特別編2 IGP 全11チーム・22人のドライバー
――世界最高峰を戦うライバルたち
IGP World Championship。
年間18戦。
11チーム、22台。
MUNE RACINGがこれから挑むのは、すでに世界最高峰で勝利を重ねてきたチームとドライバーたちが集まる場所です。
世界王者。
何度も表彰台へ立ってきたベテラン。
次世代のエース候補。
そして、中村信治と同じように初めてIGPへ挑むルーキー。
今回はSeason 1開幕戦を前に、IGPに参戦する11チームと22人のドライバーを紹介します。
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Apex GP
イギリス
エンジン:ORION V12
タイヤ:AURORA TYRE
契約:準ワークス
勢力:トップ
Season 1の優勝候補の一角。
強力なORION V12と、高速域で高い完成度を持つシャシーを組み合わせるトップチームです。
ORION V12は最大出力と最高速を追求したエンジン。低速域や燃費では弱点を抱えますが、長い全開区間では重厚な「グォオオオオオォーーン」という咆哮を遠くまで響かせ、速度が乗るほど強さを発揮します。
特に高速コースと予選を得意とし、純粋な速さでは常に優勝争いの中心にいます。
ORION Enginesの正式ワークスではありませんが、準ワークスとして非常に強いパッケージを持っています。
【ドライバー】
アレクサンダー・クロフォード 34歳
イギリス
世界王者2回/通算18勝
IGPを代表するトップドライバー。
速いだけではなく、予選、決勝、プレッシャーの掛かる場面まで高い完成度を持ちます。
タイトル争いを知り、勝ち方を知る。
Season 1のチャンピオン候補を語るなら、まず名前が挙がる存在です。
ルーカス・ヴァレンティ 25歳
イタリア
通算2勝
特に予選で強烈な一発の速さを見せる若手。
すでにIGPで勝利も経験しており、Apexの次期エース候補として期待されています。
王者クロフォードの隣で走りながら、トップドライバーへの階段を上っています。
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Titan Motorsport
イギリス
エンジン:AEGIS V8
タイヤ:VORTEX RACING TYRES
契約:ワークス
勢力:トップ
Apex、Orionと並ぶトップ3の1つ。
AEGIS V8を搭載するワークスチームです。
ブレーキング、複合コーナー、戦略面に強く、単純な最高速だけでは測れない総合力を持っています。
AEGIS V8は軽量で信頼性が高く、アクセルへ鋭く反応するエンジン。「キィィィィィーーン」という甲高い金属音とともに回転が素早く跳ね上がり、ストップ&ゴーや低中速区間で力を発揮します。
高レスポンスのV8と高いシャシー完成度を武器に、どんなコースでも勝負へ入ってくるチームです。
【ドライバー】
エイドリアン・ハート 30歳
イギリス
世界王者1回/通算14勝
純粋なスピードと攻撃性を武器にするトップドライバー。
前へ出るチャンスがあれば、勝負をためらいません。
クロフォードとは違うタイプの強さを持つ、Season 1のタイトル候補です。
ミゲル・サントス 33歳
スペイン
通算5勝
タイヤマネジメントとレースクラフトに優れる実力者。
明るく社交的な人物ですが、レースに入れば非常にプロフェッショナル。
速さだけでなく、長い決勝をどう組み立てるかを知っているドライバーです。
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Orion Racing
ドイツ
エンジン:ORION V12
タイヤ:AURORA TYRE
契約:ワークス
勢力:トップ
ORION Enginesの正式ワークスチーム。
最大出力と最高速を追求するORION V12を、最も深く車体へ統合できる立場にあります。
Apexと同じV12の咆哮を響かせますが、エンジンと車体を一体で作り込めることがOrionの強みです。
特に超高速コースや長い全開区間では脅威となる存在。
Apex、Titanとともに、Season 1の勢力図の頂点を形成します。
【ドライバー】
マティアス・ウェーバー 32歳
ドイツ
世界王者1回/通算11勝
高速コースを得意とするトップドライバー。
開発能力と安定性にも優れ、マシンを速くする仕事にも強みを持ちます。
普段は冷静で合理的。
しかし、負けることを嫌う気持ちは非常に強い人物です。
デイビス・シェード 27歳
イギリス
通算1勝
すでにIGPで勝利を経験している実力者。
そして、中村信治にとっては少し特別な相手です。
海外フォーミュラ時代に信治と同じチームで走ったことがあり、今でも友人。
信治の開発能力やセットアップ能力も以前から知っています。
ただし――。
友人だからといって、コース上で手加減することはありません。
開幕戦で再会したシェードが信治へ掛ける言葉は、
“Welcome to IGP.”
