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魔力が多すぎて親に愛されなかった子が親の気を引きたくて自殺してしまった体に入れられてしまった。  作者: 瀬崎遊


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 お腹が減ったので閂を外して階下へ降りる。


「食事、食べられますか?」


「すぐ出すよ」


 キッチンの中にいるおにーさんがねじり鉢巻きをしていて、紺色のソムリエエプロンをしているのが日本の魚屋さんに見えて少し可笑しく思った。


「お願いします」


 魚の切り身をソテーしたものにサラダとパン、スープが付いてすっごく美味しい!!


 もうね。お腹いっぱいになりましたよ。


 食事を作ってくれたおにーさんが、まだ暇なようだったので話しかけてみた。


「魚のこと教えてもらっていいですか?」


「おう。何が知りたいんだい?」


「川で泳いでいるあの大きな魚、なんていう名前なんですか?」


「一mくらいまでをツツべ、一.五m位のをドンラ、二mを超えたのがバッカっていうんだよ。


 出世魚で大きくなる毎に名前が変わっていくんだ。


 滅多に居ないけど三mを超えたらツドバッカっていって、釣り上げたら一年は働かなくていいっていうほど高値で買い取ってもらえるし、味は得も言われぬほど美味いんだ」


「大きくなるほど美味しいんですか?」


「いや、ツドバッカ以外は好みの問題だな。

 小さいのはあっさりしていて、大きくなると脂がのってこってりしてるな。


 でもツドバッカは格別だよ。美味(うま)いなんてもんじゃない!!


 残念ながら今日のはドンラだよ」


 と言って私の皿を指差した。


「美味しかったです」


 私が知る川魚の淡白な味わいではなく、ドンラでも脂が乗っていて口の中でとろけるんじゃないかと思うような舌触りでとても美味しかった。


 海の魚と言っても過言ではないと思う。


「ごちそうさまでした」


 そう言葉を残して食堂を後にした。




 部屋に戻ってしっかり閂を掛ける。


 閂を掛けるのにも一苦労である。


 上から乗せるタイプじゃなく、横から差し込んでいかないといけないので、狭い部屋であっちこちにぶつけてしまう。


 四角三つ以下の宿にはこの閂がないって貰った知識が教えてくれる。


 今頃思い出しても⋯⋯。(笑)





 昼寝をしたけどまだ眠れそう。


 することもないし早く寝てしまおう。


 と、その前に宿のベッドを収納して屋敷から持ってきた私のベッドを取り出した。


 やっぱりね、宿のベッドは固くて体が痛くなりそうなんだもの。




 翌朝、夜が明けきらぬ頃にスッキリと目覚めた。


 よく寝たぁ〜。


 朝の散歩ならぬ、漁をしてこようかな。




 川へ転移して、三m超えの魚を探す。


 昼間は泳ぎ回っていた魚も今は寝ているのかじっとしている。


 川の上を飛行魔法で飛んで、三m超えを捜しているといつの間にか街を抜けて上流へきてしまっていた。


 結構上流にきちゃったな。


 中々いないね三m超え。


 諦めようかと思っていた時、やっと三m超えを見つけた。


 転移で空間魔法の中に入れる。


 三m四匹、二m五匹を獲って昨日の要領で直ぐに〆る。


 何処で買い取ってもらえるのかな?

 

 街中に戻り朝市を見つけたので立ち寄る。


 水遊び用の衣装を見つけ、購入。


 バッカの解体用の包丁を捜し、さばけるとは思っていないけど一応購入しておく。


 大きな柳刃かと思ったら反りの少ない日本刀と変わらなかった。

 

 そぞろ歩いて目についたものをここでも買っていく。


 魚を売っているところを見つけ、買い取ってくれる所はあるか聞く。


 港に買い取り場があると教えてもらってそちらへ向かう。


 すぐに見つかり、売買方法を教えてもらう。


 漁業権等があるかと心配したけど、そういうものはなく、魚さえ良いものならこどものこづかい稼ぎでも大丈夫とのこと。


 ただし、身分証明書は必要と言われた。

 

「買い取ってもらえますか」


「いいよ」


 三m一匹を取り出し台に置く。


 長さを見た途端、横に置いてあった大きな鐘をおじさんがガランゴロンガラゴロンと何度も鳴らす。


 人が大勢集まってくる。


 魚を真ん中に沈黙の中で指を上げる人達。


 二と三とか三と三とか。


 もしかして競りかな?



 落札が決まったのかガランゴロンと一度だけ鐘がなり、あらかたの人が去っていった。


「お嬢ちゃん、こっちが俺達の手数料銀貨五枚で、こっちが魚の料金金貨九十九枚と銀貨五枚だ」


「バッカが一匹あるんですがそれも買ってもらえますか?」


「勿論だ」


 バッカを取り出し、台に載せた。


「バッカに間違いないな。〆方もいいし金貨十一枚と銀貨七枚だな。手数料に銀貨三枚もらうな」


「ありがとうございます。あの、解体作業している所があれば見学させてもらってもいいですか?」


「奥の建物で解体しているから見ていくといいよ」


 そう言って首から下げるネームホルダーみたいなものを渡された。


 解体方法を見ていると鮪の解体と方法は同じだった。


 内臓を捨て、三枚におろす。


 骨についた身をさっと炙り骨ごと出汁をとるようだ。


 なんとかなるかな?


 あれ?包丁買わなくてももしかしたら魔法で捌けた?


 でも、日本刀もどきは格好良かったし、ま、いっか。


 反りがあったらなお良かったよね〜。


 この街ならバッカの漁で生活していけそうね。


 転移で部屋に戻り、洗浄をして、遮音? 防音? を解除しておく。


 朝食をお願いする。


 リゾットが出たっ!


 待ってたよ〜〜!!屋敷では聞けなかったんだよ。


「あの、⋯⋯この白いつぶつぶってなんですか?」


「あぁ、最近出回るようになったデンズっていうんだよ」


「デンズ⋯⋯」


 一口食べる。うん。間違いなくご飯だっ!!


「デンズを売ってくれるところってありますか?」


「気に入ったのかい?」


「はい」


「二〜三十分待てるかい?」


「はい。大丈夫です」


「じゃぁ、ゆっくり食べてな。もうじきデンズを卸している店の人間が来るから」


「ありがとうございます」


 魚の出汁がよく出ているスープで炊かれたリゾットはそれはそれは美味しかった。




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