


そしてこうしている間にも時間は経過し


如耶「待たせたな北郷殿」


不動先輩がやって来た!


如耶「待たせただろうか?」


一刀「い┅いえ、俺も今来たところですから!?」


及川・地和「「(嘘つけ! 三十分くらい前からいたくせに)」」


声を出すとバレるため心の中で二人は距離が違いながらも同じことを思っていた。


如耶「それで(それがし)に何の用なのだ?」


不動先輩の問いに対し、一刀は┅


一刀「(恋愛マニュアルによると適当に言ったり、誤魔化したりすると意気地がないと嫌われる確率がある)」


そして一刀は┅


一刀「単刀直入に言います! 不動先輩、好きです! 俺と付き合ってください!」


告白の王道である頭を下げながら片手を出した。


華佗・天和「「(言ったぁーーっ!?)」」


そして不動先輩の反応は┅


如耶「あ┅あのぅ北郷殿、貴殿の申し込みは嬉しいのだが┅」


如耶「すまぬ! それは受け入れられぬ!」


振られてしまった!?


如耶「実は某の家訓が┅!?」


不動先輩は続けて言おうとすると


先輩「如耶~、早くこっちに来なよ」


如耶「あぁ、今いく! それではまた後でな」


サッ!


誰かに呼び出され、不動先輩は一刀の前から去っていった。


そして残された一刀はというと


及川「プッ! ギャハハーッ!! 何が『神様が祝福してるに違いない!』や! 祝福どころか注意しとるんとちゃうか!」


振られた一刀に心ない言葉をぶつける及川


華佗「よせ及川! なぁ一刀、気を取り直してな┅」


ぽんっ!


そして華佗が一刀の肩に手を置いた瞬間


サララ~~っ!


一刀の体は砂のように砕かれ吹き飛ばされてしまった。


華佗「一刀!? しっかりしろ!?」


及川「うわぁっ、こんなことって本当に起きるんやな!?」


そして離れた場所で見ていた天和達は


天和「うわぁっ┅!?」


地和「失敗したらからかってやろうと思ってたけど」


人和「とてもそんな気分になれませんね」


衝撃のあまり声もかけられないのだった。


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