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毎日底冷えするなと思ったら雪がボタボタと落ちてくる。
それはもう大量にボトボトボタボタと。
ナンシーが住んでいた地域では冬に雪が降ることがなかった。
が、今住んでいるこの地域では雪が降り始めたと思ったら私の身長より高く積もっている。
神様雪はご遠慮したかったです⋯⋯。
周りはもう白しか見えない。
二階にある私室の窓から出入りしなけれならないほど雪がある。
まぁ、私には転移があるので二階の窓が雪で埋まったとしても問題はないのだけどね。
スキーやスノボを作ってみようかと考えたけど、ここ平地なんだよね〜。
ゲレンデ作っちゃおうかな⋯⋯。
冬の寒い日はゆっくりパンを焼いて、本を読んで、新しい魔法を考えて作る。
それに飽きたら雪のない地域に転移して、その場所で稼げる仕事をして、買い物をする。
この世界には娯楽がない。
長い冬は退屈でたまらない。
とりあえず屋敷の中を一部屋ずつ見て足りないものを用意することにした。
今日まで気が付かなかった。
私、この屋敷を復元してから今まで掃除していなかったことに気がついたよ。
このお屋敷、備え付けの家具があったのね。
多分、放置されていた家具があったんだと思う。屋敷の復元魔法で一緒に復元されていたのだと。
部屋の殆どに家具を足す必要はなく、揃っていた。
家具を見ているとかなり上位の貴族の持ち物だと分かる。
が、結構な年代物に見える。
まさかベッドメイキングまでされているなんて驚きましたよ。本当に。
リネン類、触ったら崩れ落ちるなんてことないだろうね?
そう思って思わず恐る恐る触ってしまった。
復元魔法を使ったから新品の状態に戻っているのに気がついたのはだいぶん経ってからだった。
私って愚かだわ。
リネン類は使わないから収納していた方がいいのかな?
お客さんが来ることなんてないんだし。
掃除が大変だし。(嘘です。「洗浄」の一言で終わりです。)
うん。収納しとこう。
掃除をしていなかったので、各部屋を洗浄して空っぽの部屋が整った?
一人で何もすることなく暖炉の火をただ眺めていたりするとたまに神様からのお願いがある。
誰かが怪我したから助けて欲しいというものから、村が全滅しかけているというものまで多種多様。
神様も全てが見通せる訳ではなく、目に留まった者の救助を私に求めていた。
私が何度も話しかけていると神様の目に留まる人達が減るのかもしれない。
今度からは話しかけないようにした方がいいかもしれない。
『そんな事気にしなくていいわよ』
また、プライバシー侵害問題ですね!!
『ハルカがつまらないこと考えているからよ』
こうして話している間に神様の目からこぼれ落ちてしまう人がいるでしょう?
『それは違うわ。私は知ってもよほどのことがない限り助けないもの』
えっ? 嘘ですよね? 今まで助けた人たちはよほどのことだったのですかね?
『助けるべき人はもう既に知っているわ。その人達のことならば私は助けるけど、それ以外の人達のことは静観すると決まっているの』
あれ〜? 今私の心声を無視したよね?
では神様、ナンシーはなぜ助けたのですか?
『ハルカに話せることはなにもないの』
突き放された言い方に一寸傷ついた。
『誤解しないで。
神として話せることと話せないことがあるのよ。
貴方に話しかけられて返事できない時は返事しないわ。だから細かいことは気にしないで』
わかりました。
『神が助けられない人達を貴方が代わりに助けてくれたら嬉しいわ』
出来ることはやるように頑張ります。
『では、早速お願い』
今日はなんでしょう?
『人を、子供を二人預かって欲しいの』
えっ?
ここに人を住まわせるってことですか?
『そうなるわ。とても大切なことなの』
凄く嫌だと思う気持ちがあるのですが、一応お伺いしても?
『九歳の子が二人死にかけているの。その子達はそこから救い出しても必ず死んでしまう運命にあるの』
運命ですか?
そんな物があるのだろうかと不審げに聞いた。
『運命はほとんどの人にはないの。でもその人それぞれに道筋はあるの』
道筋⋯⋯?
『この世界に来てからハルカにも大きな分岐があったでしょう? 家を出る、街に行く、人の居ない場所で生活する、なんかが大きな分岐だったわよね』
そうですね。
『ハルカが今を選んでいなかったら九歳の子供二人は何があっても死んでしまう運命だったけど、ハルカがここで二人の面倒を見てくれれば二人は死なない道筋が出来るの』
ああ、それが道筋⋯⋯。
『今はあまり時間がないの。二人の子を預かってくれるかしら?』
うまく育てることは出来ませんよ。
『いいのよ。ここに入れてくれたらそれだけであの子達は勝手に育つわ』
分かりました。
『ありがとう。では助けに行きましょう』




