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02 ことわざを真に受ける男
「課長、仕事がめっちゃキツいっす」
「何を言ってるんだ、藤村。『石の上にも三年』っていうだろう。それくらい頑張らないと」
「……なるほど!」
──3年後
「よう、藤村。このごろ仕事はどうなんだよ」
「それが、めちゃくちゃしんどくてさあ」
「ブラック企業かよ。辞めたほうがいいんじゃないか?」
「いや、でも、『石の上にも三年』って言うじゃないか」
「そんなことわざ、真に受けるなよ」
「いや、でも、『若い時の苦労は買ってでもしろ』って言うじゃない?」
「バカ言えよ。苦労するほど立派なら、千日回峰行でもすればいいってことになるだろ」
「……なるほど!」
※千日回峰行……比叡山のすごく厳しい修行。
──比叡山
「ハア……ハア、苦しい。でも、苦しむほど僕は立派になるんだ」
「これはこれは、修行のお坊さんですか。がんばってくだされ」
「あ、おばあさん。ありがとうございます。その子は、お孫さんですか?」
「はい。初孫なもんで、もう、目に入れても痛くないくらい可愛いんですよ」
「……目に入れても?」
「ええ、もう」
「……なるほど!」
(おわり)
ことわざってパワハラですよね。