世界最高峰で、昔の仲間との再会です。
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Falcon Motorsport
日本
エンジン:HELIOS V10
タイヤ:VORTEX RACING TYRES
契約:ワークス
勢力:上位
日本を代表するIGPチーム。
MUNEと同じHELIOS V10を使用しますが、Falconは正式なワークスチームです。
HELIOS V10は高い信頼性と扱いやすさを備えた万能型。澄んだ高音の下に厚みのある中音を重ね、「ヴァァァァァァーーン」と滑らかに回転を伸ばします。複合区間や高温下のロングランにも適応しやすいエンジンです。
トップ3のすぐ後ろに位置する勢力で、高速テクニカルコースでは表彰台争いへ届く力も持っています。
同じHELIOS V10。
しかし、MUNEとFalconが同じ条件というわけではありません。
この違いも、Season 1を見るうえで重要なポイントです。
【ドライバー】
高城 蓮司 31歳
日本
通算3勝/IGP8年目
Falconのエース。
高速テクニカルコースと予選を得意とします。
明るく社交的ですが、レースに対する見方は現実的。
長くIGPを戦ってきたため、藤原のこれまでの歩みも知っています。
一方、開幕時点では信治を「まだIGPで実績のない若手」と見ています。
マルコ・ベルティーニ 35歳
イタリア
通算2勝/IGP10年目
経験豊富なベテラン。
開発、セットアップ、タイヤ管理、完走力に優れます。
穏やかで面倒見のよい人物ですが、条件が噛み合えば高城を上回る速さも持っています。
藤原とは長年パドックで顔を合わせてきた仲です。
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Vega Competition
フランス
エンジン:AEGIS V8
タイヤ:AURORA TYRE
契約:カスタマー
勢力:上位中団
トップ勢のすぐ後ろで戦う有力中団チーム。
AEGIS V8のカスタマーながら、シャシーとAURORA TYREとの組み合わせに強みがあります。
ワークス最新仕様ほどのピーク性能や統合度は持ちませんが、熟成された扱いやすさと安定性が武器です。
特に中速複合区間や戦略戦では、上位勢を脅かす可能性を持つチームです。
【ドライバー】
ジュリアン・モロー 32歳
フランス
通算1勝/複数回表彰台/IGP8年目
いわば「中団のスペシャリスト」。
レースクラフト、戦略、安定性、ウェットコンディションを得意とします。
無理な勝負には付き合わず、自分たちが取れる最大の結果を確実に狙う現実派。
中団チームにとって、非常に厄介なタイプです。
ダニエル・コスタ 24歳
ブラジル
最高位5位
純粋な速さと攻撃性が魅力の若手。
まだ荒削りな部分もありますが、その勢いこそが武器。
ベテランのモローとは対照的なキャラクターです。
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Horizon GP
イギリス
エンジン:HELIOS V10
タイヤ:TERRANOVA COMPETITION TYRES
契約:カスタマー
勢力:中団
MUNEにとって、非常に重要な比較対象となるチームです。
同じHELIOS V10。
同じTERRANOVA COMPETITION TYRES。
そして同じカスタマー。
しかし、開幕時点の総合力ではHorizonがMUNEより上。
同じ「ヴァ」系のHELIOSサウンドを響かせても、車体への統合、運用経験、チーム全体の完成度までは同じではありません。
まずこのチームへ追いつけるかどうかが、新規参戦MUNEにとって1つの物差しになります。
【ドライバー】
オリバー・グラント 30歳
イギリス
最高位3位/IGP6年目
派手さより安定性を武器とする中堅。
セットアップ能力にも優れ、チームの基準となるマシンを作れるタイプです。
