急展開!?誰か魔王を止めてください──ミハエル視点──
普段よりも短めになります。
これからは最低でも月一で投稿できるように頑張っていきます。亀さんペースですが、お付き合い頂けると幸いです。
誤字脱字などのご指摘を頂きましたら順次直していきたいと思います。
誰か、この魔王を止めてください・・・とミハエルは切実に願っていた。
(忠誠を誓う方を魔王とお呼びするのは気が引けますが、今の彼を適切に表現しようと思うと、この呼称以外思い浮かびませんでした・・・・・・婚約者であらせられるエルルーニャ様が行方不明になられてからというもの、執務室では冷酷無慈悲で辺りに漂うブリザード・・・エルルーニャ様捜索に力を入れ、邪魔をする者は制裁・・・ただの暴君ですよ・・・・・・それでも仕事はちゃんとこなすのだから、余計タチが悪いです・・・)
ミハエルの願いをよそに、エルルーニャの捜索は難航していた。
日を追う事にレイルの態度は悪化していき、今の執務室は日本で言う南極なのでは?という所まで体感温度が下がっていた。もちろん、実際にそんなに気温が低い訳では無い。ひとえに、レイルが不機嫌なあまり周囲の居心地がとても悪いだけだ。
この雰囲気に合わぬ陽気な人が1人、地獄への招待を受けたのか、やってきた。
「ライリー、ルーニャの場所を知らぬか?」
「さぁ?なんのことかな?僕、婚約者ちゃんの居場所なんて知らないよ?」
「嘘だな。ライリー、お前は嘘をつくとき、手をモジモジさせる癖がある。今もほら、お前の手は動いているではないか」
「・・・」
「どこにいるか言え」
「やだよ」
レイルがライリーの嘘の癖を指摘した時、ライリーは笑っていた。
ライリーの煽るような拒否にレイルは机を壊れんばかりに叩く。
辺りにばぁんっと言う大きな音が響いた。
(お願いですから第2王子殿下・・・魔王を煽らないでください・・・・・・)
ミハエルの願いは叶うことはなく、ライリーはレイルを散々煽った後、退出して行った。
最後に「婚約者ちゃんは、兄さんがいなくて、清々してるようだよ?」と言い残して。
(第2王子殿下、なんてことを!?火に油ですよ・・・)
そう思い慌てていたミハエルだったが、予想外にレイルは静かだった。
いや、落ち込んでいると言った方が正しい。
「・・・・・・ミハエル」
「殿下、どうしました?」
「俺は、俺はルーニャに嫌われてるのか?」
「それは・・・・・・」
「いや、いい。もう分かりきってる事だな。・・・・・・だが俺は、彼女を手放せそうにないんだ。ライリーの話を聞いて、次見つけたら、監禁することを決意したよ。ミハエル、部屋の改築を手配しておいてくれ。俺はひとつ心当たりがあるから、そこを探しに行く」
レイル「もう、いいよな?(*´˘`*)」
ルーニャ「・・・・・・:(´◦ω◦`):」
レイル「楽しみだな?( *´꒳`* )」
ルーニャ「せ、せめて本を用意して!?」