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Eternity~銀髪の守護者ルーファス~  作者: カルダスレス


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290 イルーシヴ・ハンター ③

リヴグストとカイゼリンが襲われたことでギルドへ来たルーファス、サイード、シラーの三人でしたが、ハンターフロアに響く受付嬢の悲鳴に見ると、協会員の作業する窓口向こうのカウンター内に、見覚えのある薄青い肌をした黒鳥族の男性が倒れていました。影の一族とも呼ばれる黒鳥族は、普段徹底して姿を隠しているため、たとえ死んでも遺体すら人目に晒すことはないはずだ、と驚くルーファスでしたが…?

      【 第二百九十話 イルーシヴ・ハンター ③ 】



 黒い鳥の羽のような衣装に、薄青い肌の色。うつ伏せで顔は見えないが、体つきから倒れているのは間違いなく黒鳥族(カーグ)の男性だと思われた。

 ここは魔物駆除協会(ハンターズ・ギルド)の支店であり、働く人々には一切知られていなくても、隠形魔法か変化魔法で本来の姿を隠した彼らが仕事で来ていて不思議はなかった。


 黒鳥族(カーグ)は影の一族でありその特性から、徹底してどんな非常時にも姿を見せない対策が取られている。それなのになぜ――?


 考えられない事態に驚き俺が対処を躊躇っている内に、周囲のハンター達はその姿に気づき始めた。


「お、おい…カウンターの中に誰か倒れてるぞ。見ろよ、なんかあの人…服装とか少し妙じゃないか?」

「手足の色が青っぽく変色してる…まさか伝染病かなにかで死んで――?」


 そんな聞こえて来た会話に俺は我に返った。


 ――まずい!!黒鳥族(カーグ)の存在は公にされていないんだ、俺が事情を話すにしても今の段階で魔物駆除協会(ハンターズ・ギルド)を運営しているのが実は人間ではないと知れば、世界中でパニックが起きる…!!


『サイード、目眩ましの魔法を頼む!!あそこに倒れているのは黒鳥族(カーグ)だ!!』

「!」


 咄嗟に俺は思念伝達を使い、倒れているのが人間ではなく異種族であることに気づかれて、フロア内が大騒ぎになる()に頼んだ。


 彼女はすぐさま行動に出る。


「全員下がって!!ここは私達太陽の希望(ソル・エルピス)がギルドを手伝います!!シラー、あなたは壁際に置いてある規制用のポールロープを持って来て、この窓口周辺に立ち入り禁止の境界線を設けてください!」

「は、はい!」


 サイードは一部のハンターに特殊な病気かなにかだと勘違いされていることを利用し、すぐに封鎖措置を取ろうと思いついたようだ。

 明確な言及を避けて現場から遠ざけるように規制線を張れば、それだけで勝手にそんな憶測は飛ぶ。

 下手なデマを流されても困るが、なによりも黒鳥族(カーグ)の存在がこんな風に露見するのだけは避けねばならず、これも仕方のないことだろう。


 彼女はフロア内にいるハンターへ警戒を呼びかけつつ、軽度の目眩まし魔法『クラウディ』を使ってできるだけ視界を阻害し、シラーにも指示を出してくれた。


 その間に俺は急いでカウンター内へ入り、倒れた男性に駆け寄る。


「おい、しっかりしろ!俺の声が聞こえるか?…おい!!」


 背中を軽く叩いて声をかけてみるが反応はない。意識は完全に消失しているみたいだ。

 すぐに首元へ手を当てて脈があるかを調べ、同時に解析魔法アナライズで身体の状態を調べてみる。


 ――大丈夫だ、生きてる…でも特に倒れるような原因はこれと言って見当たらないな。どうして突然意識を失ったんだ…?


「あ、あの…その人はいったい…人間、なんでしょうか?いきなり後ろに現れて倒れ込んで来たんです。肌の色も私達とは違いますよね…?」


 傍で恐怖に震えていた受付嬢は、恐る恐る俺に尋ねてくる。このフロアにいる他の協会員達も、見慣れない姿の黒鳥族に怯えながらただ遠巻きに見てこちらの様子を窺っていた。

 彼らは全員、自分達以外の種族を見るのはこれが初めてなのだろう。だから仕方のないことなのかもしれないが、もしかしたら命に関わる病で倒れたのかもしれないのに、男性の身を案じる者が一人もいないのは残念だ。


 姿形は人族と殆ど変わりないのに…


「――心配しなくていい、この人のことは俺が責任を持つ。それよりSランク級守護者ルーファス・ラムザウアーが魔物駆除協会(ハンターズ・ギルド)緊急時特別規定に基づき、所属する全ハンターを含めた全ての協会員にこの件について如何なる内容であっても口外することを禁じる。直ちにそう全ギルドへ通達してくれ。」

