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死なない僕が英雄になるまで。  作者: 穂藤優卓
第一章 成長編
23/33

第二十三話 選抜戦チーム

 書き溜め分はこれで終了となります。

これから一日か二日に一話ペースで更新していきます。

 選抜戦のチームも決まり、僕達チームは一箇所に集まっていた。

チーム内での軽い自己紹介をするためだ。勿論僕もだが皆の名前を知っている。

だが選抜戦はチーム戦らしく共に戦う者同士で異能力を知っておくことは戦闘中に連携を取る為に必須だ。

今、思い返せば僕が直接異能力について聞いた人は拓哉しか居ない。他の3人は自分で考察して満足していた事に今更ながら気づいた。

仁や愛莉と学校の中で行動する時間が多い二人でさえ自分は聞いた気でいた。

どんな異能力なのだろうか、自分の考察と合っているのだろうか楽しみだ。

 まず僕の異能力について皆に伝えた。勿論だが不老不死は伏せて伝える。

先日発症した炎の異能力、そして向上力強化が公にできる僕の異能力だ。


「今更ながら思ったけど、俺って優の異能力初めて聞いたかもしれないな」

「そういえば、あたしもそうかもしれない」

「僕も完全に忘れてたよ、拓哉君には聞いたことあるけど他の三人は知らないから教えてほしいな」


 僕は皆にそう伝えると愛莉が最初に答えた。

愛莉の異能力は僕が考えていた通り『半獣人化』である。猫科の動物に体を変化させ猫科特有の技を繰り出す事が出来るらしい。

ちなみに爪を掛ける隙間があれば壁すらも登れるとのこと、まるっきり猫だ。

 僕は愛莉が模擬戦をしていた時の姿を思い出していた。

可愛らしい愛莉の容姿に耳と尻尾……。ネコ耳好きには堪らない姿だろう。もう一回みたい。


「それじゃ次は私ね、私の異能力は―――」


 次に渚が自分の異能力を紹介していく。

渚の異能力は『血液操作』。これは自分でも他人でも流血した血液を操作し形状を変え攻撃する。

血液の量が多ければ多い程、威力も増すがデメリットもあるらしい。

デメリットは誰かが流血しなければ使用出来ない事。だが誰かが流血すれば距離が遠くとも視認出来れば操作が出来る。

模擬戦で見せた物はほんの一部で、血液を分散させ形状を変えることで無数の刃物にも変化できるのだとか。

この異能力ももう一度見てみたいが、誰かが傷を負わなければならない事がネックだ……。確認は保留にしておこう。


「ふと思ったんだけど渚ちゃんの能力はさ、輸血用の血とかも操作出来ないのかな」

「どうなんだろう?試したことないからわかんないかな。それと呼び捨てでいいよー」

「それじゃ次から渚って呼ぶね。今度それを試してみようか。多分先生に頼めば用意してくれるんじゃないかな」

「優君はよくそんな事思いついたね。面白そうだし試してみよッ!」


 とりあえず渚の了承も得れた。今日は試すことは出来ないかもしれないが時間があれば月火か誰かに頼んでみよう。


 次に異能力の説明を始めたのは拓哉だった。

拓哉の異能力は前に聞いた通り『重力操作』。だが詳細までは聞いていない、どんな事が出来るのだろうか。

続けて説明をしていく、重力の操作は生き物に対して使う場合だけ時間を要するらしい。無機物ならば数秒で重くすることも軽くすることも出来るとのこと。

そして射程範囲だが、拓哉も視認していれば使えるらしい。だが個別で重力を操作するのではなく、一定範囲内の重力を操作する。

ちなみに自分が範囲内に入っても重力操作の影響は受けないらしい。僕達への誤射が気になる所だがその点を気をつければ拓哉の異能力は使える。


「という所だね」

「使い所によっては最大の武器になるかもしれないね……」

「そんじゃ次は俺か、俺の異能力はな―――」


 仁が異能力の説明を始める。

仁の異能力は第六感。それだけ聞けばあまり強そうには思えない、僕もそうだった。仁の説明を聞くまでは。

第六感、それは自分に対し害をなす攻撃や物事を直感する事が出来る異能力。

簡単の言うと予知能力と似たようなものだ。だから僕と模擬戦をした時に感じた異様な反射神経の速さにも納得いく。

僕の攻撃を事前に察知し、それに対し防御やカウンターなどを事前に備えることが出来る。

 だがデメリットもあるらしい。それは毎回異能力が発動するわけではないとの事。

今までの経験で言うと発動する確率で言えば7割程らしい。だがそれでも強いことには変わりはない。

そして、今の仁には刀がある。鬼に金棒だ非常に頼りになる。


「取り敢えず皆の異能力も把握出来たし今からチーム戦の動きを確認出来るらしいから体育館に行こうよ」


 僕の提案に皆も賛成してくれた。

ふと教室を見渡すと既に数組は体育館へ移動したらしく教室からは居なくなっている。

僕らも遅れを取らないよう、すぐに移動を始めた。


 体育館へ入ると熱気に溢れていた。

全校生徒が余裕で入ることの出来る広さがあるが。戦闘科の二クラスが動きの確認の為に動き回っている。

そうなると広い体育館も少し手狭に感じるのは仕方がない事なのだろう。

僕らは空いているスペースへ移動し。まずは陣形を考えていく。

 

 後衛に拓哉と渚。前衛の僕と仁は愛莉のサポートをしつつ後衛の二人を守る。愛莉は持ち味である速さを活かし掻き乱すという感じだろうか。

基本戦術では愛莉が速さで翻弄しつつ僕と仁がサポートし、その間に拓哉が重力を操作し相手の動きを鈍くする。

渚は負傷した場合に備え待機か輸血パックが使えるのならそれを使うといった戦術だ。

 僕はその案を皆に教え、一度実践してみる。

相手は異能力を打ち込む為に用意された人形を使う事にした。普通の人形とは違う、これも異能力によって生み出されたもの。

攻撃はしてこないが僕達と同年代の平均速度で移動する。


 その人形相手に愛莉は持ち前の速さを活かし動く。僕と仁もそれに合わせるように前へと出てた。

訓練用の人形であっても手は抜かない、だがここで問題が起きた。それは同士討ちだ。

チーム戦を経験した事がない僕と愛莉が動いている最中にぶつかってしまう。これではお互いが邪魔をして上手く動けない。

だが僕達とは裏腹に仁は道場で何度か乱戦をした事があるらしく周りがよく見えている様子だった。

 僕と愛莉は互いの動きに意識し合わせなくちゃいけない。これが結構難しい。

合わせていると意識すると必然的に動きも阻害される。客観的に見れば僕達の動きはぎこちなくなっているだろう。

 だがそれでも一回通そうと動き続ける。だがその時、僕の体が重くなっている事に気づいた。

最初は気を使って動いているせいだと思っていたが、これは違う。拓哉の異能力が僕達にも影響を与えているのだ。


「拓哉君ストップッ、僕達の体も重くなってる」

「あ、悪い」


 拓哉はそう言うと、僕達の体の重さはすぐに無くなった。

こうして初めてのチーム戦練習は大きな課題を残し終わった……僕達のチームは大丈夫なのだろうか……。


 選抜戦チームが決まり、これからスタート。僕達の戦いはこれからだっ!

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