赤身病
ここのところは、ちょっと残酷になり過ぎた、と言うか…。
ご注意して、お読み下さい。
「あそこを見てよ、ウラガスミ」
マリンに言われ、振り向いた。
透視、拡大のマジックを使って見てみると。
机に向かって勉強している最中、教師が静かに肩を叩く。
すると、その子は、俯いて自分で自分の荷物をまとめ、教室を出る。
その子が学校の玄関まで来ると、バスが待っていた。
中には、中、高、大の生徒が、性別も雑多に乗っていた。
バスは走り、ピラミッドを出る。
アフェリアの周囲は、四方が山なので、山道をバスは静かに登って行く。
やがて、カテドラルにも似た、巨大な工場のような場所へ出た。
子供たちは、性別も無関係に、服を脱がされ、デバイスも外されてしまう。
目からコンタクトレンズを外され、歯などの人工物も丁寧に取り外される。
全員が、子供なのに総入れ歯だったのには驚いた。
「入れ歯は、顎のラインを細くしたり太くしたり、手軽に変えられるのですよ」
とマリンが教えた。
全員、無表情な大人に、髪の毛をバリカンで剃り落とされ、シャワーを浴びる、と言うか、シャワーの中に乱暴に放り込まれる。
そして十分間、丸洗いにされた子供たちは、誰が誰かも判らなくなっていた。
全てのアイデンティティーを失っていた。
そのまま、隣の部屋には入ると、ドアがロックされて…。
足元から赤い液体が流れて来て、子供たちは溺れた。
その部屋自体が大きな金属製の樽のようなもので、コンベアーで移動していくと…。
同じような樽が、何十、何百と並んでいた。
僕は、衝撃に震えながら、中で働いていた大人に、尋問のマジックを使った。
病気だ…。
と、男は言った。
赤身病と言われ、アフェリアの子供の十人に六、七人は発病するのだ、と言う。
では、なぜ殺すのか…、と問うと…。
生存率はゼロ%なので、その体を使って…。
バトルスーツ用の、人工筋肉を作るのだと言う。




