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魔力が多すぎて親に愛されなかった子が親の気を引きたくて自殺してしまった体に入れられてしまった。  作者: 瀬崎遊


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 昨日漬けた酵母を取り出し、蓋を開けてかき混ぜる。


 小さな泡が出ていた。


 うんうん、いい感じじゃない?!


 小麦を何処かで仕入れないと手持ちだけじゃ不安だな。

 

 最強力粉なんてあるかな?


 フランスパン系の食事パンを作りたいんだけど、モルトシロップなんて手に入るのかな?


 それに中力粉も欲しいな〜。うどんが食べたい!!



 まぁ、中力粉自体は無くても強力粉と薄力粉を半々で割ればいいのだけど。

 

 お腹が空いてきたので〆たばかりの魚に塩を振り、火で炙った。


 野菜はフライパンでさっと炒める。


 お茶碗がないのでご飯をスープボールに(よそ)う。


 魚もちょっと端っこのほうが焦げてたりしていい焼き加減でお皿に乗せる。


 野菜はフライパンのまま塩でいただく。


 う〜〜ん〜〜っ!! 美味しい〜〜〜っ!!


 やっぱり日本食だよ〜〜〜!!


 うん。私、今幸せだぁ〜。

 

 

 ねぇ、神様。


 私ね、ナンシーほどじゃないにしても人付き合いが苦手なんだ〜。


 大体は誰とでも話せるし一瞬は仲良くもなれるけど、上辺だけで本心では人を信じられないんだ。


 だからあまり人と関わりを持たず、ここで(異世界)ならそんな生活が叶うんじゃないかな?


 何処か人の来ない所に家を建て、必要なときだけ転移して物を買ったり売ったりして⋯⋯。


 そんな生活できるんじゃないかな?


 そんな生活は駄目ですか?


『ハルカの人生だものハルカの思うようにすればいいんじゃない?』


 時々助けてくれますか?


『アフターケアのうちだからね。そのかわり私のお願いも聞いてね』


 あはっ。神様のお願いってなんか怖そうですね。できることなら手伝いますけど、お手柔らかにお願いしますね。


 そしてありがとうございます。よろしくお願いします。


『じゃぁ、まずは拠点となる場所を探しましょうか。望みは?』


 とりあえずは人が来ない所、ですかね?


 海のそばが良いかと思ったんですけど、転移で何時でもどこでも行けるから、あえて海の側でなくてもいいかなと思うようになりました。


 今はもう人が来なくて忘れてしまっているような場所でそれなりの建物があるところってないですか?


 建物って転移で動かせるかな?


 だったら人が来ないところというのが一番の条件なんですけど。


『建物の転移⋯⋯やってみないとわからないかな。

 ナンシーは想像力がなかったから魔力は強くても何もできない子だったけど、ハルカは色んな事想像できるでしょう?

 だからきっと何でも出来ると思うわよ』


 魔法は想像力?


『そうよ。

 まず建物と良さげな場所を捜してくるわ。あなたはどうするの?』


 今晩はカーデンガーデンの街に泊まって、明日また別の街に行きたいと思います。


『そう、じゃぁ、あっちに比較的大きな街マールカンジがあるわ』


 わぁ、お米発祥の地じゃないですか?!


 ありがとうございます。ではよろしくお願いします。




 転移で宿に戻った。


 魚介類の炭火焼の夕食を頂く。


 転生以来最高の食事だった。


 やっぱり海のものは美味しいわ〜。


 子供の頃に食べた美味しい魚。


 何処かの国が乱獲するようになって、日本でも近年、美味しい魚に出会えなくなっていたけど、こんな異世界で最高の魚が食べられるとは思わなかったわ。




 翌朝、この街には海水の温泉があると聞いて入りに行った。


 レイタックで水遊び用の衣装を買っておいてよかった。


 この世界では裸のお付き合いというものはなく、温泉や水遊びには専用の衣装が必要になる。


 水に濡れても透き通らず、でも軽く、素肌が見えないように仕立てられている。


 私が購入したのは水色で、傍目にはワンピースに見えるけれど、中はズボンになっていて、繋がっている。


 スカートが捲れあがっても肌は絶対に見えない。


 その代わり、脱がないとトイレに行けない。


 水遊び用の衣装を着て温泉に浸かり、溜息がこぼれる。


 一寸舐めてみたら海並みに塩っ辛かった。


 これってお風呂入り直さないと駄目だよね。


 私は洗浄魔法で水着も綺麗にして乾燥してから服に着替えた。


 カーデンガーデンには貝をつかったアクセサリーが多種多様にあった。 


 どれも可愛く、どれも欲しかったが買わなかった。


 これからの生活に必要がないと五十五歳のおばさんが思ってしまったので。



 いかの姿焼きやサザエのつぼ焼き等、日本とよく似た物が名前は違うけどあって、日本では高くて中々手が出なかったけど、ここでは安くていくらでも食べられた。


 宿の朝食も気になったのだけど露店の物を食べたくて我慢して良かった。


 心()くまで海の幸を味わったことは言うまでもないね。


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