ダム
なるほど…、と僕は北を見た。
そこには、北のアフェリアから続くニ千メートル級の山脈が続いていたが…。
「この向こうは、イ、ジョルムイという、そこも都市なんだ?」
「そうだよ。
イ、ジョルムイは十六の町を持つ都市だけど軍事国家なんだ。
このニ十年の間にも、北側の町を三つも落として、傘下に納めているんだ」
「傘下?」
「そ、イ、ジョルムイは十六の都市の中心にあって、この山脈を盾に、北の地に、どんどん戦争を仕掛け、支配している」
と、いずなも言う。
「支配って、選挙とか無いの?」
「中心都市イ、ジョルムイではあるし、各地区のイ、ジョルムイ市民は選挙権があるけど、あとはニ級市民になってしまうんだよ」
「ニ級市民!
反乱とか起きないの?」
「軍事国家だからね。
ちょっと逆ったりすると、容赦無い弾圧があるんだよ」
「怖っー。
そっちを見に行く?」
僕は言ったが。
「いや、カノンの中心都市カノンまで出て、そこから北上するルートが楽だから、とりあえずカノンまで行こうよ」
マリンに従い、僕は西へ飛んだ。
「あ、湖だ!」
「あれはダムなんだよ」
「へー。
あれ! でも木が繁ってる!」
ダムの回りは、緑の木々が、見事に繁茂していた。
「上を見て。
全体をシートで覆って、陽光をシールドしているんだ」
なるほど、半透明なシートが、ダムと周囲の木々を守っていた。
「森は貴重だからね。
カノンは、自然保護も進んでるんだ」