ニコラス・デュラン 27歳
アルゼンチン
最高位6位/IGP3年目
タイヤ管理と決勝後半に強みを持つドライバー。
序盤から無理をせず、レース全体を組み立てながら最後に力を残します。
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Imperial GP
ドイツ
エンジン:AEGIS V8
タイヤ:TERRANOVA COMPETITION TYRES
契約:カスタマー
勢力:中団
AEGIS V8を使うカスタマーチーム。
Titanのワークス仕様ほど鋭いピーク性能はありませんが、熟成されたレスポンスと信頼性を生かします。
ストップ&ゴーやブレーキングを多用するコースで強みを発揮します。
中団の中では、コースとの相性次第で順位が大きく変わるタイプのチームです。
【ドライバー】
ヨナス・リヒター 28歳
ドイツ
最高位4位/未勝利
予選とブレーキングを得意とします。
技術フィードバックにも高い要求を持つドライバー。
速さはありますが、決勝全体をまとめる部分では波があります。
アレックス・チェン 23歳
カナダ
IGPルーキー
中国系カナダ人の若手。
一発の速さと低速コーナーからの立ち上がりが強みです。
レースクラフトはまだ発展途上ですが、礼儀正しい性格の内側には強い競争心を持っています。
信治と同じく、Season 1で初めてIGPへ挑むルーキーです。
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Aster GP
イタリア
エンジン:ATLAS V10
タイヤ:VORTEX RACING TYRES
契約:ワークス
勢力:古豪
IGPで長い歴史を持つ古豪。
ATLAS V10の正式ワークスチームです。
ATLAS V10は耐久性と安定性を重視したエンジン。HELIOSより低く太い「ヴォォォォォォーーン」という音を響かせ、予選の一発や純粋な最高速より、高温や長距離、荒れた決勝で持ち味を発揮します。
絶対的な速さではトップ3へ及ばないものの、耐久性や安定性を武器に、荒れたレースでは存在感を発揮します。
【ドライバー】
アンドレア・ロッシ 37歳
イタリア
通算7勝
Asterを象徴するベテラン。
経験、レースクラフト、そして雨の強さが武器です。
藤原とも以前からパドックで面識があります。
IGPという世界で長く生き残ってきた、経験そのものが武器になるタイプです。
トーマス・ベルク 26歳
スウェーデン
最高位5位
安定性とタイヤ管理を得意とする若手。
チームではロッシの後継候補として期待されています。
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Stratos Racing
スペイン
エンジン:PHOENIX V8
タイヤ:AURORA TYRE
契約:カスタマー
勢力:新興
IGPの新興チーム。
PHOENIX V8のカスタマーです。
PHOENIX V8は高いポテンシャルと引き換えに、ピーキーな性格を持つエンジン。「ガァァァァァァーーッ」という荒く濁った音と、アクセルオフやシフトダウンで弾けるバックファイアが特徴です。
低温や予選一発ではAURORAの特性を生かす可能性があり、大胆なセットアップを試すこともあるチーム。
まだ安定した強さを確立してはいませんが、勢いを持つ存在です。
【ドライバー】
カルロス・イバニェス 34歳
スペイン
最高位5位/IGP9年目
新興チームを支える経験豊富なベテラン。
完走能力と、マシンが変わっても対応する適応力に優れています。
Stratosが戦えるチームへ成長するための土台を作る人物です。
エミール・ノヴァーク 22歳
チェコ
IGPルーキー
純粋な速さと大胆さが魅力。
経験不足を勢いで補うタイプの若手です。
信治、チェンと同じSeason 1のルーキーですが、その走り方はかなり違います。
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Mistral Engineering
