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31.御厨ミミ

「なんで今日は学食なんだよ。弁当あるんだって」

「学食で食え」

「なんかあるのか?」

「今日から一年も昼飯があるんだ」


 一年生か。知らなかったな。こいつなんでそんなこと知ってるんだ。


「ほら、前に会ってるんだろ?」

「あっ」

「町田さん!」


 なんだかお腹が痛む。そういえばそんな話してたな。


「えっと、ミミちゃん?」

「そうです! よろしくお願いします」


 あれ。なんだ礼儀正しいじゃないか。


「ねぇ、誰?」


 後ろから声がして振り返ると春日さんだった。


「御厨の妹だよ」

「御厨ミミです。よろしくお願いします」

「私は春日美琴。よろしくね」

「みこ、一緒に食うか?」

「……遠慮しとくわ。じゃあ」


 春日さんはそれで去っていった。なんだったんだ今の。


「よぉ」


 なんだよ。次から次へと。


「町田また可愛い子連れてるじゃねぇか」


 金村はいつもそれだ。こいつ女の子といるといつも目を付けてきやがる。


「どっかいけよ」


 御厨は相変わらず金村のことを異常に敵視してる。昔なんかあったと言っていたけど……。


「御厨の妹だよ」

「よ、よろしくお願いします」


 金村はミミちゃんを上から下まで見ると「じゃあな」と言って人混みに消えていった。


「クッソ。気分悪いぜ」

「あいつと何があったか話してくれないのか?」

「面白い話じゃないからな。思い出したくないし」

「ふーん。じゃあいいか」

「お兄ちゃん、食券買いに行こ」

「僕はここで席取っとくよ」


 御厨兄妹は二人で食券を買いに行った。先に食べるのも悪いしな。そういえば春日さん……。探してみると少し先のテーブルに座る春日さんとバッチリ目が合ってしまった。しかし、すぐにプイッと横を向いてしまった。かわいい……。

 しばらくして、御厨がカツカレー。ミミちゃんがきつねうどんを持って帰ってきた。


「あれ、ミミちゃんは左利き?」

「そうなんです」

「家、厳しそうなのに」

「今どき、左利きを直しましたなんてやらねぇんだよ」


 そう言いながら御厨はすごく綺麗にお箸を持っている。僕は……。帰ったら持ち方調べよ……。

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