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死なない僕が英雄になるまで。  作者: 穂藤優卓
第二章 対抗戦編
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第三十一話 皆で買い物

 昨日、終業式も終わり今日から夏休みに入る。朝の目覚めは良好、夏休みという事で晴れやかな気分だ。

今日7月21日に僕達は買い物をする約束をしている、僕が住んでいる街にある大きなショッピングモール。

そこには様々な物が売ってある。服は勿論食料品やキャンプ道具等、今回合宿で必要になるものは大抵揃っているといってもいいだろう。

 僕は朝食を終え集合時間になるまで家で暇を潰していた。


「お兄ちゃんどこいくの?」

「皆でショッピングモールに行くんだよ。月火も行くか?」

「いや、流石に生徒と遊ぶのはね―……、楽しんできなよ」


 流石の月火でも生徒と遊ぶのは少し気まずいのだろう。

月火も来てくれたら楽しかっただろうが仕方ない、僕は着ていく服を選ぶことにした―――。


 約束の時間になる、僕は集合時間から10分前には集合場所に着ていた。

僕が一番最初だろうと思っていたが、集合場所には早霧ちゃんがいる。私服を見るのは二回目だが可愛らしい服装をしていた。

すぐに早霧に声を掛け一緒に他の二人を待つことにする。ちなみに拓哉はやはり行かないと言っていた、残念だが仕方ない。

 

 五分程まつと渚が来て、その五分後。ちょうど12時ジャストに仁がやってきた。

異能力校に入学してから遊ぶ暇なく毎日忙しく遊ぶ時間を取ることが出来なかった。こうして学校の友達で集まって一緒に遊ぶのは楽しい。

 

「それじゃ集まったし行こうか、まず何を買いに行く?」

「はいはーい、軽い物から買っていこってことで服見に行きたい!」

「……女の買い物は長いからな、優覚悟しておけよ」


 仁は僕に耳打ちしてくる。

僕は冗談半分だろうと受け流す、女子二人が先導し僕達はその後ろをついていくことになった。


 僕達は女性服売り場に入ることはせずに売り場の前で待っている。

あれから何分が経っただろうか……、二人が売り場に入り既に一時間近くが経過している。

仁も心做しかイライラしている様にも見える。


「優、ちょっと様子見に行こうぜ」

「そうだね、行こっか」


 僕達は仕方なく売り場へ入っていく。

勿論だが中は女性しかいない。たまに彼女に連れられ渋々一緒にいる人を見かけるくらいだ。

中は思ったよりも広く、二人を探すのに苦労するが見つかった。


「何してるの?」

「あ、ごめん……。可愛いのいっぱいあって悩んでたの。それよりどっちがいいと思う?」


 そう問いかけるのは早霧だった。

手に持っている服は薄い青色をしたワンピースで夏らしさが伝わってくる。もう一方の手には同じ種類の別の色の服を持っていた。

正直言って僕はおしゃれには疎い、どっちがいいかと言われればどっちもいいのだが……。選べと言われれば悩む。


「薄い青の方が夏っぽくていいんじゃないかな?早霧にも似合いそうだよ」

「そ……そうかな。優君がそう言うならこっち買おうかな」


 照れ隠しの様に頬を掻く仕草に和む。なんだか小動物を見ているような気分だ。

渚と仁も楽しそうに話している声がこっちまで聞こえてくる。二人は意外と仲がいいのだろうか。

それにしても女性の買い物は長いと言っていた仁の気持ちがわかった。服1つ選ぶだけで一時間待たされるとは思っていなかった。

だが、最後に早霧の照れた表情を見れたのだから待ったかいもあったのかもしれない。


「それじゃ次は水着買いに行こッ!」

「うんッ!」


 女性陣と比べて明らかに表情が暗い僕達。

また待たされるのだろうか、と思っていたが僕達も水着を買うために選ぶことにした。

男の水着は種類もなく適当なもので済ませていく。するとやはりと言っていいが待つ事になった。

先程みたいにどっちがいいか選んでという事もなく時間だけが過ぎていく。


「待たせちゃってごめんね、けど楽しみにしといてね」


 それだけ言うと笑顔を僕に向けてきた。合宿の楽しみがまた増えた。

僕達はそれから食事をし、適当に合宿に必要そうな物を買い揃えていく。

寝泊まりは家だからテントの様なものもいらないし、食料は剣心さんが用意してくれるといっていた。

正直必要な物がわからない……。とりあえず僕はこっそりとある物を買っていくことにしよう―――。


「夏だし花火したくね?」


 それは仁の何気ない一言だった。皆がその提案に食いつく。

こうして僕達はショッピングモールを回り適当な物を買い揃えていく。

店に入っては面白そうなものを見つけ買っていく。気づけば既に日が暮れようとしていた。


「楽しかったね」

「うん、それと合宿に行くまでなんだけどさ」


 僕は合宿の集合場所と時間を改めて伝え今日は解散という流れになった。

久しぶりに羽を伸ばし遊んだ事で息抜きにもなった、23日から始まる合宿が楽しみでならない。


 こうして僕達は帰ろうと出口の方へ歩いていく時、見知った顔を視界の端で捉えた。

あれは愛莉だ、一瞬だったが間違い無いだろう。何故ここに居るかはわからないが、一度話をしておきたい。

あれから何度かメッセージを飛ばしているが連絡が返ってこず心配になっていた。何か合ったのなら愛莉から連絡してくるだろうが、考えれば考える程謎の違和感が増していく。


「ごめん、皆先に帰ってて」

「おい優どこに―――」


 僕は仁の言葉を最後まで聞かずに駆け出していた。向かう先は愛莉が居た場所。

見間違いかもしれない程一瞬だったが、あれは確かに愛莉だった。そして一瞬だが見えた表情には暗い何かを感じてしまった。

もしかしたら愛莉はいけないことをしているかもしれない、そんな予感がしてならない。


 駆け出し辺りを見渡すが愛莉は見つからない。

既に何処かへ行ったのか、それとも勘違いだったのだろうか……。

僕が探していると、仁達も何事かと思ったのか僕の後を追いかけてきていた。僕は全員に事情を説明する。


「愛莉ちゃんが……、ずっと連絡も取れてないし私も話したい」


 早霧が心配そうな表情で言う。

それもそうだ。この中で一番付き合いが長いのは早霧なのだ。その早霧がずっと連絡を取れていないのだから一番心配しているのかもしれない。

三人も合流し全員で愛莉を探すが見つからない、やはり僕の気の所為だったのだろうか……。

仕方なく僕達は諦めショッピングモールを出るのであった。




「ごめんね皆……」

 


 その小さな愛莉の呟きは優達に届くことは無かった―――。

 愛莉に一体ッ!?

そして次話からは合宿編に突入します!


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