表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憑依転生した先はクソ生意気な安倍晴明の子孫  作者: 桜桃
第三章 水仙家

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/145

 闇命君の言った通り、漆家の陰陽允(おんようのじょう)のもとへ向かう。

 やはり陰陽頭が倒れた影響か、周囲は慌ただしく動き回っている。

 この混乱も早く収めないと、村にまで広がりかねない。


 これから会う相手が、せめて話の通じる人だといいのだが。

 今までが濃すぎたせいで、正直少し怖い。


 歩いていると、一つの部屋の前に辿り着いた。


「す、すいません! 安倍家の安倍闇命です。陰陽允様はいらっしゃいますか?」

「いるぞ!! どうぞーー!!」

「あ、はい」


 倍の音量で返ってきた。

 ……入るの、ちょっと怖いな。


 おそるおそる襖を開ける。

 中は意外にも普通の和室だった。散らかってもいない。


 良かった。紫苑さんタイプではない。


 中へ入ると、部屋の中央に男が座っていた。

 座布団の上で正座し、腕を組み、凛々しい笑みでこちらを見ている。


「君が安倍闇命だな!!」

「う、声が大きい……。はい、そうですが……。あなたが陰陽允で間違いありませんか?」

「うむ!! 我が漆家の陰陽允だ!! 名は岱平寿成(たいへいかずなり)!! よろしく頼むぞ!!」


 ――苦手なタイプだ。


 赤い短髪に紅の瞳。着物はオレンジ、羽織は黄色。

 そして何より、声がでかい。


「えっと……もう少し声を抑えてもらえると助かるのですが」

「そうか!! ではこのくらいでどうだ!!」

「……あ、はい」


 変わってない。

 もういいや。


「それで!! 何の用だ!!」

「あ、はい。まず、現在の状況は把握されていますか?」

「うむ!! 陰陽頭・魔魅様が倒れ、さらに件が式神にされたことで村も不安定になっている!! 違うか!!」

「その通りです!!」


 つられて声が大きくなる。

 ……この人、普通に有能だな。


「ではまず魔魅様の回復を最優先とする!! その上で、陰陽寮と村の今後を考える!! どうだ!!」

「ぜひ、それでお願いします」


 声はでかいが、判断は的確だ。


「ちなみにですが、陰陽頭を継ぐお考えは?」

「無理だ!!」


 即答。


「我には今の立場が最適だ!! 上に立つつもりはない!!」


 なるほど。

 上を望まないタイプか。


「でしたら、安定するまで安倍家が管理し、陰陽頭は貴方が選定する形では?」

「後半は問題ない!! だが管理を任せる件は即決できん!!」


 ……そこ拒否されると困る。


「現状を把握しているのは我々です。すぐ動けますし、最適だと思いますが」

「確かに迅速ではある!! だが、君たちに頼まなくても宛はある!! 任せるのではなく、見守るだけでいい!! こちらはこちらで動く!!」


 ……あまり任せる気はないらしい。

 これ以上押すと、取り込む気だと疑われるか。


 なら――まずは宛を聞くか。


「宛とはなんですか?」

「漆家と繋がりのある陰陽寮がある!! 安倍家より関わりが深く、我々の事もよく知っている!! そこに頼む方が利口だろう!!」

「え、それはどの陰陽寮?」


 そんな陰陽寮があるのか。

 少し面倒になりそうだ。


煌家(かがやけ)だ!!」

「輝け?」

『もう黙ってて』

「む? 一人ではないと思っていたが、そこにいたのか!!」

『……どうも』

「よろしく頼むぞ少年!! 事情があるようだが詮索はせん! 安心してくれ!!」

『……はぁ……』


 闇命君、完全にぐったりしている。

 鼠姿でも分かるレベルだ。


 確かに、この人は疲れる。


「それでは少年!! 何か言いたい事があるのだろう!! 言ってみよ!!」

『……煌家とは少し関わった事がある。確か、呪いを使わない陰陽寮だったはず。なのに、どうして関わりがあるの?』

「良い質問だ!! 煌家は呪いを忌み嫌う!! だが、我々の関係の良さは先祖にある!!」


 また先祖か。


『先祖同士が仲良かったってこと?』

「その通り!! 今も特別親しい訳ではないが、悪くもない!! 困れば助け合う関係だ!!」

『距離感めんどくさくない?』

「そんな事はない!! 恩を受けたなら返す!! それが責務だ!!」

『……あんた、陰陽頭向いてると思うけど』

「評価には感謝する!! だが断る!!」

『~~~声落として!! 耳が痛い!!』

「すまない!!」

『……もういい……』


 闇命君が折れた。


 強いなこの人。


「えっと……その煌家に、俺達も会えますか?」

「向こうが了承すれば問題ない!! これから手紙を出す!! 君達の事も伝えておこう!!」

「あ、ありがとうございます」


 よし。

 少し予定は変わったが、新しい接点は得られた。


「返事が来たら知らせる!! では我は仕事に戻る!!」

「ありがとうございました」

「構わん!!」


 声以外は本当にいい人なんだよな……。


 ※


 馬車で安倍家へ戻る。

 紫苑さんに報告しようと思ったが、もう夜も遅い。


 月が綺麗だ。

 今日は休もう。


 久しぶりの安倍家。

 安心……は出来ないが、少し落ち着く。


「これからワシは陰陽頭に報告してくる。勝手な行動はするな」

「善処はします」

「……闇命の影響か?」

「絶対に違います、やめてください」

『どういうこと?』

「なんでもない……」


 闇命君からの視線が痛い。

 ここで解散するか。


 明日からはもっと忙しくなる。

 体力は残しておかないと。


「闇命君、大丈夫?」

『そっちは?』

「なんとか」

『僕も同じ』


 二人でため息を吐く。


 そのまま、それぞれの部屋へ戻った。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