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マールカンジはエルダールによく似た町並みだった。
外周を田んぼで囲んで、農民の家らしきものがポツンポツンっと建っている。
中心に向かうとかなり大きな街があり、その中心に今まではなかった大きな屋敷があった。
私の屋敷の半分くらいの大きさかな。
「あの建物は何?」って歩いていた子供に聞くと「デンズを見つけた商人さんの家だよ」と教えてくれた。
カーデンガーデンで遊びすぎたので早々に宿を探す。
四角二つがすぐに見つかったので、そこにする。
「女の子一人?」
「はい」
「じゃぁ閂渡しておくわね」
「ありがとうございます。夕食付いていますか?」
「朝と夕両方付けられるよ」
「じゃぁ、両方付けてください」
「あいよ三〇四号室ね」
「はい、お世話になります」
レイタック、カーデンガーデンの街の宿より広いし綺麗だ。
四角一つの違いなのかな?
ベッドもセミダブルの大きさ。
閂を掛け「遮音」。
部屋を「洗浄」して早速ベッドを換えちゃおう。
宿のベッドを収納してナンシーのベッドを取り出した。
うん。やっぱりこのベッドが一番寝心地が良い。
ベッドを交換したことで広かった部屋が狭くなってしまった。
よし、あまり時間はないけど、観光に行こう。
今回はちゃんと宿のドアから出て行くことにした。
やっぱりお米屋さんが多いな。
一軒のお店で大豆によく似た豆を見つけた。
店のおじさんにどうやって食べるのか聞くと、
水に漬けて柔らかくしてから煮込んで食べるのだと言う。
食べられる露店があるか聞き、教えてもらった露店へ向かう。
そこでは豆スープとして出されていた。
一杯いただき、大豆に近いと確信した。
大豆の店に戻って十kg買った。
後は米麹か〜⋯⋯。黴と麹菌の区別付くかな?
鑑定出来ないかな?
小さな声で大豆モドキに「鑑定」を掛けてみる。
あっ!表示された。
【乾燥させた豆 大豆】
あれ?
「おじさん、これの名前なんて言うの?」
「タポだよ?」
「タポ・・・」
タポだって。鑑定では大豆って出てたけどなんで?
もう一度「鑑定」 【乾燥させた豆 大豆 タポ】
と表示された。
知らなかったから表示されなかったのか、想像力が足りなくて表示されなかったのか微妙なところね。
店に並ぶものを次々鑑定していく
【米 ササニシキ デンズ】
【米 コシヒカリ デンズ】
【米 香り米 デンズ】
ん? 香り米? タイのお米だっけ?
かなり長細い。確か炊き方違うんだよね。
「おじさんこのデンズ一kgお願い」
「あいよ」
「このおデンズの炊き方って他のデンズと一緒?」
「いや、湯がいて食べるんだ」
「あっ、やっぱり。ありがとう」
目に付く品物に鑑定を掛けていく。
日本に在ったものに近い商品には日本名も出て、こちらの世界の名前も出るようになった。
詳細な鑑定を望むと、食品ではオーソドックスなレシピも表示された。
ここまで細かい鑑定は必要ないかな。
日本での名とこちらの世界の名がパッと出ればいい。
この世界、カエルの肉とか普通に食用なんだね。
片足がぴろんっと置いてあって悲鳴をあげそうになっちゃった。
日差しが傾いて、影が長くなってきたので宿へ戻る。
時計が欲しいな〜。ないのかな?
時間に追われることはないけど、時間の検討もつかないのは困っちゃう。
『ハルカ、いい屋敷と場所が見つかったわ』
いきなり神様からお声が掛かって飛び上がった。
わぁっ!! あ、ありがとうございます。びっくりしたぁ!!
『ほら! 今から屋敷の所へ行くわよ』
せっかちですね。
『善は急げって言うんでしょう?あなたの世界の言葉で』
そうですね。って、ちょっと待ってください。
なんでそんな言葉知っているんです?
私使ってないですよね?
『あれ? そうだったかなぁ⋯⋯?』
もしかして私の記憶読んだりしてませんよね?
『⋯⋯⋯⋯』
読んでるんですね?!
『ゴメンナサイ⋯⋯』
私にプライバシーはないんですか?
『本当に悪いと思っているわ。だけど人間性を知るために必要だったのよ〜⋯⋯』
全部見たんですか?
『ハルカの心に強く残っているものは⋯⋯』
そっか⋯⋯。
まぁ、いいですよ。見ちゃったものは見なかったことにはできないですしね。




