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IGNITION  作者: ムネディ


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48/69

特別編2 IGP 全11チーム・22人のドライバー

――世界最高峰を戦うライバルたち

 

IGP World Championship。

 

年間18戦。

 

11チーム、22台。

 

MUNE RACINGがこれから挑むのは、すでに世界最高峰で勝利を重ねてきたチームとドライバーたちが集まる場所です。

 

世界王者。

 

何度も表彰台へ立ってきたベテラン。

 

次世代のエース候補。

 

そして、中村信治と同じように初めてIGPへ挑むルーキー。

 

今回はSeason 1開幕戦を前に、IGPに参戦する11チームと22人のドライバーを紹介します。


*

 

Apex GP

 

イギリス

 

エンジン:ORION V12

 

タイヤ:AURORA TYRE

 

契約:準ワークス

 

勢力:トップ

 

Season 1の優勝候補の一角。

 

強力なORION V12と、高速域で高い完成度を持つシャシーを組み合わせるトップチームです。

 

ORION V12は最大出力と最高速を追求したエンジン。低速域や燃費では弱点を抱えますが、長い全開区間では重厚な「グォオオオオオォーーン」という咆哮を遠くまで響かせ、速度が乗るほど強さを発揮します。

 

特に高速コースと予選を得意とし、純粋な速さでは常に優勝争いの中心にいます。

 

ORION Enginesの正式ワークスではありませんが、準ワークスとして非常に強いパッケージを持っています。


【ドライバー】 

アレクサンダー・クロフォード 34歳

 

イギリス

 

世界王者2回/通算18勝

 

IGPを代表するトップドライバー。

 

速いだけではなく、予選、決勝、プレッシャーの掛かる場面まで高い完成度を持ちます。

 

タイトル争いを知り、勝ち方を知る。

 

Season 1のチャンピオン候補を語るなら、まず名前が挙がる存在です。

 


ルーカス・ヴァレンティ 25歳

 

イタリア

 

通算2勝

 

特に予選で強烈な一発の速さを見せる若手。

 

すでにIGPで勝利も経験しており、Apexの次期エース候補として期待されています。

 

王者クロフォードの隣で走りながら、トップドライバーへの階段を上っています。

 

*


Titan Motorsport

 

イギリス

 

エンジン:AEGIS V8

 

タイヤ:VORTEX RACING TYRES

 

契約:ワークス

 

勢力:トップ

 

Apex、Orionと並ぶトップ3の1つ。

 

AEGIS V8を搭載するワークスチームです。

 

ブレーキング、複合コーナー、戦略面に強く、単純な最高速だけでは測れない総合力を持っています。

 

AEGIS V8は軽量で信頼性が高く、アクセルへ鋭く反応するエンジン。「キィィィィィーーン」という甲高い金属音とともに回転が素早く跳ね上がり、ストップ&ゴーや低中速区間で力を発揮します。

 

高レスポンスのV8と高いシャシー完成度を武器に、どんなコースでも勝負へ入ってくるチームです。


【ドライバー】 

エイドリアン・ハート 30歳

 

イギリス

 

世界王者1回/通算14勝

 

純粋なスピードと攻撃性を武器にするトップドライバー。

 

前へ出るチャンスがあれば、勝負をためらいません。

 

クロフォードとは違うタイプの強さを持つ、Season 1のタイトル候補です。

 


ミゲル・サントス 33歳

 

スペイン

 

通算5勝

 

タイヤマネジメントとレースクラフトに優れる実力者。

 

明るく社交的な人物ですが、レースに入れば非常にプロフェッショナル。

 

速さだけでなく、長い決勝をどう組み立てるかを知っているドライバーです。

 

*


Orion Racing

 

ドイツ

 

エンジン:ORION V12

 

タイヤ:AURORA TYRE

 

契約:ワークス

 

勢力:トップ

 

ORION Enginesの正式ワークスチーム。

 

最大出力と最高速を追求するORION V12を、最も深く車体へ統合できる立場にあります。

 

Apexと同じV12の咆哮を響かせますが、エンジンと車体を一体で作り込めることがOrionの強みです。

 

特に超高速コースや長い全開区間では脅威となる存在。

 

Apex、Titanとともに、Season 1の勢力図の頂点を形成します。

 

【ドライバー】

マティアス・ウェーバー 32歳

 

