03 リンゴ売りの娘
「異世界からの転生者さん、ここではリンゴを売って生活してくださいね」
「え? でもリンゴが1個しかないわ」
「その1個を金貨1万枚くらいで売ってください。でも、値段の設定は自由ですよ。それがあなたの生涯収入になります」
「ええ……。この、なんの変哲もないリンゴを金貨1万枚で売れというの?」
見ると、あちこちにリンゴを売ってる娘がいる。
「リンゴいりませんか~。リンゴいりませんか~」
(ちょっと様子を見てみましょう)
「リンゴいらんかね~」
「いいリンゴだなあ。金貨2万枚出すぞ」
「金貨200枚でいいです。リンゴを買ってください。お願いです」
「ぜひ売ってくれ」
「金貨3万枚でしか売りませんよ」
「うわっ、まずいリンゴだな」
(……なかなか大変そうね。じゃ、私も売らなきゃ。でないと、この異世界で生活できないわ。……あら?)
──リンゴから妙なにおいがする。傷んでいるようだ。それどころか、ちょっと腐っているようにも思える。
「おい、君。リンゴ売ってるのかい? いくらだい?」
客の1人が声をかけてきた。
「は、はい……このリンゴは……」
値段を付けなければいけない。彼女は考え、やがて言った。
「……売る気はありませんわ」
(おわり)
いくらで売るのが正解なのでしょう……?




