↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
43/56

42.海?

『海に行きます』 


 ミミちゃんからメッセージが届いた。なんだこのメッセージは。


『行ってらっしゃい』


 そう返すと、すぐに電話がかかってきた。御厨だ。


「行ってらっしゃい。じゃねぇんだよ」

「なんだよ」

「お前も行くんだ」

「海に行きます。で分かるわけないだろ」

「だから電話してんじゃねぇか。駅に九時だからな。二泊ぐらいできる準備してこいよ。じゃあな」


 九時って、もう三十分しかないじゃないか。てか二泊? 当日に話す内容じゃないだろ。僕は慌てて準備を始めた。


 駅前。セミの鳴き声の中、小学生連れの親子が歩いている。夏休みという感じだ。


「おはようございます」

「お、おはようミミちゃん」


 あれ以来か……。相変わらず元気だ。


「よぉ」

「お前、腕はもういいのかよ」

「そんなに早くは治らねぇよ。でも海行きたいだろ」

「まぁね」

「さぁ行きましょう」


 電車を乗り継いで、一時間ほどで僕らは海の近くまで来た。


「とりあえずホテル行くか」

「ほんとに泊まりなんだな」

「ホテルの代金は気にしなくていいから」

「そんなこと何も考えてなかった」

「お父さんの会社が経営してるから大丈夫なの」

「……忘れてたけど、君たちほんとにお金持ちなんだね」

「利用できるもんは利用しないとね」


 御厨たちに案内されたのはスパリゾート併設のホテル。チェックインまでプールで遊んで、その後はスパに行くらしい。


「ねぇ、海は?」

「見るだけ」

「えー」

「トイレで着替えて、砂まみれでさー嫌いなんだよ」

「たしかにお前は嫌いそうだ」

「それに温泉の方が目的だから」

「あぁ、そういうことね」


 スパリゾートってあんまり来ないけどいいもんだな。御厨の身体も早く治るかもしれない。

 プールで遊んで、スパに入って、ホテルに戻る。


「おい、晩メシ行こうぜ」

「あぁ」


 夜ご飯はオーシャンビューのレストラン。贅沢してる。本当に。


「達也、後で砂浜まで付き合えよ」

「ん? あぁ」


 波の音が静かに響く、真っ暗な海がどこまでも続いていた。

 少し前を御厨が歩き、僕とミミちゃんは並んで歩いていた。


 僕は前を歩く御厨に話しかけた。


「今日楽しかったな」

「あぁ」

「また来ましょうね」

「うん」


 人が少ないところを見つけた御厨は砂浜に腰掛けた。僕はその隣に座ったが、ミミちゃんは波打ち際にしゃがんで何かを探している。


「ふぅ」

「なんだよ」

「いい加減、お前に話さなきゃと思ってた」


 御厨は僕の方を向いてそう言った。

 波が砂浜に打ち寄せる。

 波の音って、こんなに大きかったんだな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。