特別編5 IGP Season 1 全18戦ガイド
――世界を巡る、18の戦場
IGP World Championship。
Season 1は、全18戦。
オーストラリアから始まり、アジア、ヨーロッパ、北米、南米を巡りながら、約1年をかけて世界王者を決めます。
高速コース、市街地、低速コース、高温多湿、高地、そして突然の雨。
同じ22台が戦っていても、開催地が変われば求められるものはまったく違います。
エンジンの得意不得意、タイヤとの相性、マシンの空力性能、ブレーキング、タイヤマネジメント、ドライバーの経験。
あるグランプリでは強かったチームが、次の週末には苦しむこともある。それもIGPの面白さです。
Season 1、全18戦。
MUNE RACINGが挑む世界を、開幕前に少しだけ見ていきましょう。
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Rd.1 オーストラリアGP
サザンクロス・ストリートサーキット
開催国:オーストラリア
全長:5.281km
決勝:58周/306.298km
特性:高速市街地
タイヤ傾向:総合型
Season 1の開幕戦は、常設サーキットではなく、市街地を使用する高速コースで行われます。
スピードが高いにもかかわらず、コース脇にはウォールが迫り、開幕戦というだけでも緊張感が高い中、わずかなミスが接触やリタイアにつながります。
問われるのは速さだけではありません。マシンの完成度、ドライバーの集中力、そして新しいシーズン最初の週末をチーム全体がどれだけミスなく運営できるか。
MUNE RACINGにとっては、初めてIGPの22台へ加わるレースです。
Season 1は、ここから始まります。
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Rd.2 マレーシアGP
セランガー・インターナショナルサーキット
開催国:マレーシア
全長:5.517km
決勝:55周/303.435km
特性:高温多湿
タイヤ傾向:耐久重視
開幕戦の次に待つのは、暑さとの戦いです。
高い気温と湿度は、マシンにも、タイヤにも、そして人間にも厳しい環境を作ります。
このレースで重要になるのがタイヤマネジメント。一発の速さだけではなく、タイヤを傷めず何周使えるかによって、決勝の組み立てが大きく変わります。
TERRANOVA COMPETITION TYRESを使うMUNEにとって、その耐久性と高温適性をどこまで生かせるかも注目点です。
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Rd.3 サンマリノGP
サン・ヴァレリオ・サーキット
開催国:イタリア
全長:4.927km
決勝:62周/305.474km
特性:高速常設
タイヤ傾向:総合型
伝統的な高速常設サーキットで、大切になるのが縁石の攻略です。
速く走るためには縁石を積極的に使いたい。しかし、乗りすぎればマシンの姿勢が乱れ、タイヤや車体への負担も増えます。
高速域での安定性と、ドライバーがどこまで攻められる車を作れるか。シーズン序盤で、各チームの完成度が少しずつ見えてくるラウンドです。
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Rd.4 スペインGP
カステラーナ・モーターパーク
開催国:スペイン
全長:4.731km
決勝:65周/307.515km
特性:テクニカル
タイヤ傾向:総合型
Season 1序盤の空力性能比較戦。
高速だけでもなく、低速だけでもない。さまざまなコーナーが組み合わされるため、マシンの総合的な空力性能が見えやすいサーキットです。
開幕から数戦を終え、各チームが集めてきたデータをどれだけ開発へ反映できているのか。その開発力も試されます。
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Rd.5 モナコGP
モナコ・プリンシパリティ・サーキット
開催国:モナコ
全長:3.341km
決勝:78周/260.598km
特性:市街地
タイヤ傾向:ソフト寄り
IGPでも特別な1戦です。
狭い市街地のすぐ横にはウォールが迫り、オーバーテイクが難しいため、予選が極めて重要になるグランプリです。
通常のレースより決勝距離が短く設定されており、約260.6kmを78周して争います。
そしてMUNEにとってもう1つ重要なのが、藤原蒼真が得意とするレースであること。純粋なマシン性能だけではなく、ドライバーの精度や経験が大きく影響する場所です。
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Rd.6 カナダGP
セントローレンス・アイランドサーキット
開催国:カナダ
全長:4.397km
決勝:69周/303.393km
特性:ストップ&ゴー
タイヤ傾向:ミディアム
加速し、ブレーキングで鋭く減速し、そこから再び加速する。
カナダGPは、典型的なストップ&ゴー型のコースです。
低速から再び加速する区間が多いため、ブレーキだけでなくエンジンレスポンスも問われ、アクセル操作へ鋭く反応するAEGIS V8勢にとっては、特性を生かしやすいコースの1つです。
そして、このグランプリにはセーフティカーが発生しやすいという特徴もあり、レース展開が途中で大きく変わる可能性を持っています。
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Rd.7 フランスGP
ヴァル・ド・ロワール・サーキット
開催国:フランス
全長:5.063km
決勝:60周/303.780km
特性:高速複合
タイヤ傾向:総合型
高速コーナーを中心とした複合サーキットでは、ただ直線が速いだけでは足りません。
高速で曲がり、そこでマシンを安定させる。空力バランスと、ドライバーが高速域でどこまでマシンを信頼して振り回せるかが重要になります。
