Y-1.世界樹の妖精の要請
「お願いします!勇者となり、世界樹をお救い下さい!」
「いや、間に合ってますので」
森の中で営業…もとい妖精の勧誘に出会った。
勇者勧誘とか懐かしいな…。
うん?一回しかされたこと無かったかもしれない。
デジャヴって奴かな。
「まあ落ち着いて。君の名前は?」
「僕は世界樹の妖精です。
今、世界樹の魔力が尽きかけ、世界が大変な状況なのです!」
「それで、妖精はどれくらいいるの?」
「300人以上いたはずです。生きているかは不明ですけど」
「つまり、勇者候補生もいっぱいいると」
「…はい」
まあそうなるよな。
コンシューマじゃあるまいし自分だけが選ばれた勇者というわけではないだろう。
「ところでどうしてボクを選んだの?」
「強そうで人の話を聞いてくれそうだったから…」
つまり、根拠はないわけだな。
人を見る目もあまりないだろう。
なんというか、危機という割には行き当たりばったりで、
危機対応システムも作られていない。
「じゃあ確認するけど、勇者同士で対立した場合はどうするつもりだった?」
「ええ?!きょ、協力しあわないんですか?」
「勇者なんて自分勝手な正義を主張する連中が相手の正義なんて認めることは稀だよ。
自分は正義、つまり邪魔する奴は悪、と思っている奴は多い」
戦争なんて両者に正義があるから起こるんだ。
利益があるからでもあるけど。
「世界樹の一大危機だと言うのに…うぅ」
うーん、まあいいか。
「話を戻すとしてさ、君はボクに何をして欲しいのかな」