ドイツ

 

世界王者1回/通算11勝

 

高速コースを得意とするトップドライバー。

 

開発能力と安定性にも優れ、マシンを速くする仕事にも強みを持ちます。

 

普段は冷静で合理的。

 

しかし、負けることを嫌う気持ちは非常に強い人物です。

 


デイビス・シェード 27歳

 

イギリス

 

通算1勝

 

すでにIGPで勝利を経験している実力者。

 

そして、中村信治にとっては少し特別な相手です。

 

海外フォーミュラ時代に信治と同じチームで走ったことがあり、今でも友人。

 

信治の開発能力やセットアップ能力も以前から知っています。

 

ただし――。

 

友人だからといって、コース上で手加減することはありません。

 

開幕戦で再会したシェードが信治へ掛ける言葉は、

 

“Welcome to IGP.”

 

世界最高峰で、昔の仲間との再会です。


* 


Falcon Motorsport

 

日本

 

エンジン:HELIOS V10

 

タイヤ:VORTEX RACING TYRES

 

契約:ワークス

 

勢力:上位

 

日本を代表するIGPチーム。

 

MUNEと同じHELIOS V10を使用しますが、Falconは正式なワークスチームです。

 

HELIOS V10は高い信頼性と扱いやすさを備えた万能型。澄んだ高音の下に厚みのある中音を重ね、「ヴァァァァァァーーン」と滑らかに回転を伸ばします。複合区間や高温下のロングランにも適応しやすいエンジンです。

 

トップ3のすぐ後ろに位置する勢力で、高速テクニカルコースでは表彰台争いへ届く力も持っています。

 

同じHELIOS V10。

 

しかし、MUNEとFalconが同じ条件というわけではありません。

 

この違いも、Season 1を見るうえで重要なポイントです。

 

【ドライバー】

高城 蓮司 31歳

 

日本

 

通算3勝/IGP8年目

 

Falconのエース。

 

高速テクニカルコースと予選を得意とします。

 

明るく社交的ですが、レースに対する見方は現実的。

 

長くIGPを戦ってきたため、藤原のこれまでの歩みも知っています。

 

一方、開幕時点では信治を「まだIGPで実績のない若手」と見ています。

 


マルコ・ベルティーニ 35歳

 

イタリア

 

通算2勝/IGP10年目

 

経験豊富なベテラン。

 

開発、セットアップ、タイヤ管理、完走力に優れます。

 

穏やかで面倒見のよい人物ですが、条件が噛み合えば高城を上回る速さも持っています。

 

藤原とは長年パドックで顔を合わせてきた仲です。


* 


Vega Competition

 

フランス

 

エンジン:AEGIS V8

 

タイヤ:AURORA TYRE

 

契約:カスタマー

 

勢力:上位中団

 

トップ勢のすぐ後ろで戦う有力中団チーム。

 

AEGIS V8のカスタマーながら、シャシーとAURORA TYREとの組み合わせに強みがあります。

 

ワークス最新仕様ほどのピーク性能や統合度は持ちませんが、熟成された扱いやすさと安定性が武器です。

 

特に中速複合区間や戦略戦では、上位勢を脅かす可能性を持つチームです。

 

【ドライバー】

ジュリアン・モロー 32歳

 

フランス

 

通算1勝/複数回表彰台/IGP8年目

 

いわば「中団のスペシャリスト」。

 

レースクラフト、戦略、安定性、ウェットコンディションを得意とします。

 

無理な勝負には付き合わず、自分たちが取れる最大の結果を確実に狙う現実派。

 

中団チームにとって、非常に厄介なタイプです。

 


ダニエル・コスタ 24歳

 

ブラジル

 

最高位5位

 

純粋な速さと攻撃性が魅力の若手。

 

まだ荒削りな部分もありますが、その勢いこそが武器。

 

ベテランのモローとは対照的なキャラクターです。

 

*


Horizon GP

 

イギリス

 

エンジン:HELIOS V10

 

タイヤ:TERRANOVA COMPETITION TYRES

 

契約:カスタマー

 

勢力:中団

 

MUNEにとって、非常に重要な比較対象となるチームです。

 

同じHELIOS V10。

 

同じTERRANOVA COMPETITION TYRES。

 

そして同じカスタマー。

 

