35 第2回魔法実践訓練
「それでは今から魔法の訓練を開始する。各自前回と同じペアになるように」
2度目となる魔法の実践訓練が始まった。ミズキの魔法暴走があってから、ずっと座学続きだったのでとてつもなく楽しみだ。
ペアがあのカイルであるという、ちょっぴりマイナス要素はあるけれど、ファンタジーを実際に感じられる実践訓練への高揚感は治まらない。あー、早く魔法使わせてくれないかな。
「では、水属性の適性、を、持つ皆さん、今回は前回、のことを踏まえて、身を守る為の、家で習っていたと思うバリアよりも、より、強固なバリアを作ることができるように、なることを、目標とする!」
相も変わらず、気弱だけれど頑張って授業を進めようとする先生から説明を受ける。
前回も言われた注意事項の後に、見本として見せられたバリアは成る程、今まで見てきたバリアの中でもトップクラスの堅さを持つようだった。いや、バリアを見たのは前回の実践訓練だけなんだけれど、レベルが全く違うって素人目でも分かる。だって前見たときは透明なバリアだったけれど、今先生が出しているバリアはすりガラスみたいに白い。ミズキのレベルの魔力暴走が起こった時用の、超上級防御魔法だそうだ。流石、魔法の先生になるだけはあるのだろう。
「今見せた、バリアが出せるように、なるのは、皆さんの実力ではまだ先になる。また、これ程強力な、バリアは、限られた僅かな範囲しか、出すことが出来ない。焦らず、1つ1つ段階を、経て、より強固なバリアを作れるよう、努力して欲しい。命に関わることだから、な」
真剣な表情で、1人1人の顔を見ながら語った先生は1つ咳払いをすると、各自で現在で可能な限り強固なバリアを作るよう指示してきた。呪文は強度に関わらず、バリアの一言で済むらしい。込める魔力の量と、質が固さを決めるとのことだ。
「今回もマーリアノルト様からされますか?」
定型的な挨拶を交わした後、一周回って薄気味悪い程の爽やかな笑顔でカイルが私に問いかける。鳥肌が立った。私達よりも、より後者から離れた場所で、ジーニア先生に見守られながら訓練をしているアデルと同じくらい苦手かもしれない。苦手の種類は全く違うが。
「よろしいの?」
「勿論です」
どうぞどうぞ、とでも言うような目でカイルに促される。漫画だったら背後に文字で書かれるパターンだ。
「なら、私からバリアを張りますわよ。……バリ――」
「よ、避けて下さい~!!!」
「危なっ――」
「えっ?!」
突然私の足下の土が盛り上がり、まだ盛り上がり……そして一瞬にして崩れ去った。