フランス
エンジン:PHOENIX V8
タイヤ:TERRANOVA COMPETITION TYRES
契約:ワークス
勢力:独立系
大きなメーカー系トップチームとは違う立場で戦う独立系チーム。
PHOENIX V8のワークスチームです。
カスタマー仕様よりエンジンのピークと統合自由度を引き出せる一方、安定した高速巡航よりも、市街地や天候、路面状況が変化する条件で強みが表れます。
平均的な勢力は中団寄りですが、市街地や路面状況が大きく変化するレース、荒れた展開では一気に存在感を増す可能性があります。
【ドライバー】
ローラン・デュボワ 36歳
フランス
最高位4位/IGP11年目
低予算チームで長く戦ってきたベテラン。
開発能力、燃費管理、完走力に優れています。
限られた条件でも「何かを持ち帰る」能力を持つドライバー。
その意味では、藤原とどこか共通する部分もあります。
マテオ・フェレイラ 28歳
ポルトガル
最高位6位/IGP4年目
予選と市街地コースを得意とするドライバー。
堅実な速さを持ち、オーバーテイクは慎重派。
スポンサーを持ち込む一面もありますが、シートを資金だけで得ているドライバーではなく、十分な実力を備えています。
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MUNE RACING
日本
エンジン:HELIOS V10
タイヤ:TERRANOVA COMPETITION TYRES
契約:カスタマー
勢力:新規参戦
そして、最後がMUNE RACING。
LMP2では世界を戦ってきたものの、フォーミュラコンストラクターとしては初めてのシーズンです。
開幕時点で、トップチームと真正面から速さを競える位置にはいません。
中団のHorizonにも、まだ届いていない。
搭載するHELIOS V10は扱いやすく信頼性に優れ、ロングランにも適応しやすいエンジンです。しかし同じエンジンを積めば、ワークスのFalconや経験を持つHorizonと同じ速さになるわけではありません。
それでもMR-00で学び、MR-01を一から設計し、世界最高峰の22台へ加わりました。
【ドライバー】
藤原 蒼真 36歳
日本/No.7
IGP経験を持つベテラン。
一発の速さだけではなく、タイヤ管理、燃費管理、開発能力、マシンの違和感を言葉へ変える能力を武器とします。
新規参戦MUNEにとって、車を速くするための「基準」となるドライバーです。
中村 信治 25歳
日本/No.22
Season 1のIGPルーキー。
国内トップフォーミュラで3年間を戦い、通算1勝、表彰台4回、年間最高6位。
攻撃的なブレーキングと技術理解、開発フィードバックを武器に、初めて世界最高峰へ挑みます。
Season 1の勢力図
開幕時点で、最も強いと見られているのは、
Apex GP
Titan Motorsport
Orion Racing
のトップ3。
そこを追うのが、
Falcon Motorsport
さらに、
Vega Competition
を中心とする中団勢。
その後ろでも、Horizon、Imperial、Aster、Mistral、Stratosが、それぞれ異なるエンジン、タイヤ、得意条件を持って戦います。
そして、その世界へ最後に加わったのがMUNE RACINGです。
22台すべてが同じ速さではありません。
エンジンも違う。
タイヤも違う。
ワークスもいれば、カスタマーもいる。
世界王者もいれば、ルーキーもいる。
高速コースが得意な者。
雨を得意とする者。
タイヤを残す者。
一発の速さへ賭ける者。
そんな22人が、同じスターティンググリッドへ並びます。
誰が速いのか。
誰が強いのか。
そして――。
世界を知らないMUNE RACINGが、その中でどこまで戦えるのか。
Season 1。
11チーム、22台。
まもなく、最初のシグナルが点灯します。




