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しばらくするとカールだけでなくリッテも仕事をしたいと言い出して二人にお金を稼ぐ方法を色々教えている。
カールは一本の木を五分で抜けるようになり、一日で五十本ほど抜けるようになったし、リッテは底引き網を広範囲に広げて引き上げられるようになった。
けれど二人は空間魔法を未だ習得できなくて私が空間魔法で収納しなければならなかった。
正直かえって手間なのだけど、それは子供たちの成長のためと諦めている。
カールが木を抜いている間周囲への警戒が薄れてしまうのでヴェンがカールの護衛をしてくれている。
リッテが海で作業する日は私も同じようにリッテの護衛をしながら魚を捕ってリッテの分も収納して、帰りにカールのところへ寄ってカールの収穫を収納して四人で転移で帰っている。
カールの稼ぎはヴェンと半々にしていて、リッテの稼ぎは私と半々にしている。
リッテの稼ぎを貰った分は子供たちが旅立つときのためにとってある。
カールとリッテもそれなりに稼げるようになり、ヴェンも一人で暮らしていけるほどに稼いでいた。
カールは両親の借金を返し終わった。
そして両親に今まで与えられた損害分を返せと罵られた。
けれどカールは冷めた目で「僕が返済すべきものは全て返済した。これっきり縁を切る」と両親に伝えて私たちの元へと帰ってきた。
泣き笑いのような表情で「これで綺麗に片付いた」と言ってその日は夕食を食べずに部屋に籠もり、翌朝いつもと変わらない様子で朝食を食べに降りてきた。
そしていつも通りに木を抜くためにヴェンを抱えて飛んでいった。
カールが普通通りに過ごそうとしているのだから私もいつも通りの態度で過ごした。
カールとリッテが小さないながらも空間魔法が使えるようになり、三人で仕事に行くようになった。
そして私は一人で仕事に行けるようになった。
私はと言えば変わらない生活をしていた。
神様のお願いを聞いたりお金を稼いでいた。
そんな日々を過ごしていると父が亡くなったらしいという噂を街で耳にした。
他国まで届くにはどれくらいの日が必要だろうかと考えつつ話を聞いていると、現在行方不明になっている長女であるナンシーを探しているとかなんとか。
立ち話では詳細はわからないと思ったので神様を呼ぶことにした。
神様!! ナンシーの父親のことについてなにか知ってらっしゃいますか?!
『勿論知っているわよ。亡くなったっていうのは嘘』
嘘?! どうしてそんな嘘を?!
『国でナンシーを捨てたと貴族社会で白い目でみられているみたいね。そのせいで領地経営が厳しく、収入が乏しいみたいね。
最初は貴族全体でナンシーが学園に来なくなってホッとしたって雰囲気だったのよ。
それがあまりにも長い期間学園に来なかったことでさすがに親としての責任を果たしていないと王族が言い出してね。
今までのナンシーの行いはちょっとどうかと思っていた人たちも学園を修復したことで人としてちょっとはまともになってきたのではないか? と言いだす人もいてね、それに魔力の多い人間を手放すなんて国の損失だと国王が口にしたのよ。
それから風向きが変わってきてナンシーを学園に通わせるべきだと言われたけど、ナンシーの行方はわからないじゃない? で学園に通わせないまま卒業の年を迎えてしまって、国王が激怒? したのよ。
で、王宮に連れてこいと言われたけれど連れていけなくて、どうなっているんだ?! と怒られて実は行方が分かりませんと国王に言ったのよ。
で、また激怒。一家が苦境に立たされているって感じね』
えっと⋯⋯情報量が多すぎて何から突っ込めばいいのか⋯⋯?
えぇっと、まずナンシーがいない? 学園に来ない。そんなことで収入が減るんですか?
『それはそうなんじゃない? 悪い噂が立てばそのお店では買い物しないでしょう?』
あ〜⋯⋯なるほど。貴族社会も客商売と一緒ということですか。
『そういうこと。ナンシーが帰ってきたら宥め賺して親子仲はいいと世間に広げたいみたいよ』
あ〜⋯⋯だったら無視でいいですね。
『“首くくりの足を引くな”って感じね』(災いに巻き込まれるなどのことわざ)
よくそんな言葉を知ってますね。
『まあね。日々勉強よね』
あはははっ⋯⋯。私のプライバシー問題でなければいいんですけどね。
『ほっ〜〜ほほほほほっ(;^_^A』
まぁ、いいですけど。とりあえずナンシーの家族のことは聞かなかったことにして、今日のご用命はございますか?
『なによ。その言葉遣い』
いえ、なんとなくです。
とりあえず11月最終日までのUPはしております。
一話一話が短くてすいません。




