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死なない僕が英雄になるまで。  作者: 穂藤優卓
第一章 成長編
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第二十二話 違法薬物

 昨日、剣心さんに頼まれ仁と話しをしたが。あの後、親子で仲直り出来ただろうか……不安だ。

二人とも不器用だが、良い意味とらえると真っ直ぐだ。そのまま喧嘩になってなければいいが。

今日から剣心さんの指導も始まるらしい、その時になればう嫌でもわかるだろう。

けど僕のせいで二人の仲がこじれてたらと考えると憂鬱だ。


 僕はそんな事を考えながら朝食を済ませ学校へ行く準備をしていた。

昨日、仁と別れた後だが、僕は金剛さんの家に行っていた。勿論自分を鍛えるためである。

その時に仁が金剛さんと会いたがっていると言ったら二つ返事で了承してくれた。

どうやら剣心さんと金剛さんは面識があるらしく。仁の名前を出したらすぐに柳生家であることがわかった。

今日の帰りにでも仁を誘って一緒に金剛さんの所へ行こう。


 僕は学校に着くとそのまま教室へと向かった。昨日よりも遅めの登校で既にクラスメイトは皆教室に居た。

勿論、その中には仁も居る。僕は何故か気まずさを感じるが席は隣だ。僕は様子を伺うように隣の席へと座った。


「よお」

「おはよ、昨日はその……」


 僕は意を決して仁に昨日の事を尋ねる。

仁も僕が尋ねる事を察していたのか返事はすぐに返ってきた。


「昨日は迷惑かけてすまん、それとありがとな」

「それじゃあ仲直りが……」

「まぁ一応は出来たと思う。それと俺はもう一度刀を握ってみる、その練習に付き合ってはくれないか?」

「うんッ!喜んで」


 僕は仁の言葉を聞いてホッとした。もし拗れていたら仁との仲も悪くなってしまうと思っていた。

けど上手くやったんだろう、僕がこれ以上のお節介を焼く事もなさそうだ。

胸を撫で下ろし授業の準備を始めた。


 今日も授業が始まった、一限目は異能力全般の授業だ。

新発見された異能や、最近の事件など幅広く授業で教わる。先日の花見の時に出会った組織についても授業で話していた。

詳しい内容までは話しては居なかったが、皆注意するようにと言っていた。

今日も何の話しをするのだろうか。出来れば事件関係じゃなく普通の異能力についてなどの話をしてほしいものだ。


「授業を始める前に一つ、皆さんに話しておくことがあります。異能力を鍛えるためにはどうすればいいかわかりますか?」


 その問に一人の生徒が答える。

異能力を強くする為には熟練度を上げるしか無い。それには長い時間を要する。

もう一つの手段としてはイメージ力だ。この方法は常時発動している異能力には使える方法ではないが。僕の炎や拓哉の重力の異能力など自分の意志で発動する異能力に関してだけ使える。

だがこれも短時間での異能力の強化には難しい。


「正解ですね。しかし今巷に流れている『AED』という薬を知っていますか?」



 よく交通事故などの応急処置として使うあれと同じ名前をしているが、違うだろう

AED、僕はその単語に心当たりは無かった。他の生徒も同様でわからない様子だ。

先生は続けて、その薬が何かの説明を始める。AED、別名『Ability Enhancement Drug』直訳で能力増強薬。

注射で体内に取り入れ強制的に異能力を強化する薬物。主に海外で研究され開発されたらしく、その薬物が今日本でも出回っているらしい。

その薬物を使うと、一時的にだが爆発的に能力が強化されるらしい、だがその後の副作用が酷く最悪死に至るとの事。

主に犯罪者グループでの使用者が多い。犯罪者達にとって異能力の強化はそれほど魅力的な事なのだ。


 怖い時代になったものだ、異能力の発症で時代は変わっても薬物は消えないのだろうか。

これからもし、犯罪者と戦う事になった場合に気をつなければならない。そして誰か近しい人が使っていた場合止めなければ大変なことになるだろう。


「皆さんの中に使用する人は居ないと思いますが十分注意してください、それでは授業を始めます―――」


 それからは普通の授業があり、一限目が終わった。

一限目が終わると先生が教室から出ていく、その後を愛莉が追いかけるように出ていった。

何か授業内容でわからない事があって先生に聞きに行ったのだろう。


「優、おい聞いてるか?」

「え、ごめんごめん。何か話してた?」

「何だぼーっとして、それより聞いたかあの薬。お前使ってないよな?」

「冗談はよせよ、僕が使ってるはずないだろ」

「まぁ冗談だよ怖い顔すんな、そんくらい優の成長速度が早いってことだ」


 仁は冗談で言ったが、実際にこのクラスにも使用者が居ないという確証はない。

居ないとは思いたいが100%ではない以上、あの組織に追われているかもしれない僕は警戒する必要がある。

次から次へと問題が発生している状況に頭を悩ませる、ストレスで倒れそうだ。 


 授業は終わり午後になる。午後からは選抜戦についての話をするらしい。

僕達は昼休みも終わり皆教室に集まっている。すると月火が教室へ入ってくる。


「皆揃ってるみたいだし今日は選抜戦の組分けをしますね。最初にやった模擬戦の内容や学校生活を見て数人の先生達でグループ分けしんで、今から発表するね」


 月火は一組目から次々に発表していく、ちなみに僕はまだ呼ばれない。

誰と組むことになるのだろうか、あまり話したことがない人とは組みたくないが。新しい人との交流もそれはまた楽しそうだ。

だが欲を言えば仁と組めればやりやすい、月火さんその辺りお願いします。


「それじゃ4組目ね、伊藤君、柳生君、観月さん、山口さん、それと本田君で、それで次は―――」


 仁と同じ組になれた、それに愛莉とも一緒になれたのは嬉しい。

山口さん、下の名前は渚ちゃんで模擬戦の時に愛莉と戦った相手だ。異能力は血を操作する異能力を使用していた事はまだ記憶に新しい。

そして最後に本田拓也、彼はよくわからない。少し苦手無いタイプだが異能力に関してはクラスで一番だろう。

 もしかしたら月火が僕の組に対して何かをしたのだろうか。職権乱用は良くない僕は月火を見ると察したのか首を横に振った。

どうやら違うようで僕は安心する。それにしてもこの組は強さが偏ってないだろうか……。仁と拓哉が同じ組に居るし。

けれど敵にならなくて良かったと僕は安心した。


「優、同じ組になれたな」

「おう、一緒に頑張ろうね」


 僕と仁は改めて握手を交わした。

 親子と仲直りできてよかったですね!

それと薬物はいつになっても無くならないものっていう僕のイメージ。


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