「は、はい…かしこまりました…!」


 俺の指示を受け、全ての協会員はすぐさまバタバタと慌ただしく動き始めた。


 ここの支部だけでなく全ギルドへ通達を出しておけば、緊急性の高い重大案件と見做されて無闇に噂を散蒔くハンターは減るだろう。

 異種族の出現にせよ特殊な病の発症にせよ、ハンター達がどう見た場合でもそれだけの事態に該当する。


 魔物駆除協会(ハンターズ・ギルド)ではなにか不測の事態が起きた場合、Sランク級守護者と一部の高位守護者パーティーなどに緊急時における特別規定で一定の権限が与えられている。

 それはエヴァンニュの王都で起きた魔物襲撃事件のように、全ハンターが脅威に対し協力して当たらなければならないような場合に効果を発揮し、余程おかしな命令でない限りギルドに所属する全ハンターと協会員は従わなければならない。


 俺はその緊急時特別規定を利用して、黒鳥族(カーグ)の存在が広く露見しないように先に手を打つことを考えたのだ。


 ――なぜ倒れたのかは不明だが、命にすぐさま別状はないならとりあえずこの人目に付く場所から移動させるのが先だな。


「悪いが誰か手を――」

「ルーファスさん!」


 俺が人手を募ろうとしたその時、カウンターの向こうからその声は聞こえてきた。

 振り返るとそこにいたのは、つい二時間ほど前に会っていた『カラマーダ』のガシェー・ダーマーだった。

 見ると他のメンバーも一緒にいて心配そうに俺を見ている。


「その人を運ぶんですか?俺達で良かったら手伝います!」


 その申し出に驚き、俺は僅かに目を見開いた。


 皆怖がって関わり合いになるのを避けようとしているのに、助力を申し出てくれたのがカラマーダだとは…


「ありがとう、助かるよ。それじゃあ悪いがこっちに来てくれ。」

「はい!」


 ここは有り難く手を借りよう。そう思った俺はダーマー達に微笑んだ。



 カラマーダの手を借りてミーティングルームの一角へ黒鳥族の男性を運び込むと、長椅子に寝かせてからもう一度魔法を使って状態を見る。

 けれどもやはりどこにも異常は見られず、なぜ意識が戻らないのか全くわからなかった。


 治癒魔法をかけても効果はない、か…これはさすがにウルルさんに連絡した方がいいな。

 サイードが来たらそうしよう。


 意識を失って死んだように動かない黒鳥族(カーグ)の男性は三十代半ばぐらいの年令で、フェリューテラのギルドを訪れるような仕事を任せられていることからしても、こんなヘマをするようには見えない。

 もしも俺の知らない病気なんかだと心配だ。そう考えていると、後方からダーマーが話しかけて来る。


「ルーファスさんって治癒魔法も使えるんすね。」

「ん?ああ…まあな。」

太陽の希望(ソル・エルピス)の戦闘を偶然見たって守護者が、他にも火魔法や風魔法をバンバン使ってたって言ってたんすけど…いったい何属性の魔法が使えるんですか?」

「え?ああ…うーん、まあ隠しても仕様がないから言うけど、全部かな。」

「全部!?全属性ですか!?」


 驚いて声を上げたダーマーに、ルレットという名のBランク級守護者が反応する。


「ちょっと駄目よ、大きな声出さないで、ガー。病人がいるのに…!」

「す、すいません…」


 ダーマーが小さくなったと同時に入口のドアが開く。


 ガチャッ


「ルーファス、フロア内は落ち着きましたよ。一通り今可能な手続きは私の方で済ませて来ました。」

「ああ、ありがとう。」


 シラーと一緒に室内へ入ってきたサイードは開口一番にそう言って、横たわる黒鳥族の男性とカラマーダをチラリと見る。

 その彼女の目は俺が部外者であるダーマー達をなぜ帰さないのかと、訝しんでいるようだ。


「シルヴァンティス達への連絡はどうしますか?」


 俺は首を振る。


「解散してまだ一時間も経っていないからな。」

「ええ。――それで倒れた原因はわかりましたか?」

「いや、それがわからないんだよな…アナライズで詳しく調べてみたけど、特別なにか病気を患っているというわけじゃないし、どこにも異常は見られない。一応治癒魔法をかけるだけはかけてみたが、効果もなかった。」


 サイードは傍で俺達の話を聞いているカラマーダとシラーを見てから、さらに続ける。


「私も実際に会うのは初めてですが、あなたから聞いていた話だと〝彼ら〟はたとえ病などで突然命を落とすようなことがあっても、その遺体すら人目に晒さない徹底した異種族なのでしたよね?」

