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憑依転生した先はクソ生意気な安倍晴明の子孫  作者: 文月朔夜
第三章 水仙家

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誤魔化し方

 うわぁ、目が腫れてるぅ。少しヒリヒリするし、どうやって言い訳しようかな。

 紅音とか絶対に怒るよねぇ。何かいい感じの言い訳を考えないと。


 袖の中にあった魔鏡を片手に身だしなみを整えていると、目元に視線がいってしまった。


「どうした優夏、朝ご飯を食べに行くぞ?」

「う、うん……」

「目元が少し赤いな。巫女から濡らしたタオルでも借りるか」


 あぁ、琴平の手が冷たくて気持ちいい。

 昨日は温かかったけど、今日は冷たい。


 いや、俺の目元に熱がこもっているから、冷たく感じるのか。


「これ、どうやって言い訳しよう」

「言い訳か、特に必要はないと思うが」

「絶対に駄目」

「ふっ、そうか」


 面白がってないで一緒に言い訳を考えてよ。

 何、口を押さえて笑ってるの。恥ずかしいからやめて。


『ふざけてないで早く行くよ』

「あ、おはよう闇命君。夜はしっかり眠れた?」

『心配不要』


 だろうね、心配しなくても問題はないよね。でも、やっぱり闇命君も不安がないわけじゃないと思うんだよなぁ。だって、俺よりまだ小さいし。しっかりしていると言っても、心の奥にある不安や寂しさまでは消せない。


 昨日、俺も実感したからなぁ。琴平の温かさに負けてしまった。

 本当に不安なのは琴平なんだから、俺がしっかりしないと。


「それじゃ、朝ご飯を食べに行こうか」

「あぁ」

『ふん』


 紅音と夏楓は起き――ているに決まっているな。そういえば今は何時なんだろう。安倍家にいた時より遅い起床な気がする。


 外が明るいし、鳥の鳴き声も聞こえる。

 巫女として働いていた二人だ、早起きはお手の物だろう。


「今日のご飯は何だろうなぁ」

『食い意地だけはいっちょ前だね』

「うるさいよ、お腹空いてるんだから仕方ないでしょ。そう言うなら闇命君にはご飯あげないよ?」

「それを俺が許すと思うか?」

「申し訳ございませんでした」


 琴平は変わらず琴平だということを再確認できた会話だった。


 ※


 朝ご飯を食べて、部屋で一息。昨日まで怒涛の日々を過ごしていたから、この時間を大事にしないと。なんとなく気持ちが焦っている感じはあるけど……。


「今日はどうしますか、闇命様」

『そうだね。村をもう一度見て回りたいから、外に行こうか。琴平は絶対に僕から離れないで』

「…………はい」


 声ちっさい。心配してくれるのは嬉しいが、ここまで心配させてしまっている自分が情けない、って感じか? 琴平なら考えそうだよね。


「私達も同行しますか?」

『そうだね……。夏楓を一人にするのも危ないし、一緒に行動した方が確実かな』

「? 一人で行動とは?」

『いや、同時進行で夏楓には昨日に引き続き七人ミサキについて調べてもらおうかなって思って。僕も調べたいけど、村も気になる。でも、さすがに一人は危険かなってね』

「それなら大丈夫ですよ。私、一人でも調べてみます」

『大丈夫なの? 何が起きるか、今の状況だと分からないよ?』

「大丈夫です。私は紅音さんや琴平さんほどの対応力はありませんが、何かあれば必ず式神を飛ばします。なので、私にできることでしたら何でもお申し付けください」

『それなら、魔魅。夏楓と一緒に昨日の調書室に行って、調べ物をお願いできる?』

「え、なんで魔魅ちゃん?」


 元陰陽頭だとしても、今は普通の女の子だよ? 

 さすがに危険でしょ。何かあった時、どうやって対処するの?


『魔魅は確かに呪いは使えなくなったけど、陰陽術はさすがに使えるでしょ。結界とか式神とか。楓夏はそこらへんがまだ一人では難しいから、魔魅でもいた方がいいと思うよ』

「言い方よ……」


 あ、魔魅ちゃんが不安そうに俺を見上げてくる。でも、今の話を聞くと、確かに楓夏一人だと少し不安が残る。


 魔魅ちゃんにお願いできたら助かるけど、それはそれで心配だなぁ。大丈夫かな。陰陽寮の中でも、昨日の少女が襲ってくる可能性はあるよね……。


「…………紅音も一緒とかは――ごめんなさい」


 やっべ、紅音が泣き出しそうな顔をしてしまった。

 少しでも琴平と一緒にいたいんだな。不安だよなぁ、いつ予言のようになるか分からないし。


 仕方ないか……。


「魔魅ちゃん、魔魅ちゃんの力を貸してほしいなぁ。お姉さんと一緒に調書室に来てもらってもいいかな」


 お、目線を合わせて、夏楓が魔魅ちゃんに手を伸ばして安心させようとしている。慣れてるなぁ、さすが夏楓。


「…………」

「ん? 大丈夫だよ魔魅ちゃん。夏楓お姉ちゃんはすごく優しい人だから、一緒に行っておいで」

「……………………」


 あ、俺から離れて夏楓の右手を握った。

 まだ少し俺の方を不安そうに見ているけど、多分夏楓だし大丈夫だろう。


「では、私達は先に行ってきますね」

『分かった。多分南京錠が掛けられているはずだから、まずは弥来に会ってね』

「分かりました。では、行ってきます」


 魔魅ちゃんを連れて行った夏楓。優しく笑いかけながら部屋を出ていったし、やっぱり問題はなさそう。あとは魔魅ちゃんが慣れてくれるのを待つしかないな。


『それじゃ、僕達は村を見に行こうか』

「そうですね、行きましょう」


 んで、当たり前のように俺の肩で寛ぎ始める闇命君。鼠姿に戻るのが早すぎる。慣れってすごいなぁ。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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