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魔力が多すぎて親に愛されなかった子が親の気を引きたくて自殺してしまった体に入れられてしまった。  作者: 瀬崎遊


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 神様!! 決めました。私、この国を出ます。



『わかったわ。直ぐに資産を現金化してあげるわ。明日の朝出発よ!!』


 わかりました!! よろしくお願いします!!







 部屋にあるベルをガンガン振りまくって叫ぶ。


「ミザリー!! ミザリー!!!」


 私の勢いにちょっと腰が引けたミザリーがやって来る。


「今この別邸に使用人は何人居るの?」


「メイドが三人と料理人が二人です」


「料理人とメイド全員に頼んで!! 大量の食事を作って貰って!! 料理は鍋のままでいいわ。


 五十人分いえ、百人分でもいいから作ってもらって」


「そんなにどうされるのですか?」


「自棄食いするのよっ!!」


「は?」


「いいから!

 早く、作って!! お願い!! 

 大量よ。大量。足りないものは直ぐに持ってこさせて作ってちょうだい!!」


「わ、わかりました」


 少々の無茶振りでも、ナンシーの言うことななら疑問を持たれないって、本当にこの子(ナンシー)は⋯⋯。





 私は屋敷の一番上の階になる三階へ行き、一番奥の部屋から順番に設置されているものを全てを空間魔法で収納した。


 勿論、絵画やシーツ、タオルまで全部収納してやった。


 私の屋敷なんですもの。私が全て持っていってもいいわよね?


 屋敷ごと持っていけないかな?! 流石に無理かな?


 二階も自室以外の物は収納した。

 


 あっ! そうだ!


 神様!!


『今忙しいんだけど何?』


 お願いがあります。


 私ってば、この小さな世界で一人ぼっちだったのでこの世界の常識を知らないのですよ。


 貴族の常識と、平民の常識の両方の知識をください。


『え?』


 亡くなった方の知識でいいので、生きていくための知識だけください。


 記憶は必要ありません!


 できれば今から向かう国の知識なんかがあれば尚いいのですが⋯⋯。


 アフタアーケアの内でなんとかお願いします!!


『ほんと、図々しい子ね』


 溺れる者は藁をも掴むんです。 


『私(神)は藁なの?』


 とんでもない、頼れる者は神様しか居ないので。


 当然叶えてもらえると思って言っているのは間違いないわ。



『どこの国に行くかってことよね』


 一番の大国ってどこですか?


『アリスタント帝国ね』


 そこは自由で楽しそうですか?


『正反対ね。戦争ばかりしているから民は苦しんでいるわ』


 そんな国は断固拒否させていただきます!!


 えっと〜戦がなく、貧しくなく、楽しく生活しているところって無いんですか?


『あるけど、そこは無理ね。住民全員が知り合いだから受け入れてもらえないわ』


 じゃぁ、ちょっとずつ幸せ度のランクを落としていって私が交ざっても困らない国はありますか?


『サーフィス国か、ハピネイス国かしら』


 温暖で海がある国がいいです。


『ならハピネイス国ね』


 じゃぁ、ハピネイス国でお願いします。


 駄目ならまた違うところに行きます。


『分かったわ。じゃぁまず、この世界共通の常識を渡すわね。ベッドに入ってもらえるかしら』


 はい!






 世界共通の常識から、各国の貴族の常識から平民の常識までいただいてしまいました。


 神様ありがとう!


 二時間ほど掛けて知識を受け取りましたよ。


 ちょっと頭がくらくらするけどそのうち馴染むことはもう知っているので、今やるべきことをやるために立ち上がった。




 階下へ降りて調理室を求めて流離(さすら)う。 


 やっと見つけて中に入っていくと私だと気がついた途端、全員の動きが止まった。


 かなり人数が多い。本邸からも料理人を呼んだのかな?


「続けてちょうだい。出来上がったものが欲しいんだけど」


 出来上がったものを鍋ごと収納していく。


 湯気が立っていて、できたてほこほこだ。


 後、どれくらい作れるか聞き、出来上がったら料理はそのままで、今日はもう下がってもいいと伝えた。


 部屋に戻ってクローゼットの中身も全て収納していく。


 その時ふと思い出した。


 ナンシーの遺書のことを。


 羽目板を外し本を取り出す。パラパラとめくり遺書が出てくる。

 



  どうして私の周りには誰も居ないの

  どうして私は一人なの

  親と手を繋いだこともない

  抱きしめられたこともない

  愛されたこともない


  憎いわ 何もかも憎いわ

  全て壊れてしまえばいいのよ

  私の魔力があったらこんな国、簡単に潰せるんだから

  全てを呪うわ


  ディヴィット

  信じてもらえないかもしれないけど

  愛していたわ


        ナンシー・マッカート

 




 ナンシーは全てを呪って逝ってしまったのね。


 ただ愛されたくて、けれど愛され方も愛し方も誰にも教えてもらえず、孤独で一人で逝ってしまった。


 ナンシーは呪いをかける事ができたのかな?


 ナンシー、次は愛される人生を送れるように祈っているわ。







 私室の寝具以外全て収納し、全員帰ったか確認をする。


 調理室に出来た料理に、鍋釜、魔導コンロに魔導冷蔵庫、調理台に調味料に至る物まで全て収納した。


 勝手口の外を見ると新たな食材が届けられていたのでそれらも全て収納した。



 ナンシーは知らなかったんだけど、(あ、私もね)メイド達使用人は本邸からここに通っていたみたい。


 だって使用人室が空っぽだったんだもの。


 あるのは埃よけの布がかけられた家具があるだけだった。


 ナンシーはこの広い屋敷で本当に一人ぼっちだったのね。





 収納した料理を取り出し、この一人っきりで寂しい屋敷での最後の晩餐。 


 食器を魔法で洗浄し、収納。食べていたテーブルと椅子も収納。


 洗浄の魔法で自分を綺麗にして眠りにつく。


 朝目覚めたらハピネイス国へ転移よっ!!


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