「ああ、そうだ。」


 カラマーダとシラーは俺達の会話を聞いてそれだけで一様に驚いている。そして我慢できなくなったのか、ダーマーは口を挟んだ。


「すいません、あの!ルーファスさん…その人が人間じゃないって知ってるんですか?今〝異種族〟って聞こえたんスけど…!!」


 ダーマーはウェンリーみたいな面があるな。それに最初はあんなにビクビクしてたのに、随分懐かれたみたいだ。


 瞬間、サイードは俺の横でダーマーに冷ややかな目を向ける。


「まだ私がルーファスと会話の途中ですよ。」

「まあまあ、サイード。彼らは倒れたこの人を運ぶのも手伝ってくれたんだ。それに異種族であるのを見ても避けなかっただけ俺にはかなり好印象だった。」

「それはわかっています。だからこそあなたもすぐに退出させなかったのでしょうから。」

「うん。好奇心からにせよ他の理由からにせよ、彼らは無闇にここで聞いたことを言いふらすような真似はしないだろう。もちろん俺がさっき特別規定による指示を出したばかりだから、違反すれば資格剥奪もありえるしな。そうだろう?」


 ニッと笑みを浮かべてそう言った俺に、ダーマー達はこくこくこく、と思いっきり頷いている。


「まあいいでしょう。――ならば彼らには事情を話しておくのですね?」

「…そうだな。」


 俺はサイードに頷き、黒鳥族(カーグ)魔物駆除協会(ハンターズ・ギルド)の真実を掻い摘まんでカラマーダとシラーには話して聞かせたのだった。


「その人は黒鳥族(カーグ)というフェリューテラの異種族で…公になっていないだけで、実はギルドマスターもその黒鳥族の族長さんがしているんですか…?」

「そうだ。彼らは『影の一族(シャドウ・フォルク)』とも呼ばれる種族で、千年も前からこの魔物駆除協会(ハンターズ・ギルド)の管理、運営を担ってきた。」


 呆然とするカラマーダの面々に俺は頷く。


「そんなにも遥か昔からですか?なのになぜ私達にその事実は知らされていないんです?」と、シラーは戸惑った顔で尋ねた。これにはサイードが答える。


「先程悲鳴を上げた受付嬢の反応を見たでしょう。黒鳥族(カーグ)は皆一様に普段から鴉のような黒羽根の衣装で活動をし、濃い紫色の髪に薄青い肌という特徴を持っているのだそうです。異種族に関しては歴史上人族に害をなしたことで有名な『魔族』や『不死族』などが知られていますが、その外見だけで一緒くたにされ、悪しき種族と見做されて忌み嫌われたことは想像に難くありませんよ。」

「た、確かに…あの青い肌には俺らもちょっとびっくりしたもんな。」

「そ、そうね…ルーファスさんが普通に触れていたから、私はああ、大丈夫なんだと思えたけれど…」


 そう話すのはカラマーダのジョニーとバーバラだ。


「――そう言うことだ。黒鳥族(カーグ)は遥か昔に迫害を受け、とある場所に隠れ住む決意をした。そんな彼らの一族が魔物から人々を守るギルドを担うことになった経緯はここで話せないが、人族の守護者とも言える善意を人知れず千年もの間続けて来たという真実がある。」

「…ならその真実は公表されるべきじゃないんスか?そうすればその人達だってまた普通に暮らすこともできるようになるんじゃ…!」

「皆が皆、ダーマーのように考えてくれれば問題はないが、残念なことに人族は自分達と異なる存在を受け入れられない者の割合が圧倒的に多い。」

「でもだからってそんな…納得できないっす!!」


 まるで自分の事のように憤りを見せるダーマーは、事実を知って少し悔しそうに見えた。


「そうだな、俺もそう思うよ。だからいつかは魔物駆除協会(ハンターズ・ギルド)の真実を公表するべきだと思っている。――でも今はまだその時期じゃない。」


 今後カオスによって混沌とした状態になるのは目に見えているのに、この時点で黒鳥族のことを公表すれば、魔物駆除協会(ハンターズ・ギルド)は今までのように運営できなくなるだろう。

 それこそ下手をすればシルヴァン達獣人族(ハーフビースト)やもっと過去の有翼人種(フェザーフォルク)、そして黒鳥族の過去のように、ただ異種族だと言うだけの理由で人との間に深刻な争いが起きかねない。

 それは即ち、ここまで築いてきた魔物対策にも大きな綻びが生じることに繋がる。これからも魔物は際限なく増えるのに、それだけは絶対に避けなければならないんだ。


「ルーファスさんは…いつこの事実を知ったんですか?」

「…俺か?」


 ダーマーの問いに返事は途切れる。


「やっぱりトップハンターになった時とか…」

「いや…違うな。――悪いがそれはノーコメントだ。」

「えー…」

「俺は黒鳥族の長…つまりギルドマスターと個人的にも親しいんだよ。もちろんギルドに所属しているハンター達でも彼に会う可能性は全くのゼロじゃない。」

「そうなんですか?」

「ああ。高位守護者になって信頼されれば仕事を依頼されることもあるだろうし、規定違反者の告発なんかに立ち会えば、資格剥奪の際には必ずギルドマスター本人からの最後通告がある。あとは自分自身が規約違反を犯して守護者の資格(ハンターライセンス)を失うようなことになれば、まあほぼ確実に会えるだろう。」

