農業プラント
やがて見えてきたのは、遥か地平線まで続く、農業プラントの連なりだった。
陽光を浴びて、ギラギラと輝いてる。
「凄い。
これ、全部が畑なんだ!」
「カノンは農業立国なんだよ。
全て国営で作物を作ってるんだ」
「えっと…。
共産主義、みたいな?」
「近いけど、違うみたいだよ。
ちゃんと選挙も行われていて、色々な産業も起こっている。
ただ農業は、国営事業にしたんだよ」
と、マリン。
「ああ。
食べ物は大切だから…」
へへっ、と、いずなは笑う。
「それもだし、敵国の胃袋を握っていたら、外交上、とても有利だろ」
なーる…。
「都市は、幾つもの町を支配してるんだよね?」
「本当に支配している都市もあるけど、このカノンは、カノンというシステムを、町ごとに共有している、という建前だね。
ただ、中心都市カノンは、やはり文化や情報の発信地であり、全てが集まっているみたい」
「システムを売っている以上、利用料がかかるのさ」
ケケ、といずなが笑う。
僕は、ちょっとプラントの中を、透視のマジックで見てみた。
沢山の人が、畑で働いている。
基本的な仕事は、あまりニ一世紀と変わらないように見えた。
「黒人の人や、黄色人種もいるんだね」
マイラの人は、基本、うっすら緑の皮膚と、緑黒の髪を持っていたから、少し驚いた。
「マイラも遺伝子を弄ってるんだよ。
ただ、アフェリアほど極端じゃないし、それにはドクターマーヴェも関わっていて、ここの人より、外に出ても平気に調節したんだ」
「ふーん…」
あれ、僕って、普通の黄色人種だよね?
外に出て平気なのかな?
聞くと、笑われた。
「空間移動者は強いから平気だ」




