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30.実力テスト

 特進クラスというものには実力テストなるものがあるらしい。抜き打ちでいきなり行われたため、結果は散々。


「お前何点だったんだよ」

 

 後ろの席の……誰かが僕の成績表を覗き込んできた。


「お前そんだけしか取れてねぇのかよ」


 僕はちらりとそいつの成績を見た。そうだ真鍋だ。真鍋の得点は僕のよりはるかに良かった。


「へぇ、すごいね」

「お前そんなんで特進なの」


 近くで何人かが笑った。

 すごい煽ってくるが、僕は多分この中で一番下。まだ特進に慣れてないし、こんなもんだろう。


「お前はずっと特進なのにそんなもんなのかよ」


 さらに後ろの席の嫌な奴がそんなことを言った。もう僕を巻き込んでもめないでほしい。


「御厨、お前何点なんだよ」

「ほら」


 ほぼ満点じゃないか。化け物め。


「下と比べて調子乗ってんなよ」


 なんだ。御厨のやつ。やけに怒ってる。僕が馬鹿にされたからなのか?


「チッ、面白くない奴」


 真鍋は成績表をしまうとスマホいじり始めた。僕も言い訳せずに実力で黙らせたいな。少しずつ頑張ろう。


 昼休み、御厨にどうしてあんな点が取れるのか聞いた。


「一回見たら覚えるからな」

「もうそれはわかったって。ん?」

「どうした?」

「一回見た?」

「ああ、あの問題はな、難関高校の入試問題が基本なんだよ」

「お前らもしかしてみんな知ってる?」

「当たり前だろ。トレーニングがてらみんなそういう問題を解いてる」

「なんで教えてくれなかったんだよ」

「一回ぐらい痛い目、見とかないとな」


 御厨のお弁当から唐揚げを奪い取って食べた。


「おい!」

「これで許してやる」

「お前もなんかよこせよ」

「やだよ」


 いつもと変わらない昼休みだった。少なくとも、僕にはそう思えた。

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