「ええ!?いや、それはごめんです!!」


 そんなやり取りで少し不謹慎だが、ミーティングルーム内の空気は若干和やかになった。

 俺は念のためウルルさんへ連絡を取ろうと思っていたが、この時はまだそれほど深刻な事態が起きているとは思っていなかった。


 ところが直後――


 ドンドンドン、と部屋の扉を強く叩く音が室内に響き、外から協会員らしき女性の声がする。


「ルーファスさん!!緊急事態です!!!」

「!?」


 透かさずサイードが扉を開けると、血相を変えた様子で女性協会員が飛び込んでくる。


「先程のご指示を全ギルドに通達したところ、ここと同じように各地のギルドでも青い肌をした異種族がギルド内で倒れていると言う事件が起きて、現在大騒ぎになっているそうなんです!!」

「え…」


 ――なんだって!?


「それはメル・ルーク国内のギルドだけの話か!?」

「違います、世界各国の魔物駆除協会(ハンターズ・ギルド)で、です!!続々と緊急連絡が来ていて階下は再び混乱状態で――」

「!!!」


 世界各国のギルドで?つまりここのように、黒鳥族が突然倒れて人前に姿を見せている…そう言うことか?


「ルーファスの指示による緊急通達は出しましたか!?」

「は、はい、既に全ギルドへ出しました!!」


 世界各地のギルドで同様の事態が起きていると言うことは、ここで倒れて意識を失っている黒鳥族のように、個々の持病などが原因なわけじゃない…

 身体にはどこにも異常がなく、隠形魔法も変化魔法も解除されて同時に意識を失ったのだとするのなら…考えられるその原因はただ一つだ。


「まさか…」


 ――ウルル=カンザス!!!!


「大変だ、サイード…黒鳥族(カーグ)の長『ウルル=カンザス』の身になにかあったんだ!!俺はこれからすぐノクス=アステールへ行ってくる!!」

「待ちなさい、ルーファス!ならば私も行きます、あなた一人では手が足りないかもしれません!!」

「いや、サイードは俺の代わりにSランク級守護者と太陽の希望(ソル・エルピス)の権限を全て使い、各地のギルドへ倒れた黒鳥族(カーグ)を保護するように命じてくれ!!それとシルヴァン達には居残り組以外ギルドへ来るように緊急招集をかけて、俺が戻るまでの間ここの対処を手伝わせるんだ!!」

「ルーファス様、私はどうすれば!?」

「シラーは俺と一緒に来てくれ!」

「はい!!」

「頼んだぞ、サイード!なにかわかったらすぐに連絡する!!」

「わかりました、気をつけて行くのですよ…!!」


 俺はその場で『黒鳥族(カーグ)の戻り羽根』を使い、シラーを連れて急遽ノクス=アステールへ転移したのだった。




 ――同時刻。


 リヴグストを傷つけた正体不明の〝人間の男〟に『攫われた』カイゼリンは、モナルカより遠く離れたとある場所へ来ていた。


「おら、お嬢様の望み通り連れて来てやったぞ。」


 男はサガリスを背負い、若干不機嫌な声で偉そうに言うと、カイゼリンの背中をトン、と急かすように小突いた。


「ったく…この俺様を足代わりに使うとは、ふてえ女だぜ。」


 そこは温暖なメル・ルーク王国と異なり、肌寒く冷たい風の吹く酷く寂れた印象の貧しい村だった。


 カイゼリンはぶるるっと身を震わせてぐるりと辺りを見回す。


 «ここは…農村、なのかな。…随分寂れている…»


 まるで山賊か野盗に襲撃された直後なのかと思うほど荒れ果ててボロボロの家々が並び、それなりの広さのある畑には殆ど枯れている作物らしき植物が植えられている。

 入口から奥へ伸びる通りには放棄されて壊れた商店がいくつもあり、道端にしゃがみ込んで生気なくぼうっとただ地面を見つめている子供もいた。

 まだ昼間だと言うのに大人達の姿は疎らで、村人らしき住人は老若男女問わず皆、一様に痩せてボロ布を纏っている。


 カイゼリンはその光景を見て、ここは本当に現代のフェリューテラなのか、と愕然とした。


 «魔物に襲われた直後の村でもこんな状態は滅多に見ないぞ…まるで国に打ち捨てられた廃村みたいな状態ではないか。

 ギルドの支部さえあれば、なんらかの支援も受けられるだろうに…»


