39 ルート
短いです。すみません。
本日の授業が全て終わり、遂に魔法大会の選抜メンバーを発表する時間となった。
選抜法法はまさかの選挙のような形で、朝の授業が始まる少し前に自分の選んだ人の名前を書いた紙を回収され、集計され上位2名が今から発表されるらしい。
ゲームでは明かされなかった真実です。
選抜方法を聞いたときに、選挙か! とつっこまなかった私を誰か褒めて欲しい。って、私のことはどうでもいいか。今はコメット先生から発表される名前を聞き漏らさないようにしなければ。
「では、魔法大会に出場してもらう生徒を発表するぞ。1人目は」
あ、忘れていたわけではないけれど、選抜メンバーの1人は確実にヒロインであるミズキの筈だ。
魔法大会は別に競ったりする訳ではなく、本当にこれくらい魔法が使えますよという、規模が大きい発表会のようなものなのでヒロインが選ばれても問題ない。
恐らく貴族達からの、庶民であるヒロインにプレッシャーを与えるという嫌がらせも兼ねている、と私は邪推している。
「エリエル・マーリアノルト」
ほら、ミズキが呼ばれ……てない?!
「えっ、わ、私!?」
はっ! 悪役の公爵令嬢であるエリエルはこんな慌て方をしない筈だ。取りあえず椅子から立ち上がる。勿論、優雅に。今更だなんて言わないで欲しい。
「失礼致しました。慎んでお受け致します」
「うん。じゃ、次な」
あっさりと2人目発表の為に持っている紙へと目を向けるコメット先生とは対照的に、私は頭の中で大混乱の嵐だ。しれっと席に背筋を伸ばして座り直したけれど、本音を言えば机に突っ伏して考え込みたい。
だって、魔法大会はミズキと攻略対象者が選ばれる筈。と、そこまで考え思い出した。何も、ミズキと攻略対象は全員同じクラスメイトという訳では無いことに。他のクラスの攻略対象が最も好感度が高かった場合、ミズキとモブ生徒が選ばれていた筈。なんだ、そのモブ生徒が私だったというだけ……って、そもそも私もといエリエル・マーリアノルトは悪役令嬢であってモブ生徒とはほど遠い。
「2人目、カイル・フレンディット」
「謹んでお受け致します」
「は、い?」
カイルが完璧な紳士の礼を返している時、私は小さく声を漏らしていた。ヒロインよ、どうしたのだ。




