煌家
「宛とはなんですか?」
「漆家と繋がりのある陰陽寮がある! そこは! 安倍家より関わりが深いため、我々について知っている!! そちらに頼む方が利口的だろう!!!」
「え、それはどの陰陽寮?」
まさか、そんな陰陽寮があるなんて。これは、少々難しくなりそうだな……。
「煌家だ!!」
「輝け?」
『もう黙ってて』
「む? 気配が一人ではないと思っていたが、まさかそこにいたのだな!!!」
『…………………………どうも』
「よろしく頼むぞ少年!! 今は訳アリのように見える!! 詳しくは聞かない! そこは安心してくれて構わんぞ!!」
『…………はぁ……』
わ、わぁ。闇命君、鼠姿でもわかるほど今の会話だけでめっちゃげっそりしてる……。
いや、確かに苦手なタイプだろうな。俺でもこの人と話しをするのは疲れるし。常識人っぽいんだけど、もう少し勢いを抑えてくれると助かるんだよなぁ。
「それでは少年! 今声を出したという事は何か言いたい事があると思える!! 言ってみるが良い!!」
『…………煌家とは少しだけ関わった事がある。確か、呪いを絶対に使わない陰陽寮のはずだけど、なんでそこと関わりがあるの? 対立していてもおかしくないと思うんだけど』
「そういう事か!! 確かに煌家は呪いを忌み嫌い、何があっても使おうとはしない!! その理由は、先祖にあるらしい!!」
闇命君が半透明になり、詳しく聞いてくれたのはいいんだけど。
また、先祖か。代々受け継いでいるのはすごい事だけど、それのせいで今の子孫達が振り回されているこの状況には、納得出来ないよな。
『先祖は仲が良かったってこと?』
「そうだ!! 今も特別仲が良い訳では無いが、悪くもない!!! お互い困れば協力し合える、そんな関係性を繋ぎ止めている!!」
『遠く離さず近づかせずの間柄ね。めんどくさくない?』
「そんな事は無い!! 我々も助けて貰っている側だ!! なら! 恩を返すのもこちらのやるべき事!! 最後まで責務を果たす必要がある!!!」
『なるほどね。あんたが陰陽頭になればいいのに』
「評価してくれた事には感謝する!! だが!! 我には陰陽頭になるための力がない! なりたいとも思わん!!」
『~~~~~~~もう少し声を落として!! 耳が痛いんだよ!!』
「それはすまない!!!」
『……………………もういい……』
闇命君が負けた、すごいなこの人。なんで闇命君が疲れているのかすら分かってない。もう、さすがだよ。
「えっと……。その煌家? に、俺達も会う事は出来ますか?」
「煌家の者が了承すれば問題ないだろう! これから手紙を出す予定だ! 君達についても話しておこう!!!」
「あ、ありがとうございます」
よしっ! 目的が少し異なってしまったが、新たな陰陽寮との接触機会を得る事が出来たかもしれない、一歩前進だ。
「煌家から連絡があり次第、君達に伝えよう!! これから我は仕事に戻る!!」
「あ、色々ありがとうございます」
「構わん!!!」
声が大きい以外は良い人なんだなぁ。今日はこれで終わって、安倍家に戻ろう。紫苑さんに事の顛末を話し、今後の予定を考えるとしようか。
☆
馬車で安倍家へと戻り、紫苑さんと話そうと思ったんだけど。もう夜だし、時間的に真矢。月が綺麗に輝いているなぁ。
今日は話より体を休ませる事にしよう。久しぶりの安倍家な気がして、少し安心するなぁ。
環境的には全然安心出来ないけど。
「これからワシは、陰陽頭に話をしてくる。勝手な行動を起こすなよ」
「それは約束出来ませんが、その言葉は頭の中に入れておきます」
「言うようになったな。それは闇命の言葉か?」
「え、やめてください。闇命君みたいな話し方はしていないはずです」
『どういうこと?』
「なんでもありません……」
琴平と紅音からの視線も痛いんで、ひとまずここで解散しよう。
明日からは、今までより忙しくなるだろうし、体力とか残しておかないと。
漆家と安倍家は結構遠いから移動だけで疲れるしね。
「闇命君、大丈夫?」
『あんたこそ』
「まぁ、何とか……」
『僕もそんな感じ』
「だよね……」
二人とも大きなため息を吐き出し、部屋へと戻った。
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