 そう思い彼女はハッと気づく。


 «そうか…そう言えばこの国に魔物駆除協会(ハンターズ・ギルド)はないんだった。»


「その女性は本当にこんなところに住んでいるのか?」

「ハッ、(ひで)え言い草だな…それを()()()言うか。同情するならこの悲惨な状況から救ってやっちゃあどうだ?それが可能だってことは、俺様の話を聞いてもうわかっただろう。」

「そ、それは…」


 男の言葉に顔を顰めて押し黙ると、カイゼリンはなんらかの理由からその瞳に罪悪感を滲ませる。


「まあいい、ついて来い。」


 男はカイゼリンを促して、舗装されていない所々に枯れた雑草の生えている砂利土の道を歩き出す。


「一つ教えておいてやるが…ここ『ゲラルド』ってのは、どこの街や村へ行っても全部こんな感じだぞ。」

「…え?」


 どうやら男とカイゼリンは今、フェリューテラ北部にあるゲラルド王国に来ているようだ。

 攫われたはずの彼女には危害を加えられた様子はなく、馴れ合っているようには見えないものの随分と落ち着いて見える。


 その上で彼女は男に対し、少し驚いたように顔を上げると、男の方は不快感を示すように舌打ちをしながら続けた。


「チッ…相変わらず人も景色も変化のねえ不毛な国だぜ。中心である王都でさえ、滅びねえ程度のラインで物資に困窮した状態だ。ここは下手すると永遠にこのまんまだろうな。」

「な…そんな状態なのにこの国は二十年以上も、あのエヴァンニュ王国とミレトスラハで戦争をしているのか?いったい王族はなにを考えているんだ、民を救い国を立て直す方が先だろう。」

「ふん…そいつは無理だ。なぜならこの国の王族はな、先祖同様ある意味()()()()()〝人間らしい〟奴らなんだよ。」


 嘲笑するように男は鼻で笑う。


「そもそもここいら一帯がこんなことになったのは、先祖の犯した大きな罪が原因だ。このフェリューテラってのは、目には見えない精霊族(ガイストゲノス)の存在なくしてまともに自然は維持できねえ世界なんだが、そのことが原因でここの大地には一切の恩恵を与えねえとそっぽ向かれてんだからな。」

精霊族(ガイストゲノス)が…?話には聞くが、それほど重要な存在だったとは知らなかった。」

「大事なことだぞ、知っとけ。」


 呆れ顔をされカイゼリンはコホン、と咳払いをする。


「…それで?」

「つまりこの状況を脱するには、先祖の犯した大罪を忘れずにきちんと償って精霊に戻って来て貰やいいだけなんだが、解決する手がかりとしてそういう文献が残されてても見やしねえし、過去の行いを悔いるどころか子孫である自分達には関係ねえと一笑に付してやがる。――民も同じさ。」

「?…民もなのか?」

「おうよ。他国は精霊族(ガイストゲノス)の恩恵を受けて豊かになり、悪神のいないこの千年の間に繁栄して魔物に苦しめられながらも比較的幸福に生きている。それなのになぜ自分達だけがこうなのか、って他所の国を羨み妬み憎んでは、他人の不幸を願いながら神々に自分達以外はみんな滅んでしまえと祈りを捧げている…ここの人間はそんな連中だ。」

「そんな…だがいくらなんでも、そんな人間ばかりのはずはないだろう?少しでも国を良くしようと考え、中には努力する者だっているはずだ。」

「ああ、いたぞ。そういう真人間は罪を許され、この国から〝外〟へ出て行くことが可能になる。自分の意思で国に残るか、生まれを捨てて他所で幸せに生きるかを自然と決められるようになるんだ。」


 男の話にカイゼリンは首を傾げた。


「それは…どういう意味だ?――まさか先祖の犯した罪の所為で、この国の民は自国に縛りつけられてでもいると言うのか?」

「そういうこった。誰一人としてその自覚はねえんだが、永きに渡りゲラルド王国にかけられているのは、そういう類いの『まじない』なのさ。」

「まじない?ハ、それはもう『呪い』だろう。」

「いいや、呪いってのは相手を害そうという悪意から施すもんだが、こいつは違う。絶望と悲しみの中でそれでも〝赦す〟ことを目的とした、人間への最後の希望だった。――このまじないを施したのは、そういう〝お人好し〟な奴なんだよ。」