低速から高速まで扱いやすいHELIOS V10にも適性はありますが、エンジンだけで補えるコースではなく、車体とエンジンを合わせた総合的な完成度が問われます。
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Rd.8 イギリスGP
ノースアンブリア・グランプリサーキット
開催国:イギリス
全長:5.613km
決勝:55周/308.715km
特性:高速
タイヤ傾向:ハード寄り
IGPを代表する名門サーキットの1つです。
高速域でマシンへ大きな負荷がかかるため、空力性能とタイヤの耐久性が重要になります。
シーズンもここまで来ると、各チームのマシンは開幕戦のままではありません。アップデートを重ね、その成果が徐々に明確になってくる頃です。
シーズン序盤から速かったチームと、開発によって速くなったチーム。その違いが見えてくるラウンドでもあります。
中村信治にとっては、海外フォーミュラ時代にレースを経験している、Season 1で唯一のサーキットです。
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Rd.9 ドイツGP
シュヴァルツヴァルト・レンシュトレッケ
開催国:ドイツ
全長:6.423km
決勝:48周/308.304km
特性:パワー重視
タイヤ傾向:ハード寄り
長い全開区間を持つ、パワー勝負のサーキットです。
ここでは、Season 1に存在する5種類のエンジンの違いが見えやすくなります。
最大出力と高速域の伸びを武器とするORION V12。鋭いレスポンスを持つAEGIS V8。総合力と扱いやすさに優れるHELIOS V10。耐久性と安定性を重視したATLAS V10。そして、高いポテンシャルとピーキーな性格を併せ持つPHOENIX V8。
長い直線でどの車が伸びるのか。重厚なORION V12の咆哮が遠くまで伸び、回転上昇の速いAEGIS V8が変速のたびに鋭い高音を刻みます。
同じ全開加速でも、メーカーごとの音と速さの違いが表れるため、特別編3で紹介したエンジン特性を意識すると、さらに楽しめるグランプリです。
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Rd.10 ハンガリーGP
ドナウ・リング
開催国:ハンガリー
全長:4.371km
決勝:70周/305.970km
特性:低速
タイヤ傾向:ソフト寄り
ドイツのパワー勝負から一転し、低速コーナーが中心となるコースです。
最大の特徴は、オーバーテイクが難しいこと。最高速だけでは順位を変えられません。
予選、タイヤ戦略、ピットタイミング、そしてトラフィック。レース前からどう組み立てるかが重要なラウンドになります。
高いレスポンスを持つAEGIS V8は低速からの立ち上がりで強みを発揮しやすく、扱いやすいHELIOS V10にも相性のよい条件です。
一方で、予選一発だけではなく、決勝でタイヤをどう残すかも結果を左右します。
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Rd.11 ベルギーGP
アルデンヌ・グランサーキット
開催国:ベルギー
全長:6.917km
決勝:44周/304.348km
特性:超高速
タイヤ傾向:総合型
Season 1屈指の超高速コースです。
全長6.917kmは年間でも特に長く、1周の中で大きなスピード変化があります。
もう1つの重要な要素が天候変化。コースが長いため、場所によって路面状況が異なることもあります。
ドライバーの判断、チームの戦略、タイヤ交換のタイミング。雨脚や走行ラインによっては、通常の性能差だけでは順位を予測できません。
ほんの少しの判断差が、大きな順位変動につながる可能性を持つグランプリです。
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Rd.12 イタリアGP
ロンバルディア・スピードウェイ
開催国:イタリア
全長:5.781km
決勝:53周/306.393km
特性:超高速
タイヤ傾向:ハード寄り
名前の通り、最高速勝負。Season 1で最もエンジンパワーが注目されるラウンドの1つです。
空気抵抗を減らしたい一方で、コーナーを走るためのダウンフォースも必要となるため、最高速だけを伸ばせばいいわけではありません。
最大出力と高速域の伸びを武器とするORION V12勢に対し、ほかのメーカーが車体とセットアップでどこまで対抗できるのか。
どこまで直線へ振るのかという、各チームの考え方も見どころになります。
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Rd.13 ポルトガルGP
アルガルヴェ・オーシャンサーキット
開催国:ポルトガル
全長:4.683km
決勝:65周/304.395km
特性:アップダウン
タイヤ傾向:総合型
高低差と路面変化が特徴のサーキットです。
平坦なコースとは違い、上りと下りによってマシンへ掛かる荷重も変化します。
見えている路面の先が沈み込み、逆に登った先からコースが現れる。ドライバーの感覚と、路面変化へ対応できるセットアップが重要になります。
1周を通して車体の姿勢を安定させ、変化する荷重をどう受け止めるか。エンジンの速さだけでは決まらない、総合力を問われるグランプリです。
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Rd.14 日本GP
富嶺インターナショナルサーキット
開催国:日本
全長:5.742km
決勝:53周/304.326km
特性:高速テクニカル
タイヤ傾向:総合型
MUNE RACINGにとって最大のイベントとなる、ホームグランプリです。
ドライバーとチームが日本へ戻ってくるだけではありません。ファンイベントやスポンサー交流、地元企業とのコラボも行われます。
