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団地
「カノンは良い都市のようだね」
「まぁね。
これから問題点を見に行くよ」
ふーん、と僕は、マリンに空返事をした。
たぶん…、と思ったからだ。
たぶん、問題点の無い国なんて無いんじゃないか…、と。
彼らが、僕に全く問題点の無い国を作ってくれ、と言っているなら、それは、どう考えても無理だ。
例えば戦国時代のシミュレーションゲームで、日本を統一する国は作れる。
だけど、それはギリギリ反乱が出ないまでお金を徴収し、兵をジャンジャン集めて、武力制圧することでしかない。
そんな国に、マクルたちを残す訳にはいかないし、ジークさんたちにも幸せになって貰いたい。
そう考えると、戦争なんて駄目だと思う。
それなら…。
このカノンは、もちろん貴族は作ってしまうけれど、かなり良いシステムなんじゃないのだろうか?
マリンは僕を、カテドラルに案内した。
そこは、普通の何倍も大きなカテドラルだった。
そして、併設して、何か団地のようなものが建っていた。
赤ちゃんから、中学生ぐらいの子供が育てられていた。
だが…。
こんな静かな子供たちを、僕は見たことが無かった。
「ノラの子供たちだよ。
マイラでは、町の外で暮らすけど、ここは、そんな場所は無い。
脳が完成するまで育て、そして…」
隣は…。
すぐカテドラル…。
これは、コフィとトムトムが夢想した世界だった。