「……まるでその呪術者を知り合いかなにかのように言うんだな。」

「ふん。」


 男は苦笑いを浮かべるもカイゼリンに返事はしなかった。


 その後は暫く無言で歩き、奥に見える大きな農場(これも酷く寂れている)近くで男は足を止めた。


「お前が一目会いたいと言った女がいるのはここだ。待っててやるからさっさと行ってこい。」

「ここに〝彼女〟が…」


 カイゼリンは少しの間なにか怖れるように躊躇するも、意を決したように一人頷いて入口に向かい歩き出すのだった。




 再びルーファス――


 『黒鳥族(カーグ)の戻り羽根』を使い、シラーと共にノクス=アステールへ飛んで来たルーファスは、いつものようにそこへ辿り着いた瞬間にその光景を見て戦慄した。

 普段は姿を隠していて殆ど見かけることのない黒鳥族(カーグ)の人々が、老若男女関係なく至るところに意識を失って倒れていたからだ。


 ルーファスは真っ先に目の前に倒れている子供へ駆け寄り、抱き起こして身体の状態と脈に触れ生死を確かめる。

 まだ幼い子供もその隣で倒れている母親らしき女性も、まだ年若い男性もお婆さんお爺さんも、全員意識を失っているだけで命の別状はなかった。

 ルーファスはすぐに立ち上がり、シラーを伴ってウルル=カンザスの屋敷へ走って行く。



「ウルル=カンザスッッ!!!ウルルさん、どこだ!?」


 何度か訪れたことのあるウルル=カンザスの屋敷へ駆け込むと、そこにもやはり黒鳥族の男女が複数意識を失って倒れていた。

 シラーは初めて訪れた場所で目にする異種族に今起きている異変を知って慄き、俺と一緒に来たことを後悔しているようにさえ見えた。


 それでもシラーを連れて来たのは、緊急事態が起きて俺がこちらに集中してしまうと、カイゼリンを後回しにされるのではないかと勘ぐり、単独行動をしかねないからだ。

 シラーには悪いが、俺が介入者である運命神フェイトを見つけ出し、変えられた事象を元に戻して貰うまでは、どうあっても生きていて貰わなければならない。

 もし万が一元に戻す前にシラーが命を落とせば、後々までどんな影響が出るかわからなかった。


 カステン家のマイル君やお母さん、クレンドール・アバローナは〝生きて〟戻る方だからいい。

 シラーは本来なら既にこの世にはおらず、命を落とした後の出来事は全て本来は決してあり得ないはずのものだった。

 けれどそのことを俺がシラー本人に言えるわけがない。当然、何も覚えていないカイゼリンにも同様だ。


「ル、ルーファス様…ここはいったいどこなのですか?この方々はなぜこんな…」

「シラー、ここはフェリューテラと繋がりのある異空間で、『ノクス=アステール』という名の常夜の国だ。その入口は現在のフェリューテラにも何カ所かあり、黒鳥族は必要な時にのみこちらと行き来をしてギルドの仕事に携わっている。」

「…先程モナルカのギルド支部で伺ったお話のことですね。」

「そうだ。色々と疑問に思うことはあるだろうし、こんな事態に困惑して恐ろしく思うこともあるだろう。落ち着いたら話す時間を設けるから、今は気をしっかり持って俺の指示に従ってくれ。」

「はい…かしこまりました。」


 カイゼリンのことを心配している彼女は、なにか言いたげにしながらも頷く。


「――それにしても先程の男性と言い、皆様ただ気を失っているだけで命に別状はないのですよね?」

「ああ、そのはずだ。黒鳥族(カーグ)という種族はある特性を持っていて、その族長である長の命と一族全員の命が繋がっているような状態にあるんだ。」

「え…?」


 俺は普段ウルルさんのいる執務室へ屋敷内を足早に向かいながら、シラーに黒鳥族の特徴を話した。


「つまり簡単に言うと、彼らの頂点にいる長がなんらかの理由で命を落とせば、一瞬で一族全員が同時に死に絶えてしまう…そういう特徴を持っているんだよ。」

「!…で、ではまさかこの方々の状態は…その族長さんの身に異変が起きた所為だと?」

「俺の推測だけどな。でなければ決してこんな事態にはならないはずだ。」

「それでここにいらしたんですね…」


 シラーは俺の話に納得した様子だ。


黒鳥族(カーグ)の長であり魔物駆除協会(ハンターズ・ギルド)のギルドマスターでもある俺の友人はとても慎重で注意深く、一族全員の命を背負っていることから絶対に安全だと言い切れる場合でない限り、ノクス=アステールから滅多に外へは出ない。そしてこの場所を知る者も極限られているから、彼の身に異変が起きることはまずないと思うんだけど…」


 ――ウルル=カンザスの命に関して、一族全員と共有しているのは確かだ。だが生死はともかく、それ以外でこんな風に影響が出ることもあるとは知らなかった。

 魂は繋がっているからまだわかるが、肉体は個々に分かれていて誰か一人が怪我をしたり病気になっても、それが全員に伝染するなどあり得ない。


 なんにせよ、一刻も早くウルルさんを見つけないと…もしも彼が命を落としたら、黒鳥族は全滅だ…!!


