05 転生したら宮廷道化師だった
「異世界からの転生者さん、これからあなたは宮廷道化師ですよ」
「道化師って、何をすればいいんですか?」
「普段は、適当に王さまたちの機嫌をとって、いざという時は王さまに耳が痛いことも言うのがあなたの仕事ですよ」
「え~、そんなのできるかなあ?」
「では、さっそく報告があります。この紙に書いてあるから、お願いしますよ」
「ええ……、しょうがないな~。あの~、王さま?」
「おお、道化師のフジムーラか。どうした?」
「えーっと、姫君が婚約破棄されたそうです」
「な、なんだと? いったいどうして?」
「はい、なんでも、姫がブサイクで口が臭いからだそうです。先方の王子は、親の顔が見たいとかなんとか」
「な、なんだと~!」
「えーっと、あとは、『お前の母ちゃんビッチビチ、お前の父ちゃん宮廷道化師』、と」
「きさま~、そうだったのか!」
「あ、いえ、これは私が言ったのではなく……」
「死刑」
「え? でも、私は……」
「さっさと死刑にしろ」
──ザンッ
…………
……
「転生者さん、これからあなたは宮廷道化師ですよ」
「道化師って、何をすればいいんですか?」
(おわり)
「お前の母ちゃん~」は、もともと卑猥な意味ですね。
なので「お前の父ちゃん~」は、王妃と道化師との不義が先方に知られていたということです。




