15時間目 みんなの笑顔
「えー、それでは今から雷門の観光の時間とします。現在時刻が1時なので3時までにここに、この形で集合してください。それじゃあ解散」
学年主任の話が終わり雷門の班別観光時間が始まった。
「てか、2時間もここですることあるかな?」
「まぁ色々見てたら3時なんてあっという間だと思うよ」
「うぅぅ昼のうどん達が重いぃ」
俺たちはまず目的もなくぶらぶらすることにした。
『金もあるしなんか買おうかな…』
「おーい乃蒼ー!」
別の班にいる琉久が俺のことを呼んできた。
「なんだ〜」
俺たちは6人みんなで琉久のところに向かった。
「なんかあった?」
「おみくじ引かない?せっかくだしみんなでさ!」
「いいね〜引こ引こ!」
「じゃあみんなで引こっか。運試し!」
俺たちは琉久の班のやつらと一緒におみくじ屋まで行ってみんなでおみくじを引いた。
「なーんだーろな〜」
「みんなで開けよ!せーの!」
「ちょっ、早いって!」
みんなで一斉におみくじを開いて結果を見た。
「やったー!大吉!」
「中吉か〜」
「私末吉〜」
みんなが自分の結果で盛り上がる中俺の頭には?が浮かんだ。
「……ん?なに?半吉って」
みんなが俺のおみくじに顔を寄せて見てきた。
「半吉ってなんだよ見たことない」
「調べてみるね」
琉久の班の透和が直ぐに調べてくれた。
「どうだ…」
「えーっとねよくわかんないけど中吉と末吉の間らしいから多分悪いより。」
「反応に困るなぁ」
「だね」
「はーいみんな!こっち見てー!」
声の先には担任がいた
「はいチーズ!」
しっかりとおみくじの結果を見せるようにして担任に写真を撮ってもらった。
その後琉久達とは別れて俺たちは別の道に進んだ。まぁこれも1つの思い出ということにしておみくじをカバンの中にしまった。
「あ!ここ寄ってみてもいい?」
突然菜愛がとある店を指さして声を上げた。指された方向にはKーPOP系のアイドルのグッズがずらりと並んだ店があった。
「行ってみよっか!4人もいいよね!」梨空が俺たち男4人に向かって笑顔でそう言った。
俺たちも笑顔で頷くと梨空と菜愛はスタスタ早歩きみたいな感じで向かっていった。
俺たちの中で真っ先に動いたやつがいた、なんとそれはかなり意外にも慎也だった。他の3人が普通に歩いて行く中で慎也だけは小走りぐらいのスピードで店に向かっていった。
「そういや慎也もあぁいうの好きらしいんだよな」
大雅がそう言ったのを聞いてそういえばそんな趣味持ってたなと思った。
店に着くと既に中の方で菜愛と慎也が目を輝かせてグッズを見ていた。
「梨空は見ないの?」俺は気になって聞いた
「あぁ、私は別に興味ある訳じゃないからさ、2人に楽しませてあげよ」
それから10分くらい店で楽しんで2人はグッズをいくつか買い、店を後にした。
しばらく進んでいくと昼飯によってやられていた腹の重さもなくなってきて楽になってきた。
突然梨空が足を止めた。
足を止めたのは、ソフトクリーム屋の前だ。
「ねぇねぇ!ソフトクリーム食べない!お昼のデザートみたいな?」
「まぁいいんじゃない?」
「うんうん!僕も食べたいかも」
結局みんな食べることになりみんなで並んだ。
少しすると俺たちの順番が来た梨空が自分の分のソフトクリームを注文してお金を払おうとした時梨空が俺の方を向いた。
「ねぇ乃蒼、ここのお店お札使えないっぽいんだけど私今小銭足りなくて…貸してくれないかな?」
「まぁいいけど」
「ありがと〜」
「なんだよ乃蒼、梨空に奢んのか?僕たちにも奢ってよ〜乃蒼くーん」
「え、何乃蒼奢ってくれんの?」
「おいおいおいおい勝手に話を進めるなよ…」
俺は「莉愛に貸すだけ」と言おうと口を開けようとしたが梨空の方を見るとなんかキラキラした目で見てきた。
「ん……わかったよみんなに奢るよ!ちょうど小銭大量にあるからさ!店員さん同じの6人分お願い!」
「ありがと〜2100円ね」
俺は財布を覗き小銭を見るとぴったし2100円あったので出した。
「やったー!乃蒼くんありがと〜」
「乃蒼サンキュー」
「乃蒼ありがとね」
「いただきます」
「乃蒼…ありがとね」
梨空は優しく笑いながら俺にそう言った。他のみんなも感謝はしてくれたから全然いいんだけど、梨空が笑顔を見せてくれたのがなんだか嬉しかった。いつもだって笑顔だけど、けどなんかいつもとは違う。
『奢ったからか?なんか金払って笑顔見た気分がしなくもないけど…いや違うあれは俺が勝手にやったことだし、でもなんかいつもとは違う、可愛…』
そんな気がした