 俺は屋敷の階段を駆け上がり、応接間や会議室の前を通り過ぎて真っ直ぐ執務室の前へ行くと、そのまま勢いよく引き戸を開けた。


 ガラララッ


「ウルル=カンザス!!!」


 すると七メートル四方の室内に二つ置かれた机の前で、臣下のモモス=ノイガンと一緒に重なるようにして倒れているウルルさんを見つけた。


「シラーは念のためにそこのモモス=ノイガンの脈を調べてくれ!!!」

「はい!」


 俺はウルルさんを抱き起こして、すぐさま状態を調べるも血の気が引いて愕然となった。


「な…」


 嘘だろう…息をしていない!!


「ウルル=カンザスッ!!!…しっかりしろ、ウルルさん!!!」


 いったいなにがあったのか…ウルルさんの呼吸は止まり脈拍は低下して、その身体は氷のように冷たく体温までかなり下がっている。

 幸いにして心臓はゆっくりとでも動いていたが、この状態は瀕死に等しく言わば彼は『仮死状態』になっていたのだ。


 ウルルさんが仮死状態になったから、一族全員突然意識を失って倒れたのか。それで隠形魔法まで解けるのはよくわからないが、とにかくウルルさんを治療すれば他の人もすぐに意識は戻るだろう。


「モモ…なんとかさんは他の方と同じ状態で生きています。その方が族長さんですか?もちろん生きていらっしゃるんですよね?」

「心臓は動いているが、仮死状態だ。――どうしてだ…なぜ突然こんなことになった?彼とはつい二、三時間前に共鳴石で話をしたばかりなんだ!その時は特に変わった様子もなかったのに…っ」


 いくらなんでもこんなのはあり得ない…!!


「いや、余計なことを考えている暇はないな…シラー、俺は今から魔法に専念するから、君はサイードやシルヴァン達へ連絡を頼む。特にシルヴァンにはここへ来られるようならすぐに来いと伝えてくれ。あいつはウルルさんと最も親しい友人同士なんだ。」

「わかりました。」


 シラーは頷いてすぐに動き出す。


「ウルルさん…今助けるから、なんとか頑張ってくれ…!!」


 絶対に死なせない…なんとしても黒鳥族ごと助ける!!!




 <ウェンリー、プロートン、テルツォ、リヴグスト>


「――なあ、シルヴァン達まだ戻って来ねえか?テルツォ。」


 リヴグストが休んでいる寝室の扉から顔を出し、リビングにいるテルツォにウェンリーは尋ねる。

 テルツォは退屈そうに椅子の上で膝を折り曲げて、わざと身体を斜めに傾けるバランス遊びをしていた。


「うん、まだみたい…いくらなんでもちょっと遅いよね?プロ姉。」


 プロートンは読んでいた本の頁を捲る手を止めて、壁掛け時計を見上げる。


「ええ…そうね。」


 プロートンとテルツォは眉を顰めた。


「っかしいなぁ…すぐ戻るって言ってたのに、気が変わったんなら連絡して来るはずだしどうしたんだろ。」

「…お二人がリヴグスト様に話を聞かれるまで、ルーファス様へのご連絡は待つように仰ってらしたんですよね?」

「ん…あんま遅えとルーファス達も戻って来ちまうだろ?シルヴァンはアルソスの森入口にいるっつってたから、もう疾っくに戻って来ててもいい頃だよな。」

「そうですね。」


 プロートンは頷く。


 直後中途半端に開いた扉の間に立つウェンリーの背後から、意識の戻ったリヴグストの声が聞こえて来る。


「ウェンリー、シルに連絡してみたが…やはり繋がらぬ。イスマイルの共鳴石も同じぞ。」

「え…」

「なんだか胸騒ぎがしよる…なにかあったのではなかろうか?」


 寝台に横たわったままリヴグストは、共鳴石を手に不安げな表情を浮かべた。


「リヴ…けどさ、ルーファスはそれを心配してシルヴァンとマイルを組ませたんだぜ?」

「うむ、それは聞いたが…」


 その時宿の廊下をバタバタと誰かが走ってくる足音が聞こえて来た。


「あ、戻って来たかな?」


 ウェンリーは顔を上げて入口の扉へ注目する。


「――ううん、これはシルヴァンティス様の足音じゃないよ…デウテロンのだよ、ウェンリー。」

「へ?」


 ガチャッ


 テルツォのその台詞とほぼ同時に扉は開き、デウテロンが少し息を切らせて飛び込んで来た。


「ウェンリー、プロートン、テルツォ…!シルヴァンティス様とイスマイル様から、こっちへなんか連絡入ってねえか!?」

「デウテロン?共鳴石に連絡してくれりゃあいいのに、なんでわざわざ走って来たんだよ。」

「ちょうどゲデ君と目の前の通りにいたんだって。それよりサイード様から外出組にだけギルドへ緊急招集がかかったんだけど、シルヴァンティス様達に連絡が取れねえんだ、どうなんだよ?」

