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#84:雛祭り。人形役選びは争奪戦だ

今日は3月3日の雛祭り


フランチェスカ学園でもとあるイベントが開催された。


その名も『雛壇祭(ひなだんさい)』という男女混合のイベントである。


男女それぞれで別れ、それぞれで勝者を決め雛壇飾りの写真を撮るというものなのだが


華琳「待っていたわよ雛壇祭!」


桃香「頑張るもん!」


蓮華「負けるわけにはいかないな!」


女子達はやけに燃えていた。


それもそのはず、この雛壇祭で優勝した男女の一組、即ち男雛(おびな)女雛(めびな)に選ばれると将来結婚できるというジンクスがあるのだから


そして女子達の大半の狙いは


一刀「さて、頑張るとするか」


一刀であった。


華佗「張り切ってるな一刀、まぁ俺も参加する以上頑張るか」


華佗も気合いを入れるなか


及川「よっしゃー! 頑張るで!」


女子の誰かと合法で写真が撮れるということで及川が一番気合いを入れていた。


しかし、この場にいる一刀達やモブ男子達はこう思っていた。


『(及川に誰は負けるかよ)』


男子の中でも武力が最弱とされる及川に負けるわけがない


男子達はそう思っていたのだ。


地和「よしっ! ちぃ達が優勝するわよ!」


天和「でもこの学園には私達より遥かに武力の高い人が大勢いるんだよ。勝ち目がないよ」


諦めムードの天和だが


人和「姉さん、この祭は武力で競い合うわけではありません」


天和「えっ?」


人和の言うようにこの祭は普段行われている武力や学力で競うものではない


むしろ必要なのは女子力である。


天和「それなら私達でも優勝の可能性があるかも!」


地和「絶対三人で優勝してみせるわよ!」


人和「日頃仕事で忙しくてこういったイベントに参加できてませんからね」


と意気込む三人であったが、興奮しすぎて大事なことを二つ忘れていた。


一つは優勝は一人だけしかできないこと


もう一つは三人は女子力がそれほど高くないことである。


そして祭が始まったわけなのだが


参加者は多いものの、女子の選定人数は女雛、三人官女、五人(ごにん)囃子(ばやし)という上位9名のみ選ばれる。一方、男子は男雛、随身(右大臣と左大臣)の3名のみ


かくして雛壇祭の配置を決めた男女の戦いが開始されようとしていた。


女子の選定その一!


器用さを競うため皿から皿への豆移動


天和「うぅっ┅!? 難しい!?」


地和「あーもうっ! イライラする!!」


手先が器用な人でも難しいとされる豆移動


多くの人が苦戦するなか


人和「こういう時は頭を使うんです」


スッ!


人和は靴下を脱ぎ、それをホースの後ろに着け


人和「それそれ~っ!」


ブンブンッ!


ホースの後ろを回しまくった。


天和「人和ちゃん、何をしてるんだろう?」


地和「頭でもおかしくなったんじゃないの?」


誰もがそう思うなか


スゥッ! スゥッ!


豆がホースに吸い込まれていった。


天和「すごい!?」


地和「どうなってるのよ!?」


人和「こうすると簡易掃除機ができるんです」


原理は作者にはわからないがテレビで何度か行われていた方法である。


桃香「でもあれって反則じゃ┅」


華琳「いいえ。この種目のルールは豆や皿を体で触れてはいけないというルールのみ、それを守れば何をしても別にいいわけよ」


天和「なら私もホース使おっと!」


地和「あっ、ちぃも!」


人和のやり方を見てホースを借りる人が殺到した。


しかし、この競技は時間制であり、もはや早い者勝ちなため


カンカーンッ!


天和「ふぅ、何とか次に進めたよ!?」


地和「次もいくわよ!」


それでも結果的に半数の女子が予選を通過した。


天和「これなら優勝狙えるよ」


地和「ちぃ達が優勝決定ね」


ところが


次の予選にて


ずしっ!


天和「重い~!?」


天和達は十二単(じゅうにひとえ)を着せられた。


十二単


平安時代の女性が着ていた貴族服であり、重量は20キロある。


地和「こんな拷問服着るなんて!?」


人和「文科系の私達には厳しいですね!?」


そして種目の内容は┅


天和「えぇ~っ!? この服着ながら競争!?」


地和「でも歩き限定だから勝てる確率があるわ」


そして競技が開始され


桃香「重いよ~!?」


天和達の他にも武力に自信の無い人達が苦戦するなか


華琳「こんなもの平気よ」


すたすたっ!


華琳のように武力があるものはすたすたと進んでいった。


天和「負けるわけにはいかないもん!」


地和「こうなったら這いつくばってでも進んでやる!?」


人和「アイドルを嘗めないでください!」


根性で突き進む天和達であったが


結果は残念にも┅


一位、華琳

二位、天和、地和、人和

五位、愛紗

六位、凪

七位、蓮華

八位、白蓮

九位、桃香


となってしまった。


天和「うえぇ~んっ! お雛様取られちゃったよ~!」


地和「こんな重い服まで着たってのに!」


人和「残念です」


華琳「フッ、この私に勝てるわけ無いでしょ」


華琳が優勝した。


そしてちょうど男子も決まったようで


華琳「さぁ、男雛役の人、出てきなさい!」


これで一刀の横に並べる!


そう思う華琳であったが


及川「じゃ~んっ!」


男雛に選ばれたのは及川であった。


華琳「はぁ!? ちょっと一刀、何であなたじゃないのよ!」


一刀「いや、女の子と並んで撮られると知った及川は物凄くすごくてさ!?」


華佗「俺達も黄櫨染(こうろぜん)着ながら競技を行ってたんだが普段と違って及川の迫力は凄く、俺と一刀は右大臣と左大臣になった」


誰もが一刀が男雛になると思っていただけあって衝撃である。


及川「ほな、早速写真を┅」


すると


華琳「私、女雛を辞退するわ」


天和「えっ!? すると私が女雛になっちゃうから私もパス!」


地和「ちぃもパスよ!」


人和「当然私も」


及川「えっ?」


次々と女子が脱落していき


貂蝉「あら、全員脱落なんてねぇ、だったら私が女雛をやるわよ♪」


及川「えっ!?」


そして


及川「いやぁーっ!! わいも辞退する~っ!?」


貂蝉「恥ずかしがらなくてもいいじゃない。もう決めたんだから覚悟なさい」


カシャッ!


写真には男雛の及川、女雛の貂蝉、右大臣の一刀と左大臣の華佗という雛人形とは思えない写真が撮られたという


一刀「哀れだな及川」


華佗「あいつなりに頑張っていたからな」


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