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10/14

9時間目 飛行機1

光葉と別れてから数分後、俺は父親に連れられ空港に向かっていた。


 空港は車を走らせれば20分あれば着くくらいの場所にある。俺は事前に班で作っておいたグールプLINEを開き「みんな今どんな感じ?」とメッセージを送った。


 するとほぼ一瞬で5人の既読が付き、誠空から「今移動中〜」と帰ってきた。他のメンバーもスタンプを使ったりして移動中ということを教えてくれた。


 スマホを閉じ少しの間が開いたあとだった。テロンッとLINEの音がなりなんだろうと思い開くとそこにはこんなメッセージがあった。


 梨空 3日間いっぱい楽しもうね!


 何気ないメッセージのつもりだったのだろう、けど俺には足をバタつかせて声を出したくなるほど嬉しいメッセージだったんだ。


 数分して空港に着き荷物を持ち、父と別れクラスメイトが溜まっているところに向かった。ちなみにこの時の荷物はリュックサックのみだが前日学校でキャリーケースをホテルに直送してもらっているためお土産とかはいっぱい買う予定だ。


 全員が空港に着きホームルーム的なやつが終わりいよいよ出発!という所まで来たが待合室みたいな所に通された。


 待合室みたいな所ではクラスで写真撮ったり飛行機撮ったり先生と話したりしながら時間を待ったから思ったより楽しかった。

 本来待ち時間は長い時間のはずなのにその時間は一瞬で過ぎていくようだった。


 ピンポーンパーンポーン

 突然放送の音がなり辺りは一瞬にして静かになった。それは搭乗に関するお知らせだった。一般の人もいるからあまりうるさくしないでください的な事だ。

 その放送の直後に搭乗が始まった。


 直前の放送などみんな忘れたかのようにはしゃいでいた。もちろん俺だってテンションが上がっていたからいつもより声量が大きかったと思う。


 先生が「こらー、他のお客さんもいるだからもうちょいボリューム抑えろー」と声を上げるが生徒の耳には入っていかない。


 機内に入るとまずみんな自分の席がどこか探した。席は班のメンバー事に区切られている感じで俺は左の通路側だった窓側と真ん中には菜愛と梨空の女子2人が座ったから流石に気まずかったし誠空と慎也と大雅がすごく憐れむような目で見てきて余計気持ちがぐちゃぐちゃした。


 飛行機に全員が乗り込み今度こそ出発だ。


 すると後ろの方に座っていた石垣の周りがザワザワしだした。なんだかんだと思い「どした〜」と聞くと


「落ちないよな、落ちないよな、落ちないよなぁぁぁ」

「うるっさいから…黙れよ!そんなに怖きゃ窓見なきゃいいだろ!」


 石垣と宗心が言い合ってた。だが既に飛行機は地面から離れようとしている。上がる上がる上がる。スピードをどんどん加速させ上空へと上がっていく。


「いやぁぁぁ落ちる落ちる落ちる落ちる落〜ち〜る〜!!!」


 機内に石垣の声が響き渡りほとんどの人が石垣の方を向いた。それに気づいたのか顔を赤くさせて下の方を向いて静かになってしまった。


 ちなみにこの時の俺は内心めちゃくちゃ笑ってた。


 飛行機がすっかり飛び上がるとCAの人が飛行機について説明していたが俺を含めてほとんどのやつが話なんて聞いてなかった。別に女子2人と話す事など無いから1人につき1台着いている個人モニターで自前のイヤホンを付けてアニメを見ていた。


 小耳に挟んだCAの話によるとフライトは1時間ちょいらしくだいたい30分アニメ2本見れるくらいだ。実はかなりアニメとかそっち系が好きなためこの時間はかなり嬉しい時間だ。


 少し時間が経ち飛行が安定してきた頃だろうか、梨空が肩を叩いて話しかけてきた。


「ねぇ、聞こえてる?飲み物来てるからりんごジュース2人分もらってって」

「ん?ごめんイヤホンで完全に聞こえてなかったわ」

「も〜、頼むよ」


 頬を片方膨らませながらそう言ってきた梨空は菜愛との会話に戻って行った。

 その菜愛だが、俺の方を見てニヤニヤしてやがる。


 CAにりんごジュース2人分と自分用のコーヒーとミルクを2つと砂糖を1つ貰いりんごジュースを梨空に渡した。


 俺がコーヒーにミルクと砂糖を入れていると、それを見た梨空と菜愛が

「やっぱコーヒーは甘くしないとね!」

「苦いのやだしね」

 と話してきた。『これはどう捉えるのが正しいんだ!?苦いコーヒー飲む男かっこいいよね〜、なのかただ単に甘くした方がいいよねの話なのかなんなんだ!?てかもうミルク入れ終わったからなんも変えられねぇぞ』


 片耳にイヤホンを付けそんな風に考えたが結局、どうすれば良かったのか分からず砂糖も入れ終わり普通にコーヒーを飲んだ。


 そのコーヒーはいつもより苦味が強かった気がする。少し見栄を張ってミルクをいつも4つなのに2つにしたからだろう。そうに違いないだろう。


 既に飛行機の中でこうしているだけでも修学旅行が楽しいと思えた。

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