しかし、開幕時点の総合力ではHorizonがMUNEより上。

 

同じ「ヴァ」系のHELIOSサウンドを響かせても、車体への統合、運用経験、チーム全体の完成度までは同じではありません。

 

まずこのチームへ追いつけるかどうかが、新規参戦MUNEにとって1つの物差しになります。

 

【ドライバー】

オリバー・グラント 30歳

 

イギリス

 

最高位3位/IGP6年目

 

派手さより安定性を武器とする中堅。

 

セットアップ能力にも優れ、チームの基準となるマシンを作れるタイプです。

 


ニコラス・デュラン 27歳

 

アルゼンチン

 

最高位6位/IGP3年目

 

タイヤ管理と決勝後半に強みを持つドライバー。

 

序盤から無理をせず、レース全体を組み立てながら最後に力を残します。


* 


Imperial GP

 

ドイツ

 

エンジン:AEGIS V8

 

タイヤ:TERRANOVA COMPETITION TYRES

 

契約:カスタマー

 

勢力:中団

 

AEGIS V8を使うカスタマーチーム。

 

Titanのワークス仕様ほど鋭いピーク性能はありませんが、熟成されたレスポンスと信頼性を生かします。

 

ストップ&ゴーやブレーキングを多用するコースで強みを発揮します。

 

中団の中では、コースとの相性次第で順位が大きく変わるタイプのチームです。

 

【ドライバー】

ヨナス・リヒター 28歳

 

ドイツ

 

最高位4位/未勝利

 

予選とブレーキングを得意とします。

 

技術フィードバックにも高い要求を持つドライバー。

 

速さはありますが、決勝全体をまとめる部分では波があります。

 


アレックス・チェン 23歳

 

カナダ

 

IGPルーキー

 

中国系カナダ人の若手。

 

一発の速さと低速コーナーからの立ち上がりが強みです。

 

レースクラフトはまだ発展途上ですが、礼儀正しい性格の内側には強い競争心を持っています。

 

信治と同じく、Season 1で初めてIGPへ挑むルーキーです。


* 


Aster GP

 

イタリア

 

エンジン:ATLAS V10

 

タイヤ:VORTEX RACING TYRES

 

契約:ワークス

 

勢力:古豪

 

IGPで長い歴史を持つ古豪。

 

ATLAS V10の正式ワークスチームです。

 

ATLAS V10は耐久性と安定性を重視したエンジン。HELIOSより低く太い「ヴォォォォォォーーン」という音を響かせ、予選の一発や純粋な最高速より、高温や長距離、荒れた決勝で持ち味を発揮します。

 

絶対的な速さではトップ3へ及ばないものの、耐久性や安定性を武器に、荒れたレースでは存在感を発揮します。


【ドライバー】 

アンドレア・ロッシ 37歳

 

イタリア

 

通算7勝

 

Asterを象徴するベテラン。

 

経験、レースクラフト、そして雨の強さが武器です。

 

藤原とも以前からパドックで面識があります。

 

IGPという世界で長く生き残ってきた、経験そのものが武器になるタイプです。

 


トーマス・ベルク 26歳

 

スウェーデン

 

最高位5位

 

安定性とタイヤ管理を得意とする若手。

 

チームではロッシの後継候補として期待されています。


* 


Stratos Racing

 

スペイン

 

エンジン:PHOENIX V8

 

タイヤ:AURORA TYRE

 

契約:カスタマー

 

勢力:新興

 

IGPの新興チーム。

 

PHOENIX V8のカスタマーです。

 

PHOENIX V8は高いポテンシャルと引き換えに、ピーキーな性格を持つエンジン。「ガァァァァァァーーッ」という荒く濁った音と、アクセルオフやシフトダウンで弾けるバックファイアが特徴です。

 

低温や予選一発ではAURORAの特性を生かす可能性があり、大胆なセットアップを試すこともあるチーム。

 

まだ安定した強さを確立してはいませんが、勢いを持つ存在です。


【ドライバー】

カルロス・イバニェス 34歳

 

スペイン

 

最高位5位/IGP9年目

 

新興チームを支える経験豊富なベテラン。

 

完走能力と、マシンが変わっても対応する適応力に優れています。

 

Stratosが戦えるチームへ成長するための土台を作る人物です。

 


エミール・ノヴァーク 22歳

 

チェコ

 

