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魔力が多すぎて親に愛されなかった子が親の気を引きたくて自殺してしまった体に入れられてしまった。  作者: 瀬崎遊


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「嬢ちゃん、デンズの配達が来たから一緒に連れて行ってもらいな」 


「わぁ、ありがとうございます」


 部屋の閂を返し、朝食料金を払って「お世話になりました」とお礼を言って配達員についていった。

 


「デンズって何処から入ってくるんですか?」


「エルダールってところの街から入ってきているのと、今はここでも作ってるよ」


「そうなんですか?」


「美味しかったかい?」


「はい、凄く」




 店はほど近い場所にあった。


「こっちの米がエルダールデンズで、こっちがレイタックデンズ」


 どっちを買う?


「宿屋ではどちらのデンズを?」


「レイタックデンズだよ」


「じゃぁ、レイタックデンズを十kgとエルダールデンズを五kgお願いします」


「そんなに持てるのかい?」


「はい、大丈夫です」


 支払ってお米を収納した。




 神様!!


 私!! エルダールに行きたいです。


 神様は何も言わないけれど呆れた雰囲気を醸し出して方角だけを示してくれた。



 何度か距離の短い転移を繰り返してエルダールに到着した。


 田んぼで周りを囲まれたのどかな街というよりか、村だった。


 エルダールで、デンズの入手経路を聞くとマールカンジというところの商人が持ち込んできたんだと教えてくれた。

 

 街の中を足早に歩いてみたが、田んぼ以外これと言ったものはなかった。

 

 ここでもデンズのリゾットが露店で出ていたので食べてみた。


 ここのはリゾットというより、雑炊だね。


 昆布の出汁がきいていた。


 昆布あるの?!買える?!


「おじさんこの出汁って何でとっているの?」


 昆布を私に見せてくれながら「北の海で取れるカインっていうんだよ」


 昆布きたーーーっ!!


「ごちそうさまでした」


 エルダールでも米を二十kg買って、街を出た。


 レイタックの半分の値段で買えたので目が点になってしまった。




 神様!


 一度北にある海に連れて行ってもらえますか?


 カイン(昆布)が欲しいんです。


『ハルカは東西南北は分かるかしら?』


 東から太陽は昇って西に沈みますか?


『あってるわ。じゃぁ、北へ』


 西を左に東を右に立ち前方へ向かって「転移!」


『コート持ってきてる? 今はまだちょっと寒いわよ』


 はい、あります。


『カーデンガーデンっていう港街になるわ』


 はい。お願いします。





 カーデンガーデンは港町らしい街だった。


 泊まるところを探す。


 宿は早い時間に見つけておくのがいいと知識で知っているので、先に宿を探す。


 四角が3つ。海沿いの宿。


 ここでも鍵ではなく閂を渡される。


 何かあった時、どうするんだろう?


 窓の外は海で窓を開け放つ。


 ちょっと風が冷たいけど潮風が体に心地いい。


 窓を締め「遮音」魔法を放ち部屋の「洗浄」を忘れずにする。




 転移魔法で宿に行く前に目をつけていた人気のない岸壁に立ち、海を眺める。


 北の国の暗い冬の海が目の前に広がる。


 たしかに寒い。


 でも、海は日本でも異世界でも一緒だね。


 温かい地方の海に行ったら白い砂浜でエメラルドグリーンの海があるのかな?



 昆布の取れそうな所⋯⋯。


 海の上をウロウロと飛び回る。


 暗い海だけどここも海水がとても綺麗。


 こういう所は日本とはぜんぜん違う。


 光が届く限り海中が見られる。


 三十分程飛んで、陸地からかなり離れた所に昆布が群生しているのを見つけた。


 空間魔法で時間経過倍速の乾燥部屋を作って転移で昆布を取り込んでいく。


 天日で乾かすのとは出来が違ったりするのかな?

  

 魔法具とはいえ昆布の乾燥ができあがるのが楽しみ〜〜〜。


 魚も見えたので五十×五十mの海水の「空間魔法!」


 魚介類じゃんじゃん獲っていくよ〜。


 エビやカニも見える範囲のものは全部獲っていく。


『ハルカ、さっきの赤い魚は毒があって食べられないわ』


 そうなんですか?! 教えてくれてありがとうございます。


 もう少し沖にも飛んで行き満足するまで捕り尽くした。


 さっきいた岸壁に転移して戻り、大満足で私は石をレンガ状にして竈を組んだ。


 両手鍋を出して洗浄し、デンズをティーカップ三倍分を水で丁寧に研ぐ。


 きっと日本の米ほど精米ができていないはずだから、研ぎが足りないと(ぬか)臭くなっちゃうよね。


 しっかり研いで米と同量の水(ティーカップ三杯分)を鍋に入れ蓋をしてご飯を炊く。


 浸水させていないので本当に小さな火でゆっくりと鍋を温める。


 調理台を取り出し、大きな魚から出して〆て時間停止の空間へ収納していく。


 そろそろ15分かな? ご飯の鍋の火を止める前に強火にして水気を飛ばす。


 後は十分ほど蒸らせば出来上がり。


 ご飯が炊きあがると、これもそのまま収納して、又魚を〆る。


 エビは皮を向き、皮を海水で洗い出汁をとる。


 −30度の冷凍空間作ったら刺し身で食べられるかな?


 醤油はないけど塩をつけて食べても美味しいと思うんだよね〜


 昆布が出来たら昆布締めもいいよね〜〜〜。



 何処かに腰を据えて生活しなくても今みたいにあちこちウロウロした生活でもいいかな?


 それでもやっぱり拠点は必要かな⋯⋯。


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