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憑依転生した先はクソ生意気な安倍晴明の子孫  作者: 文月朔夜
第二章 死絡村

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容態

 鼠姿に戻った闇命君を肩に乗せ、井戸へと向かう。

 もう一般的な起床時間になったのか、村の人達が徐々に増えてきた。


 堂々と井戸へ向かうと、琴平と紅音の後ろ姿を確認できた。


「来たか」

「遅いぞ、優夏」

「ごめんね」


 二人と合流成功。なんとなく安心だ。めっちゃ安心。

 もう何が来ても怖くない。琴平と紅音がいれば俺はなんでも出来る。


「怪我は大丈夫?」

「問題ない」


 紅音はこういう時、堂々と言うからなぁ。

 確認するため琴平を見る。


「先程から共に歩いているが、いつもと変わらん。固定はしているが、今のところ問題ないように見える」

「琴平が言うなら大丈夫……か」


 それでも琴平は心配そうだ。

 紅音に声をかけ、腕を掴んで支えている。


 ……いちゃつきやがって、この野郎。


『中は確認したの?』

「はい。確認したところ、今はまだ件の姿はありませんでした。おそらく、転生には数日かかるかと」


 へぇ、そうなんだ。


『まぁ、死んだ次の日に転生はないだろうね。他に変わったことは?』

「中は以前、闇命様と入った時と変わりませんでした。件の死体はなくなっていましたが……」

『そっか。ここにいても意味はない。今のうちに漆家の方を見よう。それで、件が生き返ったら悪行罰示神を行う』


 え、悪行罰示神?

 それって確か、倒した妖怪を式神にするやつだよな。


 ま、まさか……。


「闇命君、もしかして……」

『そのもしかしてだよ。僕は件を式神にする』


 い、いやいやいやいやいや!!!!


 それやばくない?!

 件の式神とか聞いたことないんだけど?!


『出来るかどうかは分からない。そもそも、件を式神にしようなんて考えた人はいないはずだ。危険性と見返りが釣り合ってない。正直、僕もやりたくない』

「やりたくないのにやるの?」

『保管も面倒だし、今の僕達なら使い道がある。それだけ』


 使い道?


 件は予言。

 それが使えるってことは──


「……件の予言で、靖哉達の行動を先読みするとか?」

『たまには勘が鋭いね。普段からそれなら助かるんだけど』


 ぐっ……。


「確かに有効かもしれない。でも、式神にする前に死の予言されたらどうするの?」

『そのために考えるんだよ。無策でやるわけないでしょ』

「そうだな……」


 ほんと回りくどい。

 まぁ、いいけど。慣れたし。


 ……ん?


 後ろから走ってくる音が聞こえる。


「村長。一体、何を慌てている」


 琴平が俺の後ろを見て呟いた。


 村長?


 振り向くと──


 なんか怖い!!?!


 銀髪を乱し、険しい顔で全力で走ってくる!!!


 無理無理無理無理!!!


「ま、待って欲しい!!」

「ひぇっ?!」


 逃げようとした腕を掴まれた。


 痛い痛い痛い!!


「貴様!! その手で闇命様に触れるな!!」

「今はそれどころではありません!! 魔魅様の容態が急変したのです!! 何か知りませんか?!」


 …………え。


 ※


 村長の言葉を聞き、急いで陰陽寮へと向かう。

 見た目は安倍家と大差ない、大きな屋敷だ。


 でも今は、そんなこと気にしている余裕はない。


「そこの右の襖です!」


 指された襖の前で立ち止まる。


「はぁ、はぁ……失礼します」


 息が整わない。

 でもそんなこと言ってる場合じゃない。


 襖を開ける。


 中には雨燕さんと、布団に横たわる魔魅ちゃん。

 壁際には百目が立っていた。


「魔魅ちゃん!! なんでこんなに顔赤いの?! 熱?」


 額に触れる。

 ……熱い。


『呪いから解放された反動だろうね』

「な、なんで? 普通は良くなるんじゃ……」


 闇命君が険しい顔で呟く。

 ここまで表情を変えるなんて、相当まずいのか?


 ……とにかく熱をどうにかしないと。


「琴平! 氷で冷やせないの?」

「出来なくはないが、調整が難しい。下手をすれば悪化する」

「他に何か……」


 俺が聞くと、琴平は険しい顔を浮かべながら雨燕さんを見た。


「……陰陽助様。小刀をお借りしてもよろしいですか」


 え、なんで小刀?


「……構わん」

「ありがとうございます」


 受け取った小刀を撫で、琴平が魔魅ちゃんに近づく。


「琴平?」

「傷つけるわけじゃない」


 周囲の空気が冷えた。

 息が白くなり、右手が淡い水色に変わる。


「これが一技之長。俺の属性は氷」

「なるほど……」


 冷えた小刀を、そっと額に当てた。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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