IGPルーキー

 

純粋な速さと大胆さが魅力。

 

経験不足を勢いで補うタイプの若手です。

 

信治、チェンと同じSeason 1のルーキーですが、その走り方はかなり違います。


* 


Mistral Engineering

 

フランス

 

エンジン:PHOENIX V8

 

タイヤ:TERRANOVA COMPETITION TYRES

 

契約:ワークス

 

勢力:独立系

 

大きなメーカー系トップチームとは違う立場で戦う独立系チーム。

 

PHOENIX V8のワークスチームです。

 

カスタマー仕様よりエンジンのピークと統合自由度を引き出せる一方、安定した高速巡航よりも、市街地や天候、路面状況が変化する条件で強みが表れます。

 

平均的な勢力は中団寄りですが、市街地や路面状況が大きく変化するレース、荒れた展開では一気に存在感を増す可能性があります。

 

【ドライバー】

ローラン・デュボワ 36歳

 

フランス

 

最高位4位/IGP11年目

 

低予算チームで長く戦ってきたベテラン。

 

開発能力、燃費管理、完走力に優れています。

 

限られた条件でも「何かを持ち帰る」能力を持つドライバー。

 

その意味では、藤原とどこか共通する部分もあります。

 


マテオ・フェレイラ 28歳

 

ポルトガル

 

最高位6位/IGP4年目

 

予選と市街地コースを得意とするドライバー。

 

堅実な速さを持ち、オーバーテイクは慎重派。

 

スポンサーを持ち込む一面もありますが、シートを資金だけで得ているドライバーではなく、十分な実力を備えています。


* 


MUNE RACING

 

日本

 

エンジン:HELIOS V10

 

タイヤ:TERRANOVA COMPETITION TYRES

 

契約:カスタマー

 

勢力:新規参戦

 

そして、最後がMUNE RACING。

 

LMP2では世界を戦ってきたものの、フォーミュラコンストラクターとしては初めてのシーズンです。

 

開幕時点で、トップチームと真正面から速さを競える位置にはいません。

 

中団のHorizonにも、まだ届いていない。

 

搭載するHELIOS V10は扱いやすく信頼性に優れ、ロングランにも適応しやすいエンジンです。しかし同じエンジンを積めば、ワークスのFalconや経験を持つHorizonと同じ速さになるわけではありません。

 

それでもMR-00で学び、MR-01を一から設計し、世界最高峰の22台へ加わりました。

 

【ドライバー】

藤原 蒼真 36歳

 

日本/No.7

 

IGP経験を持つベテラン。

 

一発の速さだけではなく、タイヤ管理、燃費管理、開発能力、マシンの違和感を言葉へ変える能力を武器とします。

 

新規参戦MUNEにとって、車を速くするための「基準」となるドライバーです。

 


中村 信治 25歳

 

日本/No.22

 

Season 1のIGPルーキー。

 

国内トップフォーミュラで3年間を戦い、通算1勝、表彰台4回、年間最高6位。

 

攻撃的なブレーキングと技術理解、開発フィードバックを武器に、初めて世界最高峰へ挑みます。

 

Season 1の勢力図

 

開幕時点で、最も強いと見られているのは、

 

Apex GP

 

Titan Motorsport

 

Orion Racing

 

のトップ3。

 

そこを追うのが、

 

Falcon Motorsport

 

さらに、

 

Vega Competition

 

を中心とする中団勢。

 

その後ろでも、Horizon、Imperial、Aster、Mistral、Stratosが、それぞれ異なるエンジン、タイヤ、得意条件を持って戦います。

 

そして、その世界へ最後に加わったのがMUNE RACINGです。

 

22台すべてが同じ速さではありません。

 

エンジンも違う。

 

タイヤも違う。

 

ワークスもいれば、カスタマーもいる。

 

世界王者もいれば、ルーキーもいる。

 

高速コースが得意な者。

 

雨を得意とする者。

 

タイヤを残す者。

 

一発の速さへ賭ける者。

 

そんな22人が、同じスターティンググリッドへ並びます。

 

誰が速いのか。

 

誰が強いのか。

 

そして――。

 

世界を知らないMUNE RACINGが、その中でどこまで戦えるのか。

 

Season 1。

 

11チーム、22台。

 

まもなく、最初のシグナルが点灯します。

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