「あー、それが暫く前に話してこっちに戻って来て貰うことになってたんだけど、もう結構経ってんのにまだ戻って来ねえんだよな。今ちょうど遅えって話してたとこ。」

「!」

「ねえ…緊急招集ってなにがあったの?サイード様からって言ったけど、ルー様は?」


 テルツォは椅子から降りてトトトッとデウテロンに近付く。


「俺もまだ詳しく聞いてねえからわからねえが、ギルドでなんかあったらしいぜ。ゲデ君によるとルーファス様は急遽シラーさんだけを連れてノクス=アステールに行ったそうだし、人手がいるからできるだけ早くシルヴァンティス様達と合流して来てくれって言われてさ。」

「――そんでゲデは?」

「ゲデ君は下でお二人に連絡を試みてる。俺もすぐ戻らねえと――」


 ガタンッ


 そこへ寝台を抜け出したリヴグストが、ふらつく身体で扉枠に掴まりながら歩いて来る。


「ルーファスがノクス=アステールへ?デウテロン、シル達は…」

「え…リヴグスト様!?意識が戻られてたんですか!?」

「いけません、リヴグスト様!!」


 デウテロンにプロートンは、これまで見たことのない弱々しい姿のリヴグストに驚く。

 そしてリヴの守りを任されているウェンリーは、即座に大きな声を上げた。


「リヴ、なにしてんだよ!!大量に出血したせいで貧血なんだから、暫くは安静にしてろって言っただろ!?まだ起き上がんなって!!!」


 そのまま駆け寄り急いで身体を支えるも、リヴグストは眩暈を起こしてへなへなと頽れそうになる。


「ほら見ろ、言わんこっちゃない!!悪い、手ぇ貸せデウテロン!!」

「うす!!」


 ウェンリーとデウテロンの二人に挟まれるようにして肩を借りると、リヴグストは寝台へ逆戻りした。


 身体は重く酷い眩暈に視界は揺れ、動きたくても動けないことを悟ったリヴグストは、甲斐甲斐しく自分に毛布をかけるウェンリーを見る。


「ウェンリー…」

「ん?」

「ウェンリー、すまぬ…あまりの情けなさに己を恥じ、つまらぬプライドが先に立って連絡を遅らせてしもうたが…最早そのようなことを言っている場合ではなさそうぞ。」


 貧血から青い顔をしたリヴグストは、横になりながらウェンリーの手を掴んで申し訳なさそうに続けた。


「ルーファスにすぐ連絡を…守護七聖でありながら予が敗北を喫した相手は、極めて普通の人間にしか見えぬ屈強な男であった。恐らくはなんらかの高位技能を複数所持しておると見られ、一切の魔法を用いずに全ての攻撃を予測して完全に回避していた、と…そう伝えて欲しい。」

「!!」


 «マジかよ、リヴを襲ったのって…ただの人間だったのか!?»


 ウェンリーは驚いたものの、できるだけ顔に出さないよう努める。


「予の君ならばともかく、あの男相手にはシルでも苦戦するやもしれぬ。」


 リヴグストの言葉に、ウェンリーの後ろで話を聞いていた三姉弟妹は息を呑む。


「予は近頃色恋に浮かれ過ぎておった。そして相手をただの人間と侮り、慢心から撤退の機を逃した挙げ句にカイゼリンを攫われてしもうたが…途中でそのことに気づき、どれほど予の持てる攻撃を駆使しても彼奴(あやつ)には掠り傷一つ負わせることすらできなんだ。…太陽の希望(ソル・エルピス)と守護七聖の名に泥を塗り誠に申し訳ありませぬ、そう謝罪していたと…」

「…了解、伝えとく。」

「シルとイスマイルにも――」

「わかったって、いいからもうちょい寝てろ。今夜一晩ゆっくり休めば明日には起き上がれるだろうってルーファスも言ってたからさ。…な?」

「………」


 リヴグストはすっかり気落ちした顔で頷いた。言われるまま目を閉じるその顔を見て安心し、ウェンリーはデウテロンを促して寝室を出る。


「(…まさか人間にやられたなんて…)」

「(俺も驚いたすよ。)」


 扉を閉め、リヴグストに聞こえないようウェンリーとデウテロンは小声でヒソヒソと話し出す。

 傍に立つプロートンとテルツォも一緒に、四人とも信じられない、という顔をしていた。


「ルーファスに連絡しねえと。」

「ゲデ君には俺から言っとく。場合によっちゃ遅くまで戻れねえかもだから、ウェンリーとプロートン達も気をつけろよ。」


 共鳴石を取り出したウェンリーにそう言うと、デウテロンはまた足早に部屋を出て行ったのだった。





次回、仕上がり次第アップします。

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