普段は市原ファクトリーで働き、海外遠征へ行かないスタッフたちと、その家族にとっても、MUNEというレーシングチーム全体を身近に感じられる特別な週末になります。
もちろん、レースそのものも簡単ではありません。
高速テクニカルコースで求められるのは、速さと正確さ。マシンとドライバー、両方の完成度が試されます。
ワークス仕様のHELIOS V10とVORTEX RACING TYRESを使うFalcon Motorsportにとっては、得意条件の1つです。
同じHELIOS V10をカスタマーとして搭載するMUNEやHorizonとの違いも、はっきりと見えるラウンドになります。
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Rd.15 アメリカGP
リバティ・モータースポーツパーク
開催国:アメリカ
全長:5.107km
決勝:60周/306.420km
特性:複合
タイヤ傾向:ミディアム
さまざまな性格の区間を組み合わせた複合コースで、見どころはオーバーテイクです。
走るライン、ブレーキング、立ち上がり、前車との距離をどう作るか。コース上での直接的な攻防が多くなりやすいラウンドです。
低速から高速まで幅広い対応が必要となり、極端な一芸だけではまとめ切れません。
マシンの総合力と、ドライバーが相手との位置関係をどう組み立てるかが問われます。
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Rd.16 メキシコGP
アステカ・グランプリサーキット
開催国:メキシコ
全長:4.319km
決勝:71周/306.649km
特性:高地
タイヤ傾向:ハード寄り
Season 1でも特殊な条件の1つとなる、高地でのグランプリです。
標高が高くなれば、空気の状態も平地とは異なるため、このラウンドではエンジン性能が大きな注目を集めます。
どのメーカーが特殊な条件へうまく対応できるのか。車体側でも、平地と同じ感覚のセットアップは通用しません。
シーズン終盤の重要な技術戦になります。
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Rd.17 ブラジルGP
サンパウロ・ヒルサーキット
開催国:ブラジル
全長:4.281km
決勝:71周/303.951km
特性:短距離
タイヤ傾向:総合型
1周が比較的短く、そのコースを71周するため、トラフィックとの遭遇も重要になります。
もう1つの特徴が天候変化です。
選手権争いも佳境に入るシーズン終盤。その時期に天候がレースを動かす可能性があります。
1周が短いからこそ、わずかな遅れや判断の違いが順位へ直結します。
コース上の位置、タイヤ交換のタイミング、変化する路面への対応が問われるグランプリです。
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Rd.18 パシフィックGP
Season 1最終戦
開催地:開幕戦決勝後に正式発表予定
特性:高速複合
タイヤ傾向:総合型
Season 1、最後の1戦。
ここで決まる可能性があるのは、レースの勝者だけではありません。ドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトル、シーズンを通して積み上げてきたすべての結果が、最後のグランプリへつながります。
高速複合コースで行われることは発表されています。
しかし、どこで行われるのかは、開幕戦を迎える現時点ではまだ明らかにされていません。
開催地は、オーストラリアGP決勝終了後に発表される予定。それも、Season 1最初の小さな謎の1つです。
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18戦。同じレースは1つもない
Season 1は、オーストラリアの高速市街地から始まります。
マレーシアでは暑さと戦い、サンマリノでは高速域と縁石、スペインでは空力性能、モナコではウォール、カナダではブレーキングが待っています。
ドイツとイタリアではエンジンの力が問われ、ハンガリーでは抜きにくいコースをどう攻略するかが重要になります。
ベルギーとブラジルでは空を見上げることになるかもしれません。そして日本では、MUNEが母国へ帰ってきます。
同じMR-01でも、求められるものは毎戦違います。
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開幕時点のMUNEは、完成形ではない
MUNE RACINGは、新規参戦チームです。
開幕時点のMR-01が、そのまま18戦を走り続けるわけではありません。
レースをしてデータを持ち帰り、問題を見つけて市原で直し、また次の国へ向かう。その繰り返しです。
18戦は、単に18回レースをするという意味ではありません。
18回、学ぶ場所がある。MUNEにとっては、そういうシーズンでもあります。
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世界を巡るということ
IGPは、レースだけではありません。
レースが終われば機材を片付け、次の国へ運びます。スタッフは休息を取り、マシンを整備し、次のセットアップを考える。
スポンサー対応やメディア対応も行い、そのすべてを終えて再びサーキットへ入ります。
これを18回繰り返します。
Season 1は、18のグランプリ、18の異なるコース、22台、11チームで争われます。
そして、その最後列近くから世界へ挑もうとしているのが、蒼、オレンジ、シルバーの2台です。
No.7――藤原蒼真。
No.22――中村信治。
最初の目的地は、オーストラリアのサザンクロス・ストリートサーキット。
ここから、MUNE RACINGの世界一周が始まります。
Every Lap Matters.
1周ずつ、1戦ずつ。
その積み重ねの先に、Season 1最後のチェッカーがあります。




