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レイタックの街にふわりと降りた。
レイタックという街は大きな川に分断されている。
街の真ん中に十字に大きな川が流れていて、川を中心に街が栄えている。
川の水はたくさんの人が住んでいるにも関わらず澄んでいてとても綺麗な水だった。
何と言っても川底まで何の濁りもなく見えるのだからその綺麗さは解ってもらえると思う。
川には小船があちこち行き来するのが見える。
町の中央近くに大きな橋が東西、南北に架かっているので、とりあえずそこを目指して歩く。
橋の真ん中から下を覗くと前世の恐山で見た三途川のように水が透き通っていた。
かなり深い。魚影がはっきり見える。
その魚影はちょっと考えられないほど大きく、沢山回遊している
「ちょっと大きさがおかしくない?」
えっ? っと⋯⋯⋯⋯。
一mくらいあるよね? あの魚。
あっちは二mはあるよね?
鰤によく似ていて胴体も一mを超えているように見える。
「えっ? 屈折率の何とかで大きく見えるだけ? とか?」
あっ⋯⋯。魚が小舟にぶつかった!!
船頭さんは衝撃に全く揺るがない。
えっーー!! 落ちるよね普通。
かなりの衝撃だったと思うんだけど?!
見ているとあちこちの小舟が魚にぶつかられていた。
進路が変わるくらいの衝撃くらっているのに船頭さんは平然としている。
川の中を見回すと船より大きい魚もかなりの数いるように見える。
川魚ってこんなに大きくなるんだっけ?
あっ! ナマズとか大きくなるんだったけ?
一艘の船が近くに来た魚に網を被せて二m程ある魚に引っ張られていた。
漁だよね?どうやって船に上げるんだろう?
魚に引っ張られ船がぐんぐん加速して進んでいく。
あっ、こっちに来た。
すっごい水しぶきが上がってる!!
どうやって上げるのか気になって仕方ない。
あっちへこっちへと引っ張っているうちにスピードが弱まってきたな、って思ったら漁師さんが、長くて太い針金みたいなので一突きして終わった。
あれ? なんか期待していたのとは違った。
後は網にかかった魚を引っ張って見えないところに行ってしまった。
転移魔法で魚捕れないかな?
〆と血抜きはどうしたら良いだろう?
あっ! え〜っと⋯⋯!!
空気と水の循環がされていて⋯⋯、水温も川の水くらいで、大きさは五十×五十mの「空間魔法!」で、「魚を転移!!」
ふっふふふふふ☆ 上手く転移させられた!!
大・中・小と一匹ずつ確保してみたよ。
どの大きさが美味しいか分からないしね。
後で人目のない場所で〆るとしよう。
川が近いからか、魚を捕る道具のお店が多い。
さっき漁師さんが使っていた針金みたいなのは針だった。
本当に縫い針のように糸を通す穴もあった。
先端が物凄く鋭利で、簡単には折れないように出来ているらしい。
糸通しても反りがないのに魚逃げちゃわないのかしら?
長さ一m五十cmの物を一つ買った。
これで刺したら間違いなく人、死んじゃうよ。
そぞろ歩いていたら武器屋があり入ってみた。
小型ナイフから剣まで色々置いていた。
「おじさん、魚を突く針あるでしょう。あれに持ち手を付けてもらうってことできますか? 剣みたいに」
魚に刺す時、手が滑って怪我しそうな気がして聞いてみた。
「ああ、出来るよ」
と指さされた方を見ると店の一角に持ち手になる柄の部分だけで販売されていた。
「好きなの選んで針持っといで。付けてやるよ」
一つずつ手に取り、馴染むものを探す。
色々ある中で青い持ち手の物が一番しっくりきた。
針と持ち手を渡すと、目の前で加工してくれた。
糸を通すのだと思っていたらそこに杭を打ち込んで持ち手と針が抜けないようにしていた。
その店で小型ナイフと大型ナイフ、剣も買った。
剣なんて使えないけど持っておいて損はないだろうと思ったから。
この街でも見たことのない果物と野菜を買い込んだ。
今夜はここで宿を取ろうかな。
宿のマークは⋯⋯ベッドとフォークよね。
貰った知識で宿を探す。
ランクは四角が三つ以上の所に泊まること。
多分三ツ星とかを四角で表示しているんだろうと思う。
三つ以上の四角があっても裏道にあるものは駄目で⋯⋯。
四角が三つの良さげな宿を見つけ、宿泊を願い出る。
「まだ小さいね? 一人なのかい?」
「はい。一人です。でももう十五歳です」
「見えないけど⋯⋯。とりあえず身分証明書を見せてくれるかい?」
胸元からタグを取り出して宿の人に渡そうとした。
「身分証明書を提示するのは初めてでしょう?」
「えっ? はい」
「じゃぁ、覚えておきなさい。絶対身から離してはダメよ」
何か解らない道具が出される。
「どこに言ってもこの魔道具があるから見ててね」
と言っておねーさんが自分の胸元から取り出してタグを翳してみせた。
「道具が奥にあるからと言われても絶対に身体から離しては駄目よ。自分で翳さなきゃ駄目だからね。
無くしたり取られたりしたらとんでもないことになるからね」
「解りました。教えてくれてありがとうございます」
「じゃぁ、身分証明書を翳してくれる?」
「はい」
見せてもらったとおりにタグを翳すと「ほんとね。十五歳だわ。では、問題ないわね」と言われた。




