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憑依転生した先はクソ生意気な安倍晴明の子孫  作者: 桜桃
第二章 死絡村

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十二神

 ────いや、出来ないでいつものように諦める訳にはいかない。

 今は、諦めればすべてが丸く収まる事態じゃない。


「んっ……」

『っ、優夏!!』


 やっと目を覚ましたっ……か?


 ────ゾクッ!!


『……え』


 ち、違う。優夏じゃない。

 誰だ。なんで、僕の体に優夏以外の奴がいる。


 目を覚ました僕の瞳は、いつもの柑子色(こうじいろ)ではなく、漆黒。

 周りを見回しながら、ゆっくりと上半身を起こした。


 っ、な、笑いかけてきた?


『今回の危機は、そう簡単に抜けられそうにありませんね。力をお貸ししましょう』


 僕の声とは思えないほど通る、優しい声。

 《《僕の頭に乗せられている手》》も、僕の手とは思えないほど温かい。


『少し、君の法力を借りますよ。大丈夫、君の体に影響はありません。もう一人にもね』


 その場から立ち上がり、漆黒の瞳をセイヤと道満、雨燕へと向ける。


 笑みを浮かべているため優しい印象を与えるけど、その奥に潜む気配──いや、殺気ではない。


 この、肌を撫でるような感覚。舐め回されているようで気持ち悪い。


 その視線に名前を付けるとしたら、哀れみ、だろうな。絶対に向けられたくない。


『西方を守護する者よ、主の名において、今ここで神の力を見せよ。東西南北の四つの方位を司る神獣──名を白虎。急急如律令』


 え、白虎? なんで、白虎を扱えるの?


 っ、暗雲が漂い始めた。

 辺りが暗くなって雷の音が響き、風が吹き荒れ始める。


 何かが来る。今まで感じたことのない()か《・》が、体にビシビシと突き刺さる。


『さぁ、神の裁きを受けなさい。蘆屋道満』

「き、さま!! まだこの世をさまよっていたのか、《《安倍晴明》》!!!!」


 道満が叫んだ瞬間、神々しい鳴き声が辺りに響き渡る。


 それと共に、空を駆け回る一つの白い光──あれが、西方を守る神獣、白虎か!!!


「あれが、かつて安倍晴明のみが使役出来た十二神のうちの一体、疾病喪と恐れられた神獣、白虎」


 駆け回っている白い虎。

 空中から地上へ降り、安倍晴明と呼ばれた僕の体付近に着地した。


 神なだけあって、白い毛並みは輝き、赤く光る瞳は鋭く、見られただけで足がすくんでしまう。


 爪は鋭く、口から覗き見える牙は、ひと噛みされただけで即死するんじゃないかと思ってしまう。


 この場から動くことが許されない、そんな空気が漂っている。

 そんな中、晴明は先程と変わらない優しい微笑みを浮かべながら、道満を見続けていた。


『道満、自身の()の体を借りて、何をしているのですか? やりすぎだと思います。もう、やめませんか? これ以上、我々の因縁に子孫を巻き込むのは──』

「黙れ。貴様への憎しみは、怒りは、恨みは、まだ残っている。必ず晴らさせてもらう。貴様の血を絶やさせてやるぞ!!! 『牛鬼よ、我の恨みを晴らすべく、今ここで貴様の牙を見せつけよ、急急如律令』!!!」


 道満は白虎を前にしても逃げることはせず、歯向かおうと新たな式神を出した。


 あいつの出した牛鬼は、頭が牛で体が鬼の形。手には大きな三本槍が握られ、大きく鼻を鳴らす。


 体は二メートル以上はある巨体。

 見た目だけなら強そうだな。でも、相手は十二神の一体である白虎。勝てる訳がない。


 いや、道満の式神は牛鬼だけではない。

 雨燕に向けていた陰摩羅鬼も、まだ札に戻ってはいない。


 数的には道満が有利。式神だけではなく、セイヤという存在も大きく関わる。

 身体能力は並大抵のものではないみたいだし、式神なども扱えるだろう。


「ここで再度、闇に葬ってやるぞ」

『それは困りますね。この体はあくまで借り物。葬られてしまえば、この体も一緒に亡くなってしまいます』


 それは本当にやめろよ。

 安倍晴明でも許さないからな。


「知らぬな、そんなこと。ワシには関係のないことよ。さぁ、牛鬼、陰摩羅鬼。安倍晴明とその子孫を闇へと葬らせよ!!!」


 道満が言い放つと、牛鬼と陰摩羅鬼は応えるように晴明の方へと向かい、自身の武器を振